放送記念日特集「今 テレビはどう見られているか」 2017.03.22

東京都内のアパートに暮らす28歳の男性の部屋。
ここにテレビはありません。
そうですね。
テレビを使わずにテレビを楽しむ人たち。
今テレビの見られ方が大きく変化しています。
社会現象にまでなったこのドラマもヒットの背景にテレビの見方の変化が関係していました。
笑える笑える。
浮かび上がったのはネット上の評判によって視聴者が雪だるま式に増えていく…話題のドラマのプロデューサーを迎えヒットの秘密を徹底分析。
そしてテレビの見方が最も激変しているのが10代20代の若者たちです。
テレビとネットの境界が溶けてしまった驚きの視聴実態が見えてきました。
ネットとテレビの融合が一層進む中今テレビはどう見られているのか。
その実態に徹底調査で迫ります。
春香クリスティーンさんはご覧になってました?ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」。
超はまってました。
踊れます?ひょっとして。
え〜!みんな周り踊ってましたけど私はテレビを画面を見ながら・「胸の中にあるものいつか見えなくなるもの」踊ってました。
やっぱりね。
いつごろからご覧になりました?私はちょっとだけ乗り遅れたんですよね。
第1回目か2回目を逃して…。
でも早いです。
私は恥ずかしながら年明けてからオンデマンドで全部見ました。
本年ですか?本年ですすみません。
でもその見るタイミングが実は結構今日話に関係あるらしいんです。
タイミングですか?こういう事ですね。
長年調査していらっしゃるのがこちらの広告会社の吉川昌孝さんです。
どうもよろしくお願いします。
今日テーマは「テレビは今どう見られているか」。
テレビ離れテレビ離れと言われているので覚悟はしています。
どうぞずばりおっしゃって下さい。
いつ見るかっていうのがリアルタイムからどんどん後からでも見れるようになってたりとかあとさっきのVTRにもありましたけどテレビの画面じゃなくてスマホで見るとかタブロットで見るとかそれをまた組み合わせて…。
タブロットっておっしゃいました今?タブレットですねごめんなさい。
タブレットで見るとかそれをまた組み合わせて見るとかで非常に我々が想像もしないような見方を今の若い人たち中心にしてるっていうのが見られ方がすごい変わってるところで…。
驚くべき実態というのもあるらしいです。
テレビの視聴方法が最も変化しているといわれるのが10代20代の若者です。
調査会社に協力してもらい関東近郊に住む10代20代の男女15人ずつ合計30人の若者を対象に調査しました。
休日朝起きてから寝るまでの間テレビやスマートフォンタブレットなどのメディアにどう接しているか話してもらいました。
ある調査によればテレビを見ながら携帯電話スマホタブレットを操作する事があると答えた人は10代20代の女性のほとんど。
特に20代では96%となっています。
30代40代も男女とも6割以上がテレビを見ながらスマホなどを操作しています。
こちらの宮嵜さんもその一人。
宮嵜さんはテレビスマホタブレットの3つのメディアを同時に使用するトリプルスクリーンといわれる視聴スタイルをとっています。
それは一体どのようなものなんでしょうか。
自宅にカメラをつけさせてもらいその実態を観察しました。
テレビをつけた宮嵜さん。
同時にタブレットもつけました。
そのままテレビには目もくれずタブレットで映画を見始めます。
今度はスマホを手に取り何かを検索。
何をしているか後で聞いて見たところ…。
今度はYouTubeで動画を見ています。
少し閲覧しある程度満足するとその画面を右下にスワイプ。
まだ再生させたままの状態で次の動画を探し始めました。
このように次々に動画を視聴していくスタイルはチェーンビューイングといわれています。
スマホやタブレットで動画を楽しみテレビをつけてから15分間全く見なかった宮嵜さん。
初めてテレビに目を向けました。
どうしてでしょうか?海外暮らしの経験がある宮嵜さん。
関心のある外国の話題が流れるとテレビを見る事が多いといいます。
