ベンチャー企業の英エアセルフィーホールディングスは23日、「自撮り」で使える小型無人機(ドローン)を発売すると発表した。スマートフォン(スマホ)のアプリから手のひらサイズの機体を操作し、自分の姿などを撮影できる。最大20メートルの高さまで飛ぶことができるため、旅行先やイベントでの写真・動画撮影に向きそうだ。
スマホのアプリを起動し、設定や通信状況を確認。機体を空中に投げて離陸させる。アプリでドローンを操作し、カメラを好きな方向に向けて撮影できる。
新製品のドローン「エアセルフィー」はカジュアルな写真撮影に特化した機体だ。縦9.4センチメートル、横6.7センチ、厚さ1センチの板状の形で、重さはわずか61グラム。ポケットに入れて持ち運ぶのも容易だ。持ち運びや充電に使うケースとセットで税込み3万1598円。23日からウェブサイトで予約受け付けを始め、5月に出荷開始を予定する。
会見した同社の共同創設者のエドアルド・ストロッピアーナ氏は「高機能のものでなく、いつでも持ち運べ、写真や動画撮影に日常的に使える」と特徴を説明。「ドローンではなく『空飛ぶカメラ』だ」と強調した。軽量小型の機体は厳しい条件の現場では頼りない印象だが、普段使いにはちょうどいいかもしれない。
日本で使われるドローンは、個人向けでも飛行時間やスピード、撮影機能などを高めた本格志向の機体が多い。空撮などが簡単にできる半面、具体的な使い道が思い浮かばない人にとってはハードルが高いものと感じることも少なくない。「自撮り向け」と用途を絞ることで市場を開拓できるか注目される。(諸富聡)