10代でロンドンパンクに出会って以来、約20年。ぼくの主な音楽遍歴はパンク→ハードコア→サイコビリーと一通り不良の音楽を経由して現在に至る。
京都にはMETROという老舗のクラブがあって、20代のころは毎週クラブで怖いセンパイに絡まれつつもお酒を飲んで朝まで踊って、そのうち自分でレコードを買ってDJの真似ごとみたいなことをするようになって。
当時クラブでかけていたのはこういう音楽です。
※続きを書くって言ってといて全く書けていないのはすいません。
今では当時ほどひとつのジャンルを深く掘り下げて聞くことは無くなって好き嫌いなくいろいろ聴くようになった。クラブからも足を洗って早10年近い(理由は夜中眠いのと音がデカいから)
しかし、これまでまったく足を踏み入れなかった音楽ジャンルがある。
いわゆる「アイドル」である。
いい年をしたおじさんだし、キッズたちに混じってサイリウムを振り回すわけも無い。
テレビで連日アイドルグループがキラキラした笑顔で熱く歌う姿が「寒い」とさえ思っていた。
唯一大好きなアイドルグループがある。
BiSHである。
新曲「プロミスザスター」が発売になったので聞いてみて欲しい。
スポンサーリンク
楽器を持たないパンクバンド
BiSHはいわゆるアイドルとは違い「パンクバンド」というスタンス。
初期はさらにその傾向が強く、いわゆるメロコア世代とかにはハマるサウンド。
1stシングルの「星が瞬く夜に」では全編汚物を浴びながらなんだかきったねぇ姿で歌っていた彼女たち。垢抜けなさがすごいが、曲はめちゃくちゃかっこよくて、特にメインボーカル、アイナ・ジ・エンドの3曲ぐらいでノドが壊れそうな歌声がしびれる。
そんなこんなで1stシングルから「アイドル」という枠を超えて現在に至るBiSHは一貫してパンクだ。
パンクロック的アートワーク
予断だがBiSHのプロデューサーは渡辺淳之介と言う人で、かつてBiSというアイドルグループをプロデュースしており、このグループもいろいろ物議を醸したアイドルグループだった。
BiSに比べBiSHは楽曲、歌唱力ともにもう一段洗練されたイメージで、従来のアイドルグループよりも幅広いリスナーに受け入れられそうな印象を受ける。
そしてデザイン面においてもパンクバンド的アプローチが見て取れる。
今回の「プロミスザスター」の衣装は、かつてヴィヴィアンウエストウッドとマルコムマクラーレンが手がけていたブランド「セディショナリーズ」のパラシュートシャツをモチーフにしているし、ファンクラブの名称「Smells Like Teen Spirits」はNIRVANAの名曲から。
他にもTシャツのデザインはBLACKFLAGのロゴをモチーフにしていたりと、BiSHのアートワークはパンクロックへのオマージュが数多く見受けられる。
プロデューサーの渡辺氏は同年代なので、一連のパンクバンドっぽい演出は個人的にすごくツボにハマった。
熱狂のライブ
BiSの時代からも同様であったが、彼らの仕掛けるライブはいわゆるアイドルのそれとは一線を画す。モッシュ、ダイブは当たり前、観客のあまりの悪ノリにライブが中断することもしばしば。
BiSHはBiSほど過激なパフォーマンスは行っていないが、BiS時代からの気合の入ったアイドルファン(BiSHのフォロワーは"清掃員”と呼ばれる)たちはステージ上の彼女らと一体となってライブを作り上げる。
そう、BiSHは「ライブバンド」なのだ。
1stシングルで汚物(クソ)まみれで歌っていた垢抜けない少女らは
清掃員らの手によって磨き上げられ“アイドル”になっていく。
スポンサーリンク
百聞は一見にしかず
BiSHはとにかく一度聴いてみることをお勧めしたい。これまで全く興味が無かった人間にもフレッシュな衝撃を与えてくれる魅力がある。もちろんゴリゴリのパンクスのお兄さんたちにもとてもおすすめ。
自らをパンクバンドを謳う彼女らの今後に期待したい。avexというメジャーレーベルでどこまで大暴れできるのか見ものである。
とりあえずCD買ってライブに行きたい。
※youtubeの動画は公式チャンネルから引用