今回撮影したのは1時間。
結局テレビを見た時間は合わせて49秒でした。
グループインタビューでは忙しい毎日の中でテレビを見たくてもリアルタイムで見る事は現実には難しい声も聞かれました。
全国的な調査によれば好きな情報やコンテンツは自分が見たい時に見たいという人が全体で半数以上。
特に10代20代が高く女性にその傾向が顕著です。
会場ではテレビよりもインターネットで動画を楽しむ声が目立ちました。
テレビはネット動画に負けている?いやいや実はそうでもないんです。
動画でどんなものを見ているか書いてもらったところ…。
う〜ん。
「テレビは気配」って言われちゃった。
切ない感じがしますよね。
我々も今気配になってるんでしょうか。
今気配になってるかもしれないです。
何か気配なら気を送ってやりたいような。
「お〜い」って言いたいような気がしますけれども。
でも…動画動画動画は私あんまりないですけれども例えばテレビでAって言ってた事を気になるからその場で調べたいからインターネットでさくさく調べながらその間でも流れちゃってる部分ありますよね。
ここからは取材チームを代表して片岡利文ディレクターそしてもう一方面白い方です。
日テレSONYを経てあのLINEを世に送り出し今は若い女性に人気のネット動画チャンネルを経営しています。
情報が今あふれていてその分…なので我々が流してる動画も最初の1.5秒ぐらいで判断されたりとか尺も大体1分ぐらいで早送りで出す事によって短い時間で効率的に情報が処理できるっていうのを皆さん若い人望む傾向があって。
でもそんなに…いやできない。
自分はできないなと思いました。
トリプルスクリーンみたいな事が。
(森川)結論だけ分かればいいっていう方もいるんですよね。
あとは映画を見たという事実をシェアする事によって「いいね!」と押されたいと。
なので映画を見るだけの楽しみじゃなくて映画を見た自分が周りからどう見られるかみたいな事を意識して見る人もいるんですよね。
我々制作者っていうのはテレビ番組を最初から最後までご覧頂けるという事を前提に作ってるんです。
実際にああいうふうに若者の声聞くとかなりショックでしたね。
まずこちらのデータを。
これはですね一日にテレビをどれだけ見ているか。
これは2000年のデータなんですね。
ところがですね2016年になるとどうなるかと。
50歳以上の皆さんは実は少し増えてるんですよ。
もっと若い世代になるとこうなっちゃうんですね。
うわっそんなに減った。
なのですが見てるんですねテレビ番組を。
これで見てるんですよ。
テレビ番組とはほぼ意識せずに。
さりながら若者たちはここに出ているテレビ番組こそが評価が高い番組という形で評価されていってる。
非常にテレビ関係者にとってはジレンマを感じる。
だからスクリーンが…さっきもトリプルスクリーンってありましたようにスクリーンにメインのスクリーンが…おっきなテレビがあってサブのスクリーンがモバイルでっていうよりも全部自分にとってサブのスクリーンみたいなものなので…どれも自分が好きな情報を好きな時に好きな場所で取れるようなそういうものになっているんじゃないかと。
高速で処理する能力があるって事ですね逆に言うと。
この時代の流れは…いかにそういうリーダーになるかみたいなところが逆に若い人の能力が変わってる一つ理由でしょうね。
例えば文字を読む時代から写真になって動画に変わってきてるように今の人たちは字を読むよりもいかに短い時間で動画を処理できるかっていう事に結構変化してきてるとこはあるかなと思うんですね。
そんな時代になんと去年2つの番組がヒットしました。
ここからはTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の那須田淳プロデューサーとNHK大河ドラマ「真田丸」の屋敷陽太郎プロデューサーに加わってもらいます。
お二人同士は初対面なんですか?そうですね。
今日初めてです。
番組の中で少し「真田丸」のパロディーも使わせて頂いたのに今日初めて「ありがとうございます」とやっとご報告ができて来てよかったなと思って。
見てらっしゃいました?
