寅さんを「見送るさくら」像除幕式…倍賞千恵子「私の妹、分身のよう」

2017年3月26日5時0分  スポーツ報知
  • さくらの銅像の除幕式に参加した倍賞千恵子と山田洋次監督(カメラ・小林 泰斗)

 俳優・渥美清さん(1996年死去、享年68)が主演した国民的映画シリーズ「男はつらいよ」(69~95年)の主人公・車寅次郎(寅さん)の妹・さくらの銅像が東京・京成柴又駅前広場に完成し、25日にお披露目された。この日は、さくらを演じた倍賞千恵子(75)と同作の山田洋次監督(85)が除幕式に出席した。

 シリーズが終わって22年。劇中の兄妹が、柴又で“再会”した。99年完成の寅さん像と約7メートル離れた所に、エプロンにサンダル姿でたたずむさくら。まさにそっくり。今にも「お兄ちゃん」と心配する、あの声が聞こえてきそうだ。銅像のタイトルは「見送るさくら」。

 倍賞は像をいろんな角度から見ながら「つくると聞いたとき『えーッ、私まだ生きてますけど』と思った。でも監督に『それは違うよ。諏訪さくらさんなんだよ』と。私の妹、分身のよう。お兄ちゃん、今日から寂しくない。雨の日も風の日も雪の日も、2人でいるから」とずっと一緒にいられることを喜んだ。

 この像は寅さん像と同じく、彫刻家の吉田穂積氏によるもの。山田監督は制作しやすいよう、短いシナリオをつくった。失恋で傷心状態の寅さんは、冷たい風が吹く中、駅まで見送りにきた心優しい妹に言う。「おい」「なあに」「満男に一生懸命勉強しろと言っとけよ」「うん、わかった」

 山田監督は「ずっとさくら像をつくってほしかった。仏様に言うようだけど、本当にいい顔をしていますよね。僕たちが作り上げた女性像なんですね」としみじみとした表情で見入っていた。映画第1作から今年で49年目。2019年には50周年となる。不滅の“寅さんブランド”で、柴又は外国人など観光客の飛躍的な増加も狙っている。

  • 楽天SocialNewsに投稿!
芸能
今日のスポーツ報知(東京版)