現在日本の住宅はさまざまな工法で建てられています。ここでは代表的な工法の特徴について学びましょう。
家にはさまざまな力がかかります。建物自体の重さや家具・人自体の重さ、雪の重さや風の力に加えて地震の際の力といった自然の力があります。それらの力から家を守るために重要なのが骨組みに当たる柱や梁になり、丈夫で長持ちなものが望まれます。また、あまり知られていませんが人間で言うと関節に当たる、柱と梁を繋ぐ接合部の強さも重要。これらをしっかりしたものにする事で、丈夫な家につながります。
今度家を建てる時は、木造がいいとか鉄骨がいいとか考えられている方も多いと思います。ただひとえに木造や鉄骨といっても、そのなかで様々な工法があり、特徴もさまざまです。まずは代表的な工法について知って丈夫な家づくりの参考にしましょう。
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- 構造体は木材。柱や梁、筋交い等の骨組みで荷重※を支える、昔ながらの最も一般的な工法です。融通性が高く、敷地対応力、設計の自由度が高いのが特長です。※さまざまな力
- 構造体は木材。2×4インチサイズの軸組材を使用します。柱を一切使わず板と枠材で床、壁・天井を組み立てます。気密性、断熱性、耐火性に優れています。
- 構造体は軽量鉄骨。これは軽量鉄骨の柱や梁、ブレース(筋交いに相当)で建物を支え、外壁パネルを取り付けます。水平の力が加わっても建物の変形が少なく高い耐震性を実現しています。設計の自由度が高い工法です。
- 構造体は重量鉄骨。太い柱と梁を溶接したフレームに外壁パネルを取付。柱と梁の接点の結合をかたくしている構造です。筋交いが不要なため大空間が確保できます。3階建て住宅に多く用いられる工法で、空間の広さを求められる店舗併用住宅などにも適しています。
この工法ならば絶対に丈夫で長持ちという事はありません。大切なのは建築会社が実際の部材や構造物を使用して様々な実験や検証を行い、その技術データを活かして設計段階で計算する事、そのうえで計算した性能を発揮するために精度よく部材を製作し、しっかり施工する事が何よりも重要です。木造で建てるにせよ、鉄骨で建てるにせよこれらの点がしっかりしているかきっちり確認しましょう。
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