(屋敷)僕実はですねやっぱり自分の番組やってる時冷静にほかの番組見られないんで見てなかったんですね。
今日那須田さんにお会いするんで昨日の夕方実はTBSオンデマンドで1話目を見て…。
1話目見たら話合わせられるかなと思ったんですけどものすごいはまっちゃって今朝5時までかけて全部見て…。
え〜?ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」はなぜ社会現象になるまでヒットしたのか?その秘密に徹底調査で迫ります。
ならいっそ結婚しては?結婚といっても就職という形の結婚というか…。
このドラマは家政婦とその雇い主が契約結婚する物語です。
奇想天外なストーリーと共に人気を集めたのがエンディングの「恋ダンス」でした。
初回10.2%から始まり最終話では20.8%と視聴率を倍増。
更にそれに匹敵する人たちが録画で見た事から人気は社会現象となりました。
回を追うごとに大量の人々がドラマになだれ込んできたのはなぜか?マーケティングリサーチの会社に協力してもらい「逃げ恥」に人々がどう流れ込んできたのかを調べました。
このリサーチ会社ではテレビパソコンスマートフォンをいつどのように使っているのか7,000人分の動きを24時間1分単位で記録し続けています。
調査協力者の中から本人の了承を得て「逃げ恥」を途中の回から見始めた人を訪ねました。
この50代の男性は…きっかけはフェイスブックでした。
それまで恋愛ドラマには全く興味がなかったこの男性。
ネットでそれほど盛り上がっているならと録画して見始めました。
(チャイム)こちらの39歳の男性は…きっかけはネット検索で出会った「恋ダンス」の映像。
ドラマの初回で爆発的な人気となった事からTBSはすぐにネット上でも公開していました。
実際にどんな情報に出会ってどうドラマの視聴へと引き込まれていったのか。
典型的な動きと思われる50代専業主婦の詳細な足取りを分析しました。
この主婦は第6話の放送が終わるまで一度もドラマを見ていません。
興味を持つきっかけになったのは第6話の放送2日後の夜中インターネットでたまたま見た記事でした。
ネット上にあふれる「逃げ恥」に関する情報が多くの人々を視聴へと動かす起爆剤になったと見られています。
主人公の2人が初めてキスをした第6話がネット上に大量の情報が出回るきっかけとなりました。
しかしその時点でドラマは既に半分以上放送が終わっていました。
そこで多くの人々が飛びついたのが動画サイトでした。
この主婦は記事を読んだ7分後に動画サイトを探し当て見逃した第1話から第6話までを一気に見ています。
この主婦は見逃した番組を全て見たあとも番組を放送では見ずに見逃し配信などで自分の都合のよい時間に視聴。
最終話だけは放送を時間どおりにテレビで見ました。
那須田プロデューサーやっぱり狙いどおりっていう感じなんですか?正直意外な結果といいますかいろんな情報を出していろんなふうに楽しんでもらえればいいかなっていうのが3か月続いたって感じですね。
ずばりそのエンディングっていうのは「恋ダンス」っていうのはあれは狙ってたんですか?楽しそうっていう事ってすごく大事かなとは思っていたんですよね。
特に平日の連続ドラマをやるには。
そういう意味で言うと分かりやすく楽しそうだっていうのはああいうダンスっていうのは思っていて中身はやっぱり泣くところもあればぐっと来るとこもありやはりいろんな事を心に留めるところもあったりすると思うんですけど最後は楽しく終わってまた見ようかな来週みたいな。
何かそういう…。
じゃあネットの世界で盛り上がるだろうと思っておやりになった訳では…。
そうなったらいいなとは思ってたんですけど。
やっぱり!
(笑い声)最初からですねYouTubeとかそういう…ネットで流すつもりはなくて2話か3話目ぐらいで出そうかなと思って作ってはいたんですよね。
おお〜。
そしたらもう初回の放送のあとすごく話題になってたんで慌ててその火曜日の放送で慌ててその金曜日に出す事にして。
でもこれ何て名前付けようかなって…。
「エンディングダンス」とかいろいろ考えてたんですけど何か説明くさいなと思ってそれでまあ「恋ダンス」っていうのはスタッフと一緒に考えてですねなので放送してから「恋ダンス」っていうタイトルも考えて。
見るきっかけになってもらえたらいいなとは思ってたんですけどこんなにっていうのはなかなかびっくりしましたね。
