日本で開発の囲碁AI 世界大会で井山九段破る

日本で開発の囲碁AI 世界大会で井山九段破る
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日本・中国・韓国の囲碁のトップ棋士と、日本で開発が進められている人工知能が対局する初めての世界大会は最終日の23日、人工知能が、国内で史上初の七冠独占を果たした井山裕太九段を破りました。人工知能は1勝2敗と負け越しましたが、各国のトップ棋士と互角に渡り合える実力を示しました。
21日から大阪で行われたワールド碁チャンピオンシップは日本・中国・韓国のトップ棋士3人に加えて、日本で開発が進められている人工知能DeepZenGoが参戦し、総当たりのリーグ戦で優勝を競う初めての世界大会です。

DeepZenGoは22日までの2戦で、中国と韓国の棋士に敗れていて最終日の23日は、去年、国内で史上初の七冠独占を果たした、井山裕太九段との対局に臨みました。

DeepZenGoは序盤から攻撃的な打ち手を見せて最終盤には大差をつけ、午後4時40分ごろ井山九段が投了しました。

DeepZenGoは1勝2敗と負け越して3位で大会を終えましたが、敗れた2つの対局も一時は優勢になり、各国のトップ棋士と互角に渡り合える実力を示しました。

大会は韓国代表のパク・ジョンファン(朴廷桓)九段が3戦全勝で優勝しました。

人工知能開発者 想像以上の強さに驚き

DeepZenGoの開発者、加藤英樹さんは「開発者が想像していた以上に、人工知能が強かったことに驚いています。大会では、強い相手に打ってもらわないと分からないような課題も見つけることができました。短期間で強くしてきたもので、まだ完成度は低いと思うが、開発陣にとっても大きな自信となる大会でした」と大会を振り返っていました。

井山九段 人工知能はすごく強い相手

3戦全敗の4位に終わった井山裕太九段は、人工知能との対局について「特別なことは考えず、ふだんどおりのベストを尽くそうと思って対局に臨みましたが、実際に対局してみても人間との違いは感じられず、単純にすごく強い相手だと感じました。結果については申し訳ない思いがありますが、勝つのは容易ではない相手で、世界のトップレベルだということは間違いないと思います。対局できて非常にいい機会になりました」と話していました。