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貞子さんが家に来た。
貞子(さだこ)は、小説およびその映像化作品『リング』シリーズに登場する架空の人物。超能力者。
劇中に登場した時点では既に故人であったという設定だが、現世に未練や恨みを残し、見た者を呪い殺す「呪いのビデオ」を発端として災禍を巻き起こす。また続編では現世への復活を遂げるなど、シリーズを通しての元凶として登場する。原作の描写によれば、色白黒髪で長身華奢、大人びた顔立ちの美女である一方、半陰陽者という身体的特徴を持つという設定である。ただし貞子の設定はメディアごとに異なっており、貞子を有名にした1998年の映画版『リング』では、白のワンピースに長い前髪で顔を覆い隠した女性として登場し、終盤ではテレビから這い出てくる恐ろしげな怪物として描かれた。wikipediaより参照。
皆様も、貞子と言う名前に聞き覚えがあるのでわないだろうか。
日本のホラー映画と言ったら、貞子。
夏の怪談と言ったら、貞子。
夏と言ったら、貞子。
そう、日本と言ったら、貞子なのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「おい、これは何だ?」
「課題の、レポートですが? 何か・・・?」
「何か・・・? じゃねぇよ!!何が貞子だ!!馬鹿にしてんのか!?」
「誰がそんなことしますか! 僕はいたってまじめですよ!!」
「おう、そうかならいい。 ・・・・・とでもなると思ったか!? あほかお前!? それに今回のレポートのテーマ何か知ってんのか?」
「『最近の、気になったニュース』ですよね。」
「そうだな。 じゃあこれは何だ? いったい、どこにニュースのことが書いてある?」
「あの、顔、近いんですが……どこって言われましても・・・」
この異常なほどに顔を近づけて、がんを飛ばしてるこいつは、俺の幼馴染のたけし。幼馴染みと言っても俺より一つ上の学年の先輩だ。
「じゃあ聞こう。 うちは、なに部だ?」
「報道部ですね。」
「そう、報道部だな・・・・・・・・。 オカルト研究会じゃないっていつも言ってるよな!? なんでいつもオカルトルト系しか持ってこないの!? しかも、今回に至ってはうちの学校全く関係ないじゃん!!」
「最近の、マイブームでして!」
「お前のブームなんて、誰も聞いてねーよ!! それに、お前がいつもいつもオカルト系の記事載せるから、最近その手の嫌がらせ増えてんだからな!!」
そう言って、たけしは一枚の手紙らしき物を突きつけてきた。
その手紙には、血のような赤いペンキで、『呪ってやる』と殴り書きされていた。
「うわぁー、悪戯感丸出しですね」
「これだけじゃねぇよ! ほかにもこれとか!」
そう言って渡されたものは、昔ながらの、ビデオテープだった。
「なんですかこれ?」
「呪いのビデオだとよ。 馬鹿馬鹿しい」
呪いのビデオか・・・・・・・・・・・・!?
「えっ、えぇぇえええ!?!?!?」
「なんだよ急に叫んで!? びっくりしたな!!」
「なんだよ、じゃないですよ!呪いのビデオって、貞子の出てくるあれの事じゃないんですか!?」
「知らねーよ!!いや、さっきのレポートで見たから知ってはいるけど! あと目が怖いから!なんでそんな血走ってんだよ!!」
そんな、血走ってたか?だが今は、そんな事どうでもいい!!
「・・・・・さい」
「・・・はい?」
「・・・ください」
「・・・くださいって…何を?」
「何をって!そのビデオに決まってるじゃないですか!!」
「いやいや!決まってねーだろ!? まぁいいけど見る方法無いんじゃねえの?」
「あ、心配なさらず! ビデオデッキなら買いましたので!」
「そうか、買ったのか。ならいいけど・・・・・。 って、買ったのか!?今時ほとんど普及してないのにか!?」
なんか、超びっくりされたけど・・・なんでだ? こっちは、見たいんだよ!!呪いのビデオ!
・・・・・呪い殺されるのはいやだけどさ・・・・・。
はよ、よこせっての。
「しかたねぇな…ほらよ」
「投げるなよ! 壊れたらどうすんだよ!!」
「そこはキャッチしろよ」
意外とあっさり呪いのビデオをもらう事ができた。
もっと、止められたり、長い説教をされると思ったんだけどな? まぁ、いっか!
「じゃあ帰ります!!」ニコ(^▽^)/
「おい・・・いつもの何考えてるかわからん、無表情のお前はどこ行った?」
「さぁ~。 では!!」
俺、そんなに無表情だったのか? ただ、ほかの人間に興味が沸かないだけなんだけどな?・・・・・
そんな事より!!こんなに早く実物に出会えるとは!!・・・・・ってか呪いのビデオってほんとにあったんだ・・・?
そんな事を考えながら帰ろうとしている時、視界の隅でたけしが何か言いたそうだったけど、今日は無視して帰ることにした。
普段、色々な所に寄り道ばかりしている俺だったが、今日は寄り道せず家までまっすぐ帰った。
・・・・・・・・・・・・・
「家についたけど・・・。いざ見るとなったら結構ドキドキするな・・・」
そわそわ・・・そわそわ・・・
「いや、ビビッてねーし!!」
ビビッてるわけではないが、呪いのビデオとなったら・・・流石に怖い・・・
ゴクリ・・・ 期待と緊張で、つばを飲み込まずにはいられなかった。
「よし見るか!・・・・・」
俺は意を決して、『呪いのビデオ』をビデオデッキに押し込んだ。
ウィーン・・・ウィーーーーーーン・・・・・ザサァ゛ーーーーーーーー・・・・
ザザァーーーーーーー・・・・・・
テレビの画面には、映画の呪いのビデオにも出てきた、あの井戸が映し出された。
「おっ、来た来た!! そうそう、この井戸だよ!この井戸!!」
ザザァーーーー・・・・・・・・・・・・・・・
「あれ?まだ出てこないのかな?・・・・・」
画面は、何回も変わっているのだが・・・・・一向に変化することなく、砂嵐と井戸が交互に映し出されていた。
ザザァーーーー・・・・・・・・・・・・・・?