気になるんですけどもすごい難しいなと思うのは世の中の反応に応えるっていうのももちろん大事ですけどでもやっぱりドラマってもともとこう作ろうっていう意思というか思いもあるじゃないですか。
どっちをどう重視するんですか?いやもちろんドラマはドラマとしてしっかり作ってますしもともとこのドラマのテーマの一つは「生き方の多様性」っていうのがテーマだったんですね。
何かを否定するんではなくてやっぱりそれぞれ選択した人生だったりは間違ってないよっていうちょっとそういう勇気だったりヒントみたいなのは気付いてもらうのがいいかなって思って作ってたドラマなのでだから何かちょうどそういう…多様な楽しみ方。
テレビやいろんなメディアの見方が変化してる時代にねマッチしたのかなという気はするんですよね。
最初1話目2話目見てものすごい面白くて次々LINEで同僚とか後輩に「今『逃げ恥』に俺はまってんだけど」って言ったら彼らから「いやあのドラマあれは平匡さんの衣装が見どころなんです」。
あるいはまた別のやつからは「みくりさんの小道具がかわいいんです」っていろいろな楽しみ方を教えてもらってそれで見てたらより楽しくなっちゃって朝までいっちゃったんですよね。
分かります。
こうやって話を聞くととても実直に真面目にドラマを作っていらっしゃる方みたいに見える。
分析する側の人から見るとここにどういうヒットの法則をご覧になりますか?多分みんな忙しいんだと思うんですね。
情報どれ選べばいいんだろうか。
ドラマどれ見ればいいんだろうか。
だからなるべくそういう自分の貴重な時間を使うんだったらみんなが話題にしているもの外したくないな。
みんなが面白がっているものやっぱり楽しみたいっていう。
なるほど。
手当たり次第に見るよりは…。
狩人のようにどんなコンテンツが今はやっているんだろうかをハンティングしている人たちがいていわゆるマーケティング的に言うとコンテンツハンターっていう最初にまず今これ話題なんじゃないかとかいけてるんじゃないかってのを見つける人たちですよね。
そういう手当たり次第にある種ハンティングする人たちが…。
いてくれてるから。
いてくれてるからこのヒットライダーですね。
今ヒットしそうなものとか今まさにみんなの中で話題になってるものって何なんだろうかっていうのに乗っかっていく人たちでヒットライダーっていうふうに名付けたんですけども…。
だから最初にあの第1話を見て「あのダンスかわいいね」と言った人。
「へえ〜そんなのあるんだ見てみよう」と言った人がヒットライダー。
そういう事ですね。
こういう人たちが結局どんどんどんどん拡散される事によって増幅していってヒットが生まれていくんではないか。
このヒットライダーっていわれる人たちが調査の集計でいうと1,160万人ぐらいいるんじゃないかという事ですね。
目指すは家康の首ただ一つ!ヒットの裏側にいるコンテンツハンターとはどんな人たちなのか。
大河ドラマ「真田丸」のケースで見てみます。
「真田丸」で注目を集めたのが番組中にネットをにぎわしたツイートです。
例えばこんなシーンでも。
敵は本能寺にあり!
天下統一を目前に…
番組放送中ツイートの数が何度もナンバーワンを記録。
「大河ドラマ」史上最もネットで盛り上がった番組とされています。
その背景には話題の先陣に立ってツイートを繰り出しネットを盛り上げていた人物いわゆるコンテンツハンターの存在が確認されています。
その一人多くの人々を「真田丸」の視聴へといざなった石田三成なる人物の存在が浮かび上がってきました。
これが石田三成のアカウント。
そのツイートをチェックするフォロワーの数は10万人を超えています。
石田三成が現代によみがえったかのような語り口がネットで人気となりました。
ネットを通じて西軍8万人ならぬフォロワー10万人に影響を与える石田三成とは…。
私たちは謎の人物石田三成の居所を突き止めコンタクトを取る事に成功しました。
あっどうも。
こんにちは。
ツイート名石田三成さんは歴史好きな大学生。
顔と本名は伏せたいという要望に応え石田三成のかぶとのレプリカを用意しました。
今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします…おっと。
この4畳半ほどの空間から10万人を超えるフォロワーにツイートを繰り出しています。
「真田丸」を見ながらどのようにツイートをしていたのか本人に再現してもらいました。
まず夕方6時からのBSでの放送で番組の突っ込みどころを探し素早くメモをとります。
