Android8.0 Oreo?の開発者用プレビュー版をNexus5Xにインストールして新機能や変更点について実際に触って色々と調べてみました。
今回はAndroid Oの新機能の中でAPIなど開発者向けではなく、一般の利用者にとって見た目で分かる新機能や変更点について紹介します。
出典:Android O Features and APIs | Android Developers
- ロック画面のショートカットがカスタマイズ可能に
- 設定メニューのUIが変わった
- 通知チャンネル
- ピクチャー・イン・ピクチャー(PIP)のサポート
- iPhoneのようなアイコンにバッジ表示可能に
- オーディオ機能の強化とBluetoothコーデック
- バッテリーの省電力機能の改善
- パスワードなどの自動入力
- 提供元不明アプリのインストール方法が変更に
- ナビゲーションのカスタマイズ
- アプリのスキャン結果(Verify Apps)が容易に確認可能に
- Android Oに関する所感
ロック画面のショートカットがカスタマイズ可能に
標準状態では設定がいじれないシステムUI調整ツールを表示させてみると、ロック画面という項目があるので見てみると、新たにショートカット機能のカスタマイズが出来るようになっていました。
これまでネイティブAndroidではロック画面でカメラを起動するショートカット機能は用意されていましたが、Android Oでは、カメラ以外のアプリも呼び出すことが可能になっています。
左側と右側にそれぞれショートカット起動できるアプリを指定できます。
今回は左側に電卓アプリを設定してみました。
ロック画面でショートカットのアイコン(上の画像だと電卓やカメラアイコン)をタップして、左右にスワイプするとアプリが起動するようになっています。
設定メニューのUIが変わった
Android7.0で大きく変わった設定周りのUIがAndroid Oでもまた変わっています。
背景の色調が白地になりました。
そして、設定メニューのUIで変わったのがストレージ管理です。
容量を増やすボタンが登場
まず目につくのが、「容量を増やす」というボタンです。
これをタップすると、下記ジャンル毎に使われている容量が表示され、ジャンル毎にデータを簡単に削除できるようになりました。
- 写真と動画
- ダウンロード
- アプリ
これらの機能は従来はサードパーティ製のキャッシュクリア系のアプリが提供していた機能になります。
ファイル管理アプリ
先程の容量を増やすボタンの下にある「ファイル」という項目を開くと、従来サードパーティ製のファイル管理(エクスプローラ)アプリで行っていたフォルダやフィアルの管理が出来る機能が標準で用意されました。
通知チャンネル
Android Oでは通知にカテゴリーという区分けが用意されます。
上の図を見てもらうと分かるように
- スクリーンショット
- ストレージ
- 一般メッセージ
といったカテゴリーがあり、カテゴリー毎に通知の表示・非表示がコントロール出来るようになりました。
例えば、スクリーンショットをよく撮るという人ならば、Androidのステータスバーに通知アイコンが表示されて、通知をいちいち削除するのが面倒だったりします。
そこで、スクリーンショットというカテゴリーの通知については、マナーモードならば通知が来ないように出来るわけです。
これ実際に使ってみると地味に便利でした。
通知のスヌーズ機能
通知機能では他にも新しい機能があります。
表示された通知を左右どちらかにスワイプすると、時計アイコンと設定アイコン2つのアイコンが表示されます。
時計アイコンの方をタップすると、下記画面になります。
ここでその通知を指定した時間非表示にして再度通知画面に表示するということが可能になりました。
別の時間にお知らせして欲しい場合に使えそうです。
もう1つの設定アイコンの方をタップすると、該当の通知をOn/Offできるようになっています。
いちいち該当アプリの設定に移動して通知をOFFにする必要がなくなるので使い勝手がよくなりました。
これら通知の挙動についてはユーチューブに動画がありましたので、 参考に掲載しておきます。
動画を見てもらうとイメージがよりはっきりします。
ピクチャー・イン・ピクチャー(PIP)のサポート
動画などを小さな枠で表示して視聴しながら他の操作をすることが可能なピクチャー・イン・ピクチャー(PIP)。
これまでのAndroid7ではAndroidTVのみのサポートだったのですが、Android Oからはスマホ及びタブレットでもサポートされアプリ側が対応すれば利用できます。
ピクチャー・イン・ピクチャーに対応したアプリは、設定内のPIPを見ることで確認できます。
現時点ではyoutubeのみが対応している状況ですが、今後AbemaTVなど動画系アプリは対応していくのではないでしょうか?
