【特別企画】漫画家・のむらしんぼ先生が『コロコロコミック』と自身の漫画家人生を語る! 『コロコロ創刊伝説』インタビュー

このエントリーをはてなブックマークに追加

■『コロコロ創刊伝説』連載について

shinbo-09
▲『コロコロ創刊伝説』単行本第1巻(583円※税別)は、全国の書店で絶賛発売中。

――改めて『コロコロ創刊伝説』連載の経緯を教えてください。

のむらしんぼ(以下、しんぼ):担当編集者の石井宏一さんの企画なんです。そもそも僕は『つるピカハゲ丸』のようなホンワカとしたギャグ漫画を『コロコロアニキ』でやろうと思っていて、その途中で担当編集者が石井宏一さんに変わったんですよ。絵コンテも描いたりして準備していたんだけど、石井さんから「この企画、捨ててください」って言われて(笑)。石井さんは長期の連載を考えていて、「今までにない新しい漫画をやりましょう」と。「何をやるんですか?」って聞いたら、「『コロコロ』の歴史を描きましょう。しんぼ先生でしか描けないですから」「主人公は誰にするんですか?」「決まっているじゃないですか。しんぼ先生ご自身ですよ」と(笑)。そこからまったくのゼロの状態からスタートしました。

石井:のむらしんぼ先生は『コロコロ』ができる前からアシスタントとして小学館に通っていたんですよ。『コロコロ』でデビューして、今でも『コロコロ』編集部でずっと漫画を描いている。約40年もの間『コロコロ』一筋で描き続けてきた、唯一の漫画家さんなんですよね。

しんぼ:60歳過ぎて編集部で絵コンテを描いているのは僕ぐらいかもしれませんね。実は読み切り1本描いて原稿料を貰えれば御の字だなって思っていたんですよ。けれど、石井さんは長期の連載を考えていて、2人で喫茶店で打ち合わせを何回もしました。石井さんは『コロコロ』黎明期の当時の情報など、細かいデータもちゃんと調べてくれて。また石井さんだけではなく、僕の初代担当編集者で『コロコロ』3代目編集長である平山隆さんも、すでに引退されてOBなんですけど、「しんぼちゃんのためだったら」と一緒に食事をして、当時の回想などを話してくれましたね。

石井:『コロコロ創刊伝説』にも登場されている平山さんという伝説の編集者のお話を聞いて、私が裏付けをとってデータを整理し、しんぼ先生が物語を作っています。

しんぼ:当時の回想や裏話などは自分で描いていて楽しいんですよね。石井さんと二人三脚でちゃんと取材に行ってますからね。

――編集者だけではなく、『コロコロ』の漫画家さんたちも数多く登場されますね。

石井:しんぼ先生は『コロコロ』で描かれた漫画家さんたちともほとんどお知り合いで、「しんぼ先生の漫画に登場するのだったら、何を描いてもいいです」って言ってくれる方が多いんですよね。

しんぼ:『ファミコンロッキー』のあさいもとゆき先生とも20年ぶりぐらいに再会できて。『ゲームセンターあらし』のすがやみつる先生からは「爽やかに描いてくれて、ありがとう」って(笑)。『創刊伝説』に登場する漫画家たち、みんな喜んでくれますね。前号(第7号)は、高橋名人を取り上げましたが、実は当時、ゲーム会社のハドソンが『ロードランナー』を『コロコロ』に売り込みにきたんですよ。僕もハドソンの歴史は知っていましたけど、『コロコロ』に来た当初の経緯は知らないんですよね。『コロコロ』との運命の出会いというか。当時のハドソンと『コロコロ』が出会ったことから高橋名人が生まれたという話で、それは描いていて非常に面白かったですね。

――『コロコロ』の歴史とともに、同時進行で当時と現在のしんぼ先生の境遇を包み隠さず、プライベートもさらけ出されていて、読者にすごく反響を呼んでいます。

しんぼ:本当のことを言うと、初めは「僕は描きたくない」って、石井さんに言ったんですけどね。

石井:平山さんに「描かなきゃいけない」って言われました。

しんぼ:石井さんと平山さんの3人で食事したときに、平山さんだったら僕を理解して助けてくれると思って、「平山さん、離婚した話とか描けますか」って、泣きついたんですよ。そしたら、助けてくれるどころか、「描け、描け」と勧めてきたんです。「僕は絶対に描きたくないですよ」「しんぼちゃん、それを描かなきゃ。漫画家は恥をさらしてナンボだ。そこを描かないと面白くならないよ」って言われて。もう「はい」と頷くしかなかったです。でも、結果良しだよね。

石井:私からすれば、しんぼ先生は普段のトークショーなどでプライベートのことを話されているのに、なぜいままで漫画で描かなかったのか、という感じですね。

――石井さんから見れば、のむらしんぼ先生ご本人自体がネタの宝庫みたいな感覚なんですかね。

石井:それはそうですね。「漫画より本人が面白かったらダメだよ」と、いつも平山さんから言われてたらしいですね。デビュー当時から「本人が面白すぎちゃダメだ」って。だって、見てください。(と単行本の裏表紙を見せて)若い頃はムチャクチャですよ。何をやってる人なんだって(笑)。

のむら:これじゃテロリストだよ(笑)

shinbo-02▲若い頃のしんぼ先生。テロリストのような風貌で、堅気には見えない。しんぼ先生は最近、自撮りにハマっており、最近の自画像も『創刊伝説』に掲載されている。

次ページ:支えとなった藤本弘先生のお言葉

前の記事へ

「出たな!ケントン!これでも食らえッ!」 ウルトラ【まる怪】グルメ 第19回〜岐阜編〜

「出たな!ケントン!これでも食らえッ!」 ウルトラ【まる怪】グルメ 第19回〜岐阜編〜

次の記事へ

【3分でわかるニッポンの伝統工芸】静岡:駿河雛具

【3分でわかるニッポンの伝統工芸】静岡:駿河雛具

関連記事RELATED ARTICLE

切通理作さん新刊刊行記念インタビュー! あらゆる年代で楽しめる「ウルトラマン」の凄さと、大傑作エピソード「少年宇宙人」を語る

【ガルパンもウルトラマンもいいぞ】大洗大使・蝶野正洋さんインタビュー 好きな「ウルトラマン」シリーズとオススメの大洗観光スポットとは?

昭和20年の広島を描いた映画「この世界の片隅に」片渕須直監督インタビュー この世界に生きる、人の心の力とは?

東京国際映画祭のエース・矢田部吉彦さんインタビュー 映画の魅力を伝える仕事と後悔しない生き様とは?

映画祭マニアがお勧めする、日本各地の映画祭の楽しみ方 「映画祭は音楽フェス感覚に近いんですよ!」

下町育ちの江戸っ子!「シン・ゴジラ」特殊造形プロデューサー・西村喜廣さんの特撮ファン必読エピソードとは?【ウルトラインタビュー】

いとうせいこうさんが語るウルトラマン・映画・下町の魅力とは? 「面白いから来てくださいじゃなくて、みんなで観るから面白いんですよ」 【ウルトラインタビュー】

【ウルトラインタビュー】声優界のレジェンド・羽佐間道夫さん 「ことば遣いを丁寧にするっていうのは、やっぱり良い映画にしか潜んでいないんだよ」

【ウルトラインタビュー】ショートアニメ「野良スコ」「紙兎ロペ」でおなじみの内山勇士監督に下町の魅力を伺いました!

キーワードKEY WORD