夜8時からの本放送では用意したメモを頼りにツイートを矢継ぎ早に放ちます。
もちろんNHKの依頼を受けてツイートしている訳ではありません。
更に石田三成さんは世の中でニュースになっているさまざまな話題にも「真田丸」を絡めてツイート。
それまで「真田丸」に関心のなかった人たちまで巻き込んでいきました。
「真田丸」放送開始当初は3万人足らずだったフォロワー。
ツイートを繰り出すごとにその数を増やし年末の総集編放送のさなか10万人を突破しました。
ご存じだったですか?石田三成さんの存在は。
僕番組始まってからもう必ず6時の放送と8時の放送中はず〜っとツイッターは見てたんですね。
だから彼ものすごくあのツイッター面白くてセンスがあってだから気になってたんです。
で一度だけお会いしたんですけど初めて。
あるイベントで「あっ!」って見つけたんですけどそれまではず〜っと僕自分より年上の人だと思ってました。
だって石田三成っていう歴史上の人物になりきってその歴史大好きっていう人…でもすごい若い方でびっくりして。
でもああやってやってたとは知らなかったです。
一度お会いしたきりなんですけど。
へえ〜。
最近ずっと思ってるのはだんだん…だんだん自分も「あっこういう楽しみ方があるんだな」っていうのが何か今回の番組やってる間に自分で分かってきて。
それはもう…オッケーです。
それはもちろん。
ただああいうのもナレ死とか皆さんネーミングがうまいんですよね。
だって…でも過去の「大河ドラマ」もほとんどナレーションで処理してましたよ結構。
そんなに全員切腹してませんよ。
だけど超高速関ヶ原とかですね何かさまざまな…。
僕も本当に本能寺と関ヶ原は見てそう思ったから次の日会社行って誰かに言いたくてしょうがないっていう。
そういう事を共有できんのはいいですよね。
ある意味1人暮らしが多いとやっぱり1人で番組見てるとさみしい時に昔だったら家族同士で議論したものがネットの代わりになってるってのはあるかもしれないですね。
なのでパブリックビューイング的な感じで。
僕最初はねこういうふうにテレビ見られながら突っ込まれてるってのもなかなかこうテレビが素材になっちゃってるななんて思ってたんですよ。
だけどよくよく見てるとですね彼らはびっくりするほど真剣に見てますよドラマを。
面白いのは僕そうやってず〜っと見てるとやっぱりみんなが本当に驚いたり感動したりしてくれたようなポイントは一瞬やっぱり間が空きます。
あ〜。
それはね逆にうれしいんです。
やっぱりそこはねみんなすごい集中したんだっていうか「あっ驚いたんだ」って。
でそのショックを受けたあとだからちょっと時差があるんですよ。
さっき那須田さんは第1回でちょっと好評だったダンスに恋ダンスっていう名前を付けてネットに流した。
更に大きな話題になったみたいな事は「真田丸」ではどんな事がありますか?そこまで僕たちあんまり戦略とかなかったんですけどもただただそうやってツイッターとかで話題になってる事でまあ私たちがより深く解説してあげられる事とかありますよね。
例えばツイッター上で豊臣秀吉さんのあの天使みたいな服ちょっとあれ…すごいよねとかって話題になりますよね。
そういう時に僕たちはホームページとかであれは実は本当に実在した秀吉さんの衣装を復元してるんですよとかそういうところで視聴者の方のネット上で思ってらっしゃる事に応えたいなっていうのは思いました。
テレビのドラマっていうコンテンツを中心としながらそれこそ屋敷さんとかと視聴者の皆さんが一緒に極端に言うと何かコンテンツを作ってる感じですよね。
その世界観を作ってるっていう事が結局そのじゃあヒットライダーを使えばヒットするんじゃないかとかそういう事じゃなくてその人たちも巻き込んでコンテンツを作っていくというかその一緒に自分たちも何かやってる感って言ったら大げさですけど。
まさに僕もだんだんもうそのツイッター上でいつもつぶやいて下さる人たちが何か…何か同志感が…。
こっちこそ同志でもう本当にありがとうございます。
もちろんだからといってそれを脚本に生かせるかっていうといかにその人たちがですね大坂の陣で真田幸村勝ってほしいって言われてもそれはもう全部歴史上年表で決まってるのでそれは変えられないんですけどでも彼らの何かいろいろな事に応えたいっていううちに僕は勝手に同志だと思って。
