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過去の声明「継承」総会経ず決議 日本学術会議

 科学者の代表機関・日本学術会議は、半世紀ぶりに今月打ち出した軍事研究を巡る声明案について、24日の幹事会でほぼ原案通りに決議した。声明案をまとめた検討委員会は、声明の重みや歴史的経緯を踏まえ、全会員が出席する4月の総会での採決を求めてきたが、総会での議論を経ないまま決定した。

     科学者が戦争協力した反省から、学術会議は1950年と67年に戦争と軍事目的の研究を行わないとする声明を決議している。新たな声明は、過去2回の声明を「継承する」と明記し、研究の適切さを審査する制度を各大学などに設けるよう求めたのが特徴。拘束力はないが、大学などの対応の指針となる。

     過去の声明は総会で決議されたが、現在は制度改正で会長を中心とする幹事会で採決することが通例となっている。だが、今回は学術会議創設の原点に関わる内容のため、来月13日に開く総会で議論した上で、会員210人が挙手で採決することが提案されてきた。

     この日の幹事会では「早く決めるべきで、手続きを変える必然性がない」「総会が紛糾してまとまらない懸念がある」といった意見が続出。総会で議論だけすることで一致した。声明案で「政府による研究への介入」を懸念した表現の緩和を求める意見もあったが、原案通りとなった。

     幹事会後に取材に応じた大西隆会長は「想定と違う点もあったが、学術会議としては正当な手続きだ」、検討委の杉田敦委員長は「全く想定していなかった事態だが、検討委の結論がほぼそのまま発出できることはうれしい。総会は今後も議論を続ける第一歩となれば」と述べた。【千葉紀和】

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