フジテレビの記者が自動車購入時に名義貸しをしていた問題で、警視庁組織犯罪対策3課は22日、電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで、同社の社会部記者だった男性社員(32)=東京都品川区=と、取材対象者だった無職の男(59)=新宿区=を書類送検した。

 男は、指定暴力団山口組系組関係者と付き合いがあったとされる。同課によると、2人は容疑を認めているという。

 送検容疑は2015年3月10日、実際は男が使用する車について、男性社員名義で関東運輸局東京運輸支局に申請し、登録した疑い。

 同課によると、男性社員は13年春ごろ、警視庁の記者クラブで暴力団取材をする過程で男と知り合った。男は借金があったことから、ローンの審査が通らないと考え、15年1月ごろに名義貸しを依頼。当初は自分で返済していたが15年秋ごろから滞り、その後は男性社員が支払っている。

 男性社員は「情報提供者として、関係を壊したくなかった」と供述。高級飲食店での接待も繰り返し受けており、断れなかったという。

 捜査関係者によると、警視庁が別事件で山口組系の組事務所を捜索した際、男性社員名義の車が見つかり発覚した。男が車を担保に借金をし、組関係者に渡っていた。

 同社は昨年12月、社員を1カ月の懲戒休職処分にした。