最初何かトリプルスクリーンで見てる側だけ若者だけが何か3つのコンテンツとかいろんなコンテンツ同時に見てたのかなと思いきや作ってる側も実はもちろん単体でテレビだけで楽しめるものではあるけれどもそこで語りきれなかった事もっと語りたかった事をホームページだったり別の媒体で更に発信していく時代になっていってるって事なんですね。
本当だそうですね。
そういう意味だと目線が非常に近くなってるところあるんじゃないですか。
昔は作る人と見る人っていうのは圧倒的な距離感があってある意味近づけなかったのが今ネットを通じて同じような目線で近づけるからこそある意味楽しめるようになってきたというか。
やっぱりこう人のエンターテインメントっていうのは最初に単純にコンテンツ見るのが目的じゃなくて見たあとにそれをテーマとして語り合うコミュニケーションに一番楽しみがあると思うんですよね。
そのコミュニケーションは昔はオフラインだったものがオンラインに今流れてきていてそれ一個のコンテンツのスタイルとして確立してきたんじゃないかなと思いますね。
ネットを使うとテレビは今よりもっと楽しめる。
話はなかなか尽きませんが…。
世界に目を向けるとテレビとネットが完全に融合した番組まで登場しているんです。
それがノルウェーで爆発的な人気を呼んでいるこのテレビドラマ。
実在する高校を舞台にした高校生たちの群像ドラマ…友情や恋愛といった若者の日常生活を軸にドラッグ同性愛宗教など表立って語りにくい社会問題も描いています。
毎回…若者だけでなく大人たちもドラマのとりこになっています。
公の場でも度々話題に。
ん?ネット?えっ?テレビをブログで?実はこのドラマテレビではなくネットで見てもらう事を前提に作られたものなんです。
「スカム」を制作した…担当プロデューサーがその仕組みを教えてくれました。
通常のテレビドラマでは脚本に従って設定日時や登場人物が異なるいくつものシーンを映像化。
それらを1本にまとめてテレビで放送しています。
ところが「スカム」ではシーンごとに切り離し毎日小出しでネット上に投稿する事にしたのです。
しかもそれぞれのシーンは映像クリップだけでなくSNSを織り交ぜた独特のスタイルでネット上に公開されます。
例えば公式サイトに投稿された7分の動画クリップ。
主人公の女性が親友が思いを寄せる男性の事を好きになってしまったと本人に告げるシーンです。
次の投稿はその6時間後。
インスタグラムで行われました。
笑顔を見せる親友の写真。
傷ついたが本当の事を話してくれて感謝しているという内容です。
次の投稿は翌日の午後。
主人公と別の友人との会話がチャット画面で紹介されました。
恋愛に悩む主人公を友人が励まし背中を押しています。
視聴者はこうしてウェブ媒体を転々としながら少しずつ物語を楽しんでいくのです。
更にコンテンツがネットに投稿される時刻にも工夫があります。
ドラマの世界の時間と一致させているのです。
例えばドラマの設定が土曜日午後2時35分のこの動画クリップ。
ネットに投稿された時刻も同じく土曜日午後2時35分。
金曜日の夜にはやはり金曜日の同じ時刻という設定のクリップが登場。
ドラマの中の出来事が現実の世界でも起きていると錯覚させる効果があるというのです。
そして週に1度その週に投稿された動画クリップだけを抜き出して並べテレビでも放送しています。
SNSを多用した事で「スカム」は自然と若者につながり日常生活に入り込んでいきました。
登場人物たちはドラマの中で起きた出来事を朝から晩までSNSで更新。
しかも投稿がいつ行われるのか予告は一切ありません。
先の展開が気になって宿題が手につかなくなり夜も眠れなくなる若者が続出しているとか。
ネットの特徴を巧みに利用する「スカム」が生まれた背景にはNRKが直面する壁があります。
先進国の中でもデジタル化のスピードがとりわけ速いノルウェー。
従来のテレビは年々見られなくなっていました。
そこでNRKは大胆な方針転換に踏み切ったのです。
「スカム」は新しいテレビの姿を切り開いたとして国内外で10の賞を受賞。
世界中のテレビ局から視察が相次いでいます。
分かるなと思った。
今あるテレビは「テレビの前に集まって下さい。
見て下さい」っていうのがこの「スカム」は例えば若者だったりSNSだったりスマートフォンを持ち歩いてる人たちのライフスタイルの中に入り込もうとしていってる。
生活様式が変わってる形に合わせていってるのかなという気がしたんですけど違うんでしょうか?一つはそうですね。
やはりスマートフォンで楽しむのに最適化されたコンテンツにしたというところがこのサービスの強みで。
