フジテレビの記者が乗用車を購入・使用するのに必要な名義を暴力団関係者に貸していた問題で、警視庁組織犯罪対策3課は22日、元記者の同社男性社員(32)=東京都品川区=と、無職の男性(59)=新宿区=を電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで書類送検した。同課によると、2人は容疑を認めている。
フジテレビによると、無職男性は元金融業者で、暴力団山口組系組幹部とつきあいがあったという。元記者は高級飲食店で1回15万円程度の接待を20回以上受けていた。
送検容疑は2015年3月、購入した高級外車に実際は無職男性が乗るのに、元記者が使うと偽って国土交通省関東運輸局に申請し、登録させた疑い。
同課によると、元記者は13年春ごろ、事件の取材で男性と知り合った。15年1月ごろ、男性が「借金があり、ローンの申請が通らない」と名義貸しを依頼。元記者は「おごってもらっており、関係を壊したくなくて引き受けた」と話しているという。
購入した車は男性の知人らが使っていたという。購入代金は約360万円で当初は男性がローンを支払っていたが、約70万円を返済したところで停滞。残りは元記者が支払っている。
フジテレビは問題が発覚した後、記者職から外した上で、昨年12月、休職1カ月の懲戒処分にした。
同社は「視聴者や関係者に心よりおわびします。再発防止に向け記者の管理と教育の徹底を図り信頼回復に努めます」とコメントを出した。