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 ウクライナの首都キエフ中心部の路上で23日、ロシアの前下院議員デニス・ボロネンコフ氏(45)が射殺された。ボロネンコフ氏は昨年末にウクライナ国籍を取得。その後、プーチン政権を厳しく批判していた。

 インタファクス通信によると、容疑者は護衛に撃たれ、運ばれた病院で死亡した。ウクライナのポロシェンコ大統領は「ロシアによる国家テロ」との見方を示したが、ロシアのペスコフ大統領報道官は「馬鹿げている」と強く反発した。

 ボロネンコフ氏は昨年の下院選まで共産党の議員を務めていた。ロシア国内で詐欺などの疑惑の渦中にあり、不逮捕特権を失ったためウクライナに逃れたとみられていた。

 ウクライナ検事総長によると、ボロネンコフ氏はウクライナ国籍の取得後の今年1月、親ロ派のヤヌコビッチ前大統領が2014年の政変の際にプーチン大統領に軍の派遣を要請した書簡とされる文書を検察当局に提供。インタビューなどではロシアによるクリミア半島併合を批判していた。(モスクワ=駒木明義