内容だけじゃなくてやっぱりさっきのみたいに形式を楽しむというか…映画館で見る映画に対してテレビの…僕らで言うと週に1回見る連続ドラマがあるようにもっとしょっちゅうしょっちゅう見たいっていうそういうそのニーズとそれが可能な形式というのは大事な事だし若い人に向いたコンテンツなんだろうなとは思うんですけど…つまらない事言いますけど僕なんかもう老眼なんで…やっぱりテレビの方が見やすいしというのはあったりとか。
それあの…世代にもよるとは思うんですよね。
あの人たち24時間「スカム」追いかけてるみたいな感じしましたね。
だからストーリーを多分最初から四十何分とか提供するんじゃなくってそれこそ分断化。
その一個一個の動画が多分一個一個は素材というか短いものなんでしょうけどそれを週末でしたっけ?まとめてまたちゃんとストーリーにしているっていうところがこれのすごいところかなと思っていて分散化だけだったら今も起きている事だと思うんですけどストーリーがちゃんとあるしキャラクターに対して思い入れがあるから24時間気になっちゃうんですよね。
だからですよね。
どんだけ一日中振り回されたり踊らされたりしてもでもこれは見たい。
今回の取材を始めて最初ものすごくショック受けたんですがもしかしたらテレビの新たな可能性をネットがサポートしてくれてるんじゃないかなっていう気持ちがすごく強まってきた。
時代のそのハードの面だったりいろいろ見方はどんどん変わっていくと思うんですけどそれに合わせながらでも結果それを見てもらえてる人が多い訳なのでまだまだ僕は作り手としてこれからもテレビの作り手は頑張っていかなきゃいけないんじゃないのかなって何か放送の日の番組なのにネットの日の番組みたいにならないようにしといた方がいいかなと思うんで。
でもテレビも…昔はテレビが圧倒的に強かったっていうイメージあるかもしれないですけどでも僕母親や祖父母の家に行った時に一日中テレビ見てましたけどじゃあみんながず〜っと真剣に見てたかというと皿洗ったり何かしながら。
でも本当に何か見たい時に本当に面白いものを多分見てたと思うんで。
僕たちはきっといろいろなテレビ以外の媒体増えたけど結局やっぱり…みんなで頑張らなきゃいけないんだろうなというのは思います。
楽しませたいっていうすごい純粋な気持ちがやっぱりすごい今日お二人のお話を伺って感じたのでその事を純粋に持ちながらどうすると今のメディア環境情報行動の中で楽しんで頂けるんだろうか。
ネットを前提に考えていく。
それはこびるとか操るとかそういう事ではなくてどうしたら楽しんでもらえる?どうしたら伝わるかっていうそれを真摯に考えていけば…。
ある種そうですね原点に戻って。
テレビを作り始めた頃の原点とはメディア環境がやっぱり違いすぎるので…あんまりテレビとネットを分けずにいいものを伝えたいという気持ちが必然的にテレビでもネットでも伝わってくるってとこだと思うんですよね。
(吉川)そう思いますね。
まあ初心に返るって何か放送記念日にとてもふさわしい。
ふさわしい事ですね。
本当に初心に返ります。
どうも今日は皆さんありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。
2017/03/22(水) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
放送記念日特集「今 テレビはどう見られているか」[字]

いま、テレビの見られ方が大きく変わってきている。「逃げ恥」や「真田丸」はどう見られたのか?若者の驚くべきテレビ視聴の実態とは?そして海外の最前線は?徹底的に迫る

詳細情報
番組内容
いま、テレビの見られ方が大きく変わってきている。去年、ドラマ「逃げ恥」や「真田丸」がヒットした裏には、これまでにないテレビ視聴のスタイルがあった。さらに、スマホやSNSの発達によって、テレビの見方が大きく変わってきているのが若者たち。また、ノルウェーでは、ネットで届ける全く新しいスタイルのドラマも生まれ、世界中の注目を集めている。これからの時代のテレビとは?スタジオトークも交えて考える。
出演者
【ゲスト】春香クリスティーン,吉川昌孝,森川亮,那須田淳,屋敷陽太郎,片岡利文,【キャスター】小野文恵,【語り】近田雄一

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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