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【政治】

「妻関与ない」根拠揺らぐ 首相、森友問題で答弁

 国有地が「森友学園」に格安で払い下げられた問題で、安倍晋三首相夫人付きの職員が国有地を巡り財務省に照会していたことが判明し、首相が主張していた「私も妻も一切、払い下げに関係していない」との発言根拠が揺らいでいる。学園の籠池(かごいけ)泰典氏は首相の妻昭恵氏が職員に対応させたとの認識を示したのに対し、首相は昭恵氏自身は関与していなかったと主張。だが、少なくとも昭恵氏の秘書役だった職員が動いたのは事実だ。 (金杉貴雄)

 職員が国有地を巡り財務省に問い合わせた内容を籠池氏に送ったのは、二〇一五年十一月。昭恵氏が小学校の名誉校長に就任した二カ月後だった。

 首相は二十四日の参院予算委員会で、照会は職員個人が行ったもので、昭恵氏は関係していない、と繰り返し強調した。だが籠池氏は昭恵氏に頼んだからこそ、職員が動いたとの認識で、昭恵氏と職員は一体と受け止めている。

 二十四日の質疑で共産党の小池晃氏は「昭恵氏の意向も指示もなく、担当者が勝手にやることは絶対ない」と指摘。首相は直接答えず「だから(問い合わせた後)夫人に報告したとファクスに書いてある」などと述べるにとどめ、指摘を否定しなかった。

 昭恵氏は問題発覚まで小学校の名誉校長で、学園との密接なつながりが指摘されていた。だが、国有地を巡り具体的な“証拠”が出てきたことで、事態は変わった。

 首相は「妻が国有地の払い下げに関係していたら、首相も議員も辞める」と断言している。職員の行動が、この「関係」に当たるかが最大の焦点になる。

 籠池氏自身は国有地の大幅値下げは、この職員の行動が影響したと認識している。国有地で新たなごみが見つかったとして三月に面会し交渉したのは財務省国有財産審理室長。職員が国有地を巡り問い合わせをしていたのは、この室長だった。

 職員は籠池氏に送ったファクスで「引き続き、当方としても見守ってまいりたい」と記していた。今後もこの国有地問題に関与していく姿勢があるとも受け取れる。菅義偉官房長官は二十四日の参院予算委で「当方」は誰かと問われると「職員だ」と答え、昭恵氏は関与していないと強調した。しかし、小池氏は「誰が聞いてもおかしい」と指摘し、昭恵氏を含んでいるとの考えを示した。

 

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