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トランプ氏、再び「敗北」…オバマケア代案、撤回

 【ワシントン清水憲司、西田進一郎】トランプ米大統領と与党・共和党下院指導部は24日、オバマ前政権による医療保険制度改革(オバマケア)を廃止し新制度に置き換える法案の取り下げを決めた。与党内の反対が収まらず、可決に必要な過半数の賛成票をまとめきれなかったためで、政権には大きな打撃だ。入国禁止の移民政策に続く目玉政策の頓挫で、政権の求心力低下が進む可能性もある。

     「オバマケアは破裂するだろう。国民のための素晴らしい医療保険制度案を作るため、我々は結束していく。心配は無用だ」。代替案の採決断念から一夜明けた25日午前、トランプ氏はツイッターにこう投稿。今回は取り下げたものの、新たな代替案を練り直していく考えを示した。

     環太平洋パートナーシップ協定(TPP)離脱などトランプ氏の署名で済む大統領令ではなく、法案可決が必要だったオバマケア見直しは、政権運営の行方を占う試金石でもあった。与党内をまとめられなかった衝撃は大きく、米紙ニューヨーク・タイムズは「発足したばかりのトランプ政権にとって最も大きな敗北」と表現した。

     トランプ氏と共和党議員らは、昨秋の大統領選と議会選で、オバマ前政権の看板政策だったオバマケアの「廃止、置き換え」を公約として訴えた。

     同党指導部は今月、オバマケアのうち保険加入の義務付けや罰則規定を廃止し、低所得者に加入を促すための保険料補助をやめて年齢に応じた税額控除にすることなどを柱とする法案を議会に提出。共和党は下院(定数435、欠員5)の過半数にあたる237議席を占めるが、政府の関与をより少なくするよう主張する保守強硬派が反対したのに加え、穏健派も中高年の無保険者が出ることを懸念し反対に回った。トランプ氏やライアン下院議長は議員と次々に面会し、法案も修正したが、支持層を失うことを恐れた反対派議員の翻意は得られなかった。

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