ここから本文です

昭恵夫人への忖度か?岡山県の農村に「EV車50台」の謎 そこら中で燻る「第二の森友」問題

現代ビジネス 3/23(木) 10:01配信

「最強の私人」であるがゆえに

 森友学園は、籠池泰典理事長夫妻の強烈なキャラクターに加え、財務省や大阪府の官僚の不可解な対応、8億円の国有地値引き、三つの工事金額、補助金不正受給などが絡み、事件化は確実な情勢で、「のどかな過疎地の移動手段の助成」とは、一見、比較にならない。

 しかし、安倍首相の一強政治が続く間に、行政の官僚は、首相夫妻に関するものなら、私事に至るまで「配慮」や「忖度」を働かせてきた、ということだろう。昭恵夫人は、フェイスブックで16年2月、石破茂地方創生担当大臣が美作市を訪れ、コムスに乗っている写真をアップしている。そうした夫人の持つ“政治力”が、助成につながったという想像が生まれるのも無理からぬところだ。

 また、昭恵夫人のホームページには、農業、福祉、教育、原発、災害復興などでの様々な活動が紹介されており、「名誉校長」「名誉顧問」など、選考過程に組織決定が要らず、互いの了解だけで名乗ることが許される「名誉」がつくものが数十に及ぶという。

 その活動の基準は、昭恵夫人にとって「正しい」ものである。スピリチュアル界の有名人である故・江本勝氏の影響を受けたという昭恵夫人は、物質欲に縁のない高い精神性を持つものに傾倒。だから農業は有機農業であり、絆を大切にする農村の秩序を重んじ、反原発、反防潮堤、医療用大麻に理解を示す。

 そこに思想性があるわけではない。そのため、森友学園の園児たちが、教育勅語をそらんじ、礼儀正しく挨拶し、「安倍首相バンザイ」と両手を挙げる光景が微笑ましく、名誉校長を引き受けてしまった。

 その天衣無縫の振る舞いが、「家庭内野党」として安倍政権の人気を底支えしてきたのだから、今回の騒動は、「私人」として放置してきた安倍首相の責任でもある。

 「命じられてやる」のは良い役人ではない。察知して先回りし、作為と取られない形で忖度し、有力政治家の意を満たすのが、優秀な良い役人である。今回の森友学園はそうした忖度が生んだ事件といっていい。

 そして、「最強の私人」である昭恵夫人が、あまりに活発に活動するので、規模の大小、質の善し悪しを問わなければ、「第二の森友学園」を疑わせる事例は、いくつでも転がっているのだ。

伊藤 博敏

2/2ページ

最終更新:3/23(木) 14:36

現代ビジネス

記事提供社からのご案内(外部サイト)

「現代ビジネスプレミアム」

講談社『現代ビジネス』

月額1000円(税抜)

現代ビジネスプレミアムは「現代ビジネス」の有料会員サービスです。2万本以上の有料記事が読み放題!会員だけの特別記事も配信。豪華ゲストによるセミナーも開催中。

本文はここまでです このページの先頭へ

お得情報

その他のキャンペーン