2017-03-24
■[book]ブルマーの謎: 〈女子の身体〉と戦後日本 
意外と言っては失礼だが熱の入った丁寧な取材で面白い本だった(前半は)。よく言われる俗説「東京オリンピックでソ連のバレー選手のブルマが格好良かったから」では急速な普及を説明できないとのことで調査を始める。
第二次世界大戦での敗戦後、GHQからの指令により「民主主義教育」の一環としての体育を目指す文部省は、民主主義教育を阻害する勝利至上主義、精神主義が対外試合の為と称して現れる事をよく知っており、このため中学生の県外試合やスポーツ全国大会開催を禁止した。
一方、当たり前だが、強敵との切磋琢磨無しに強い選手は育たないので、強いスター選手を育成したい日本陸上競技連盟や日本水泳連盟は中学生の全国大会を開きたがる。
彼等の野望を挫き民主主義教育の一環としての体育を守るため中学校の校長たちは「全国中学生体育連盟(中体連)」を結成。全国大会開催を防ぐのであった。
ところが!東京オリンピックでの日本選手団不振により高まった、強い選手の育成を求める国民の声に屈し、文部省も中学生の全国大会を認める。そしてあくまで教育の一環という体裁のためか、こともあろうにそもそもが全国大会開催阻止のための組織、中体連にも全国大会運営委員会への参加を求める。参加した中体連は金欠のため陸上連盟や水泳連盟に比べ発言力が弱い。このままでは中学体育は勝利至上主義と精神主義が蔓延し民主主義教育の危機、中学生の危機。どうする!?中体連!?
そこに登場するのが日本ブルマ界の高杉晋作、商社高島の偉人、千草基氏だ。彼はカンコー学生服で有名な尾崎商事と中体連を巻き込み、世が世ならNHKでプロジェクトXのネタになるような活躍を繰り広げる。
…というのが一方の軸。事実かどうかは不明だが関係者に取材しまくってて面白い。昨日は陰謀論とか言ってすまんかった。
もう一方の軸が、それまで女子生徒の体の線が出ないよう細心の注意をしていた学校関係者や当の女子中学生たちが何故、太もも出まくりのブルマをあっさり受け入れたのか?という謎で、こちらは戦前からのパンツ二枚履きの習慣の延長で体操着としてのブルマはともかく女児のスカートの下履きとしてのブルマは既に一般的だったのではないかという説が述べられているがこちらは割と資料からの推測。
尚、導入の経緯調査の熱の入り具合に比べて、廃止の経緯については超適当。分量も1/10位だし。1987年にセクハラの概念登場、1994年のシンガポール日本学校でのブルマ強制問題を朝日新聞が報じ、嫌がるブルマを穿かせるのはセクハラでは?の機運が醸成(おのれ朝日新聞…!)、また一方、NBAのダボダボファッションがJリーグへの波及により人目に触れる機会が増え「ダボダボで中途半端な長さのズボンでも体操着としてOKなのだ」という認識が広まった事に拠りこれがブルマの代替となり一気に切り替え…とか何とか。取材も行わず資料も新聞だけ、後は全て推測であり明らかにやる気が感じられない。まぁやる気が出ない事自体には共感できるが。
そして最後、30年間続いた経緯についての8章に至ってはもはや筆者の妄想だけがダラダラと続くのである。前述のシンガポール日本学校の体育教師が女性だった、という一点から妄想逞しすぎる。「婦徳派はブルマーを穿く少女たちに恥じらう女の姿を垣間見て」云々てなんだそりゃ。筆者の性癖か。羞恥プレイか。まったく人文系の本で“まなざし”という単語が出てきたら妄想注意、特に鍵括弧で括った平仮名の“「まなざし」”となると寝言確定なのである。前半は良かっただけに最終章で台無しだ。
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