iPhoneのようなアイコンにバッジ表示可能に
iPhoneではお馴染みのホーム画面に表示されているアイコンに通知数などがバッジで表示される機能が、AndroidでもOSでの機能として提供されます。
設定メニューのアプリ一覧から各アプリの設定変更する箇所で「バッジの表示」をON/OFFする設定が追加されています。
尚、今のところプレビュー版ではこれをONにしてもバッジ表示はされません・・
オーディオ機能の強化とBluetoothコーデック
Android OではBluetoothのコーデックとしてソニーの「LDAC」とQualcommの「aptX」にOSレベルで対応しました。
これによって、ハイレゾ相当の音源をワイヤレスで利用できるようになります。
これまでXperiaなど一部端末が独自に対応してきましたが、Android O以降はこれらコーデックに対応したワイヤレスイヤホンを持っていればより良い音を聞くことが出来ます。
バッテリーの省電力機能の改善
Android Oで強調されている機能改善として省電力機能の強化による電池の持ち具体改善と、パフォーマンス改善です。
省電力機能の強化は、バックグラウウドでの動作がより厳しく管理制限されます。
アプリがアイドル状態になったのを監視して、不要な動作をAndroidがさせないようにすることでバッテリーの消費を抑えます。
また、バックグランドでの位置情報の取得も制限されます。
目安としては1時間に数回程度の取得であれば問題ないとのことですが、ポケモンGoなどバックグランドで位置情報を頻繁に取得しているアプリに影響が出そうです。
パスワードなどの自動入力
Android Oではキーボード機能に対するAPIが拡張されて自動入力用のプラットフォームが追加されます。
これによって、LastPassなどパスワード管理系アプリの使い勝手がより一層よくなることが期待できるので、WebサービスやアプリのログインにおけるユーザID,パスワードの入力がより簡単になりそうです。
現時点では、私が使っているLastPassアプリはAndroid Oの新しいAPIに対応していないため、候補が1つもない状態です。
提供元不明アプリのインストール方法が変更に
Android7まではGoogle Play以外からアプリのダウンロードを行ってインストールを行うには設定アプリのセキュリティーメニュー内にある提供元不明アプリをONにする必要がありました。
これがAndroid Oから変更されています。
従来は、ONにするだけでどこからでもインストールすることが可能でした。
それがブラウザーやDropboxなどアプリ毎に許可するかしないかを指定するように変わっています。
例えば、ブラウザーのChromeで提供元不明アプリを信頼するを"ON"にして、Chromeアプリで提供元不明アプリのapkファイルをダウンロードするとインストールすることが出来ます。
しかし、この状態でFirefoxなど他のブラウザーでapkファイルをダウンロードしてもインストールすることは出来ません。
提供元不明アプリのインストールは、Androidのセキュリティを脅かしている存在の1つなので、より安全な環境を作り出そうということなのでしょう。
ナビゲーションのカスタマイズ
HuaweiやフリーテルなどAndroidスマホメーカが独自に用意していたナビゲーションのカスタマイズ機能がAndroidの標準機能として用意されました。
例えばレイアウトでは、
- 標準
- コンパクト
- 左寄り
- 右寄り
という4つのレイアウトが用意されていて、コンパクトにすると下のように3つのナビゲーション間隔が短く配置されます。
他にもクリップボードにアクセスできるボタンを追加するなど、標準の3つ以外のボタンも追加できます。
アプリのスキャン結果(Verify Apps)が容易に確認可能に
Androidでは、端末内のアプリを定期的にスキャンしてが無いかどうかチェックしています。
これを「Verify Apps」というのですが、この機能の結果とそこへのアクセスがわかりやすくなっています。
従来は、設定メニューの中でもかなり分かり難い場所にあってスキャン結果を確認するのが大変でしたが、Android Oでは設定内の「セキュリティとロック画面」という項目配下に追加されているので、従来よりも簡単にアクセスできるようなりました。
Android Oに関する所感
ここまで見てもらえれば分かるように、これまでAndroidスマホを開発してきたメーカが既に実装してきた便利機能が素のAndroidOSとしてサポートしてきた感じです。
そしてAndroid7.0からの流れを受け継いでいて通知系と電池の持ちをよくする機能が引き続き強化されています。
ここまで紹介した新機能について、英語ではありますが、下記動画を見ると動きが一通りイメージが付きやすいです。