「残業上限100時間」適用、運輸・建設業は五輪後に?ネット上に戸惑いの声
≪総理の動き≫本日(3月13日)安倍総理は官邸で日本労働組合総連合会の神津里季生会長及び日本経済団体連合会の榊原定征会長による訪問を受けました。⇒https://t.co/1lbfjXOKeE pic.twitter.com/Z2n3H2uas5
- 首相官邸 (@kantei) 2017年3月13日
一部業種で「月100時間未満」という残業上限の適用に、猶予期間が設けられる。
2020年の東京五輪後まで除外?
東京新聞が3月23日、運輸業や建設業など一部の業種について、「1カ月の残業時間の上限を100時間未満」とする法律の適用が見送られる公算が大きくなったと報じた。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック後まで除外される見通しだという。
残業が「100時間未満」上限に
現在、労働基準法では「1日8時間、週40時間」を超える労働を原則禁止するが、36協定を結ぶと「月45時間以内、年360時間以内」まで残業が可能に。
さらに「特別条項」を結ぶことで、実質的に上限がない時間外労働が可能になるため、政府は残業に上限を設けるか議論している。
今月13日には、経団連の榊原会長と連合の神津会長が首相官邸で会談を実施。
安倍首相の要請を受けて、残業時間の上限は「月100時間未満」で決着する見通しとなった。
もともと時間外労働規制の適用外
この「月100時間未満」という残業の上限適用が、運輸業や建設業など一部業種で東京オリンピック後まで見送られる見通しだという。
もともと「工作物の建設等の事業」「自動車の運転の業務」などは、年360時間までという残業時間の上限適用外。
厚生労働省「時間外労働の限度に関する基準」
運転業や建設業への残業上限適用について安倍首相は今月17日、「猶予期間を設けたうえで、実態に即した形で時間外労働規制を適用する方向」と表明。
どの程度の猶予期間を設けるかが議論の的となっていた。
「人手不足」を理由に業界が要請
なぜ上限適用が東京五輪後まで見送られる公算が大きくなったのか。
日本経済新聞によると、運輸・建設業界などが「東京五輪に向けて深刻な人手不足が予想される」として、五輪後まで適用しないように要請しているという。
また、経済界からは適用除外とする業種をもっと広げるように求める声も上がっているそうだ。
ネット上には「一番変えなきゃいけない業種」という声
残業上限の適用見送りの可能性ついて、ネット上に反響が続々。
「本末転倒」「一番変えなきゃならんとこに限って」「除外する意味が分からない。むしろ、ここを締めていくべき」「もう怒らなきゃダメ」「逆にオリパラまでに解決してもらいたい」など、戸惑う声や厳しい意見が多く投稿されている。