中国ににらまれ出国も禁止され…国際舞台から消えた韓国の経営者たち

中国ににらまれ出国も禁止され…国際舞台から消えた韓国の経営者たち

 中国海南島では今月23日から4日間の日程でボアオ(博鰲)アジア・フォーラムが開催されます。アジアを中心に各国の政治・経済などさまざまな分野の指導者が集まることから「アジアのダボス・フォーラム」としても知られています。韓国からも毎年このフォーラムに10人前後の企業経営者が出席してきましたが、今年は会場で韓国人に会うのは難しそうです。これまで何度もフォーラムに出席してきた韓国人経営者たちの名前が参加者リストになく、今のところ出席の意向を明らかにしているのはハンファ・グループのキム・スンヨン会長の次男でハンファ生命のキム・スンヨン常務くらいです。

 サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は2013年にこのフォーラムの理事に就任し、昨年まで4年続けて出席してきました。またSKグループのチェ・テウォン会長も05年からほぼ毎年出席してきました。彼らがこのフォーラムに出席してきた理由は、フォーラムが中国政府の幹部らと直接会って関係を持つことができる非常に貴重な機会だからです。実際に李副会長とチェ会長は以前このフォーラムで習近平・国家主席や李克強・首相と会ったことがあります。ところが今回彼らはいわゆる「崔順実(チェ・スンシル)ゲート」で逮捕あるいは出国禁止の処分を受けているため、出席できなくなりました。

 ボアオ・フォーラムだけではありません。最近は各国のビジネス関連のイベントで韓国の財界リーダーたちの姿が見られなくなりました。米国のトランプ大統領は大統領に就任する前の昨年12月、ニューヨークにシリコンバレー企業のトップらを招いて会談する場を設けましたが、この時も李在鎔副会長は招待はされたものの特別検事から出国禁止の処分を受けていたため参加できませんでした。この会談にはアップルのティム・クック会長やアルファベット(グーグルの持ち株会社)のラリー・ペイジ会長など大物が数多く参加していました。また李副会長は毎年7月に米国で開催されるアレン&カンパニー主催のカンファレンスにも昨年まで8回連続で出席してきましたが、今年はたぶん難しいでしょう。このカンファレンスも世界のIT(情報技術)やメディア業界の有力者200人以上が集まる非常に重要なイベントです。

 中国が5月に世界の政財界の有力者を招待する「一帯一路・国際協力サミットフォーラム」にも韓国から何人出席できるか今のところ分かりません。中国は英国やロシアなど主要国の首脳を招待していますが、韓国には1枚も招待状を送っていません。ある財界関係者は「最近はTHAAD(米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル」)配備問題で韓国と中国の関係が冷え込んでいるため、韓国の大手企業経営者が中国の政府高官に会って意見を交換する機会がなくなっている。これは非常に残念だ」と語っています。韓国の企業経営者が近く世界市場で活躍する姿を再び見られるようぜひ期待したいと思います。

李性勲(イ・ソンフン)記者
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