赤ちゃんの声から感情を解析、スマホで可視化。Cerevoがクラウドに繋がる「スマートマイク」Listnrを発売
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日本発のIoTメーカーCerevoは、クラウド型スマートマイク Listnr (リスナー)の販売を開始しました。直販サイトでの価格は1万6900円です。赤ちゃんの声から感情を判別しスマートフォンに通知するという基本機能のほか、アプリ開発のための開発者モードを備えます。
Gallery: スマートマイク Listnr | 7 Photos
Listnrをハードウェア的に見ると、「Wi-Fi経由でインターネットに繋がるマイク」です。ハードウェアの機能としては、本体付近の音声を集音しリアルタイムにクラウドサーバーにアップロードできるというもの。
しかしこれだけでは一般消費者にはとっつきにくい製品です。そこでListnrは基本機能として、乳幼児を持つ家庭向けの感情解析機能を搭載します。
これはパナソニックの技術提供を受けて開発した感情解析エンジン Xauris(ゾウリス)を活用しており、クラウドサーバー上で走るXaurisにより、乳児の発する声から「泣く」「笑う」「叫ぶ」「喃語(乳児が発する言葉にならない声)」という4種類の感情を認識。サーバー上にそれらのデータを保存します。
認識結果はスマートフォンのアプリで確認可能。アプリの画面上では解析された感情が色分けで見やすく表示されます。これにより、その日の赤ちゃんの発声のうち、何%笑っていたとか、何%泣いていた、というデータをお把握できるという機能です。またListnr本体のLEDでも、こうした感情データを色と発光パターンで知らせてくれます。
Cerevoの代表取締役社長 岩佐琢磨氏は発表会で、
(赤ちゃんの様子を見たいから)『監視カメラを横に置いても、皆さん見ますか?昼休みにちょっと見るくらい』
『赤ちゃんが100回「きゃっ」と発したとして、毎回通知するのではなくて、 午前は喜んでいたよ、泣いていたよと、まとめてスマートフォンに通知する。「今日は笑いが多いね」や、「元気そうでなにより」といったコメント付き。今その場で赤ちゃんの声が聞こえるわけでもないのに、なんとなく繋がっている。プレゼント用にいいんじゃないかな』とアピールしました。
▲デザインは生活の中に違和感なく溶け込めると謳います
▲電源はUSBによる給電のほか、単3乾電池2本にも対応。ケーブルレスでの持ち歩きも可能です。
仕様としては、Wi-FiはIEEE 802.11 b/g/n(2.4GHz帯)のみ対応。本体サイズは123.5 x 96.5 x 76.5mm、重量は190gです。なおアプリの対応OSは現時点でAndroid 4.4以降。iOS版は追って提供されます。
なおListnr自体は、『Cerevoがこれまでに発売した開発者用デバイス 、Blue NinjaやHackeyの延長線上にある』(岩佐社長)とのこと。
こうした位置づけから、インターネットに繋がるマイクという特徴を活かしてアプリ開発ができるよう、開発者モードを用意。企業や個人が作ったサーバーに音声を転送することで、音を活用したサービスや、独自のスマートフォンアプリと組み合わせたサービスを自由に開発できます。
なお、Cerevoは世界各国にニッチな製品を販売する「グローバルニッチ」を掲げ、売り上げの半分を日本国外から得ていることを公表しています。対して今回のListnrは音声解析を基本機能として備えるため、海外の販売はデータ解析側のローカライズなどが必要になりそうです。
しかし、Listnrの基本機能で感情を認識できるのは、0歳〜2歳のまだ言葉をしゃべらない乳児です。担当者によると、言葉を覚える前の乳幼児の音声は世界共通で、国籍や言語は検出結果に全く影響しないとのこと。
このためListnrでも、同社の販売戦略には影響はないとしています。