【巨人】岡本、涌井から2安打で開幕スタメンに王手!
◆オープン戦 巨人2―0ロッテ(25日・東京ドーム)
照れくさそうに首をすくめる岡本とは対照的だった。“新化”の予感に、スタンドとベンチが沸き立った。6回1死から右前打を放って代走を送られると、ファンの大歓声、味方のハイタッチに迎えられた。
「自分のスイングをしようと取り組んでいます。大事なのは今、打ったとかじゃない。シーズンを通して、ずっと打つことです」
独壇場で、開幕スタメンに王手をかけた。まずは2回1死一塁。外へ逃げていく涌井のスライダーをバットの先で拾い、ライナーで左前へ運んだ。続く4回2死ではインハイのボール球を強振し、左翼フェンス直撃の二塁打。相手のエース右腕から2安打し、6回に東條から放った右前打と合わせ、3安打の固め打ちだ。
高橋監督は「いいヒットが出たので、これを続けていってほしいね」と評価し、村田ヘッドも「いい投手から打てたのはよかった。明日(26日のロッテ戦)も使ってみたいと思う」と、開幕に向けた最終戦のメンバーに組み込んで、チェックする考えを明かした。
思考の変化が、ラストスパートを後押しした。「何でもかんでも、全部追いかけるのはやめました」。追い込まれた際、空振りを恐れるあまりスイングが弱くなっていたが、江藤打撃コーチや二岡打撃コーチの助言をもとに、狙い球を明確に絞ることを徹底した。オープン戦は打率2割前後と低迷していたが、23日の日本ハム戦(東京D)では代打でバックスクリーンへたたき込み、24日の全体練習でもフルスイングでアーチを量産。江藤コーチは「自分の形で表現しようとしている。(日本ハム戦の)あの一本で吹っ切れたかな」と満足そうだった。
昨季は打撃不振から抜け出せず、オープン戦最終戦後に2軍へ降格したが、今年は土壇場でよみがえった。「使いたいと思われるように、開幕を1軍で迎えられるようにしたい。迎えられたら優勝に貢献できるように。当てにいったりせず自分の打撃をしたい」。開幕戦のスタメンで、「左翼・岡本」はコールされるか。“新化”のキーマンが、最終テストに臨む。(尾形 圭亮)