ドナルド・トランプ大統領の就任から2カ月が過ぎました。昨年の大統領選で民主党のヒラリー・クリントン陣営の一員として戸別訪問を重ねてきた海野素央・明治大教授。最終回となる今回は、トランプ政権の滑り出しと今後の行方を分析してもらいました。(構成 GLOBE編集部・左古将規)
3月17日、民主党のジェリー・コノリー下院議員が支持者を集めて開いたパーティーに参加してきました。コノリー議員はバージニア州選出で、昨年の大統領選でクリントン陣営を支えた1人です。アイルランド系移民のお祭り「セント・パトリックス・デー」を祝うパーティーの会場で、私はボランティアスタッフの一員としてサーモンを配りました。
パーティーには、民主党の州知事選挙の候補者や、地元の地方議員も来ていました。彼らがスピーチでそろって強調していたのが、「アメリカの価値観を守ろう」というメッセージです。
民主党の議員たちはトランプ政権を見て、「民主主義」「平等」「人権」といったアメリカの核となる価値観が侵されている、と感じています。中東・アフリカ6カ国の国民の入国を禁止した大統領令は、憲法修正第1条で定められた「信教の自由」に反している可能性が高いと連邦地裁で判断されました。
アメリカでさらに注目を集めているのは、昨年の大統領選でのトランプ陣営とロシアとの関係の有無です。米連邦捜査局(FBI)のコミー長官は下院の公聴会で、ロシアが昨年の大統領選にサイバー攻撃で介入した問題について、トランプ陣営とロシアとの関係を捜査していると明らかにしました。民主主義の根本である選挙がゆがめられたのではないか、との疑いまで持たれているのです。