陛下退位後の住まい、東宮御所を検討
天皇陛下が退位された場合の住まいについて、皇居内の「御所」から、皇太子さまの現在の住まいである赤坂御用地内の「東宮御所」に移すことを宮内庁が検討していることが分かった。即位後の皇太子さまは御所に移られることが検討されており、この場合、陛下と皇太子さまの住まいを交換することになる。【高島博之】
こうした住まいの交換が実現すれば、新たな住まいを建設するための出費を避けられる。同庁は、陛下や皇太子さまの意向を確認しながら検討を進める。
天皇、皇后両陛下の現在の住まいである御所は、即位後に東京都千代田区の皇居内で建設が始まり、1993年に完成した。それまで両陛下は、港区元赤坂の赤坂御用地内に60年に完成した東宮御所で暮らしていた。東宮御所は、両陛下が御所に転居した後、皇太子ご一家の住まいとなっている。
宮内庁は、退位後の陛下の住まいについて、赤坂御用地内に移す方向で検討を始めていた。
陛下の退位によって皇位継承順位1位となられる秋篠宮さまの宮邸も赤坂御用地内にあり、候補の一つにもなっていたが、東宮御所は両陛下が30年以上暮らした場所であることなどから有力となっているという。
歴代の退位した天皇の住まいは「仙洞(せんとう)御所」と呼ばれている。退位後の陛下の住まいの名称も仙洞御所とすることが検討されている。