3月も半ばを過ぎました。
段々春という感じがしてきましたね。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
もう少しするといよいよ桜の季節です。
桜は情緒がありますよね。
桜、咲く。桜、散る。人間は死ぬ。
死の恐怖に震える。
というわけで今日はお花見の話だ。
以前、友人達と花見をしたことがある。
かなり前々から花見をしようということになっており、あれこれ準備をすることになった。
だが、あろうことか私が幹事に任命されたのだ。
私は大変な任務を引き受けてしまったなと思った。
だが、頑張って仕事をこなした。
そして、みんなの予定の会う日を見つけ、私が日時を決定した。
しかし、そこに罠があった。
当てにならない私の予測能力が遺憾なく発揮され、我々一同は枯れ木の下に集まることになったのだ。
当然のことながらあたりは閑散としており、上を向いても桜の影など微塵もない。
周囲にあるのは、まったくもってただの枯れ木である。
友人は濁った目で私に声をかけた。
友人 「なぁ、ぶっだ。俺は思うのだが・・・」
私 「よせ・・・わかっている・・・」
そうして我々は暗い顔で花無き花見を始めた。
道行く人々は訝しげに視線を向ける。
そこには、枯れ木の下で無言で酒を飲む亡霊達の姿があった。
その後、花見の話題が上がることは一度もなかった。