「こんなに出て来ないもんなのか?・・・・・っお、出てきた出てきた!・・・・・そろそろ呪われてんのかな俺?」
無音の空間が、少し居心地悪く独り言をいつもより大きな声で話している時だった。
井戸の中から白い手が、ゆっくりゆっくりと這い上がってきた。
少しずつ、少しずつ這い出てくる貞子の長い髪が画面に映り始め、とうとう井戸の外に全身が露わになった。
「上がってきてたけど、全然こっち来ないな?」
井戸から這い上がってきた貞子は、肩上下させている。…まさか…疲れてるのか?・・・そんなわはず無いよな!うん!お化けだもんな!
肩を上下させ息を整えた貞子は、ゆっくりゆっくりとこちら側に向かって歩き始めた。
「おっ、こっち来はじめたぞ!」
そわそわ・・・そわそわ・・・
・・・・・・・・・・・・・
「全然進まねぇ・・・。 休み休み来てないか?まだ半分くらいしか来れてねーぞ?」
そう、この貞子?は尋常じゃなく遅い。カメの方が早いんじゃないかってくらいに・・・マジで遅い。
「もうちょっと待ってみるか。 なんか貞子が出てくるの待つとか…変なの」
んじゃあ待つとするか・・・。貞子が出てくるの待つとか…なんか笑えるな。
・・・・五分後・・・・
「まだだな・・・・・」
・・・・十分後・・・・
「・・・・・・」
・・・・十五分後・・・・
「おせえぇぇぇぇぇえぇぇぇぇええ!! 全然進んでねーじゃんか!!! いやさっきよりかは進んでるけどね!!」
・・・・・あれ?今なんか、貞子?が反応したような気がしたけど・・・? 気のせいか・・・?
引っ張り出したいほど遅いな・・・。
「ってうぉ!?気づかないうちに結構近くまで来てるな。離れて待つか」
かなりつらそうに見えるけど・・・?もしかして走った・・・のか?
そろりそろりとあの、映画のまんまの出方で、テレビから這い出て来ようとしたんだが……
「あ、うちのテレビちょっと高い位置に。」
ゴンッ
・・・・・落ちた。
手を滑らせて、テレビの台から落ちた。
頭から落ちてたよな・・・超痛そうにしてるし・・・
こんな貞子を見ていたら、だんだん恐怖感も薄れ、怖さと言うより、この貞子が本物の貞子なのか心配になり始めていた。
そんな貞子に、俺はいつの間にか声をかけていた。
「え、えっと…大丈夫ですか?」
貞子は、頭を抑えてうずくまっていた。
プルプルプルプル・・・っは!?
「ゴホン・・・うらめしやぁ~~~・・・・・ ゴッホゴッホ」
「うらめしやぁ~~~・・・。って貞子って普通、しゃべんないもんじゃないのかよ!!」
しゃべる通り越して咳しちゃってるし!?
「ふぇ!? 普通しゃべんないんですか!?」
「あぁ!普通は、しゃべんないだろ!! ってか、ふぇ!?ってなんだよ!!ふぇ!?って!!!お前は、どこぞのヒロインにでもなりたいのか!!!」
「そうだったんですね・・・。 知りませんでした・・・。」
「俺の疑問は無視かよ!!!・・・まぁいいけどさ・・・そうだよ! もう少し貞子としての自覚をだなぁ・・・・。って!?だから何、普通にしゃべっちゃってんの俺たち!!」
「あ・・・。」
あ・・・。ってこの子、ほんとに貞子なのか?抜けまくってるし、まったく怖くないし・・・。
「って!?顔は見えないけど、泣きそうになってる!? えっと、あの、その~・・・大丈夫?」
「うっぐ・・・うっぐ・・・」
「・・・・・どうすりゃいいんだよこれ・・・・・」
その部屋には、白いワンピースを着た黒髪ロングの貞子?と、どうする事もできない一人の男子(俺)でよくわからん時間が流れていった。
読んでいただき有難うござました!後書きだけ読みに来た方は、いないと思いますが・・・内容には全く触れないので、ネタバレの心配はありません!!ご安心ください!!
話は変わりますが、今回『めっちゃ可愛いヒロインを描いてみたい』と思い内容を考えていたところ、なぜか、『貞子可愛くね?』にたどり着き今に至るわけです。皆さんもそう思いません?!黒髪ロング、色白、恥ずかしがりや←(勝手な妄想です。すいません。)ほら可愛い要素が、あふれてるじゃないですか!!
まあ、貞子の可愛さは、ストーリーの中で感じてもらうとして、これからもうちの貞子さんをよろしくお願いします!!
皆様の中にもライトノベルに憧れて、『後書きを書いてみたい』思ったことがある人もいると思います。私もようやく夢がかないました!・・・まあ正直な感想を言うならば・・・・・・
後書きって・・・書くこと無いですね!!!
それでは、次回の『うちの貞子さん!』を楽しみに待っていてください!それでは、また次回作で会いましょう!!
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