ふっふっふ、いいヒストリカル・ミステリと出会えたな~

と、うれしいまほろばです。
1巻より2巻のほうがおもしろかったということは、まだまだ続くシリーズをこれから制覇しようとするわたしにとってなかなか幸先がいいではありませんか。
2年にわたる夫の喪が明け、社交界に堂々復帰のレディ・エミリー。これが波乱万丈の日々の幕開けとなります。
古代ギリシャ語の勉強をしていることで世間からは変人扱いされ、もともと社交に興味がないので出席するパーティーを厳選したら、断った招待主たちからは「お高くとまっている」と非難され、思うようにいきません。
おまけに幼馴染のベインブリッジ公爵ジェレミー・シェフィールドと恋仲だと噂が(もちろんガセ)流れます。
コリン・ハーグリーヴスがエミリーに求婚していることは周知の事実だったので、あれやこれやの悪評が重なり「なんと破廉恥な」と世間から村八分にされそうになってピ~ンチ!
エミリーは社交界とは一定の距離をおきたいとは思っていても、完全に抜け出したいとは思っていないわけで、世間とのほどよいお付き合いのコツをつかむのに四苦八苦しています。
事件としては、
●ルイ16世とマリー・アントワネットの直系の子孫を名乗るチャールズ・ベリーがロンドン社交界の寵児に。
●貴族、紳士階級の邸宅からマリー・アントワネットゆかりの品々が次々と盗まれる。
●アントワネットが所有していたピンクダイヤモンドの持ち主、デイヴィッド・フランシスが自宅で殺される。
●レディ・エミリーの謎の崇拝者(というよりはストーカー (>_<))現る。
と、盛りだくさんな内容。
デイヴィッド・フランシスの妻から殺人犯を見つけてほしいと頼まれたレディ・エミリーは、持ち前の粘り強さで捜査を始めます。
レディ・エミリーとコリン・ハーグリーヴスの恋は、順調です。
二人の会話が控えめに艶めいていて楽しくて、キュンキュンします。
そうそう、コリンの正体は「女王陛下の007」でした。女王はエリザベスⅡじゃなくてヴィクトリア女王だし、殺しのライセンスは持ってないけどね。
このシリーズのいいところは、コリンはエミリーのことを愛していて私生活の手助けはいくらでもするけれど、捜査の手助けはいっさいしないことです。
エミリーは自分の足で情報を集め、自分の頭で考えます。要領が悪くて失敗もたくさんするけれど、誰に何を言われようと負けずに真実を追究していきます。
フランス王家がらみの事件なので、エミリーはパリに滞在して捜査をします。
19世紀のパリの描写はすてきでしたよ。
それから、エミリーの幼馴染、ベインブリッジ公爵ジエレミー・シェフィールドは要チェック。
子供のころ、蛙を片手にエミリーを追いかけたという彼は、爵位もお金も持っている、社交界における夫にしたい独身男性ナンバーワン。
ちょっとチャラ男だけど、エミリーを心ひそかに慕っているのでした。