韓国政府、寺に「権利主体か立証を」
【ソウル米村耕一】2012年に長崎県対馬市の観音寺から盗まれ、韓国内に運び込まれた長崎県指定文化財「観世音菩薩坐像(ぼさつざぞう)」について、所有権を主張する韓国の浮石寺(プソクサ)が仏像を保管する韓国政府に引き渡しを求めた訴訟で、控訴審の第1回口頭弁論が21日、大田(テジョン)高裁で開かれた。
浮石寺は、像内にあった記録物に高麗末期を示す年号や「高麗国瑞州浮石寺」と記されていたことなどから、所有権を主張している。これに対し、韓国政府側は「本当に高麗末期に作られたか科学的に検証されていない」と指摘。現在の浮石寺が、当時の浮石寺から続く同一の権利主体かをまず立証すべきだとも主張した。
大田地裁は1月、韓国政府に仏像を浮石寺側に引き渡すよう命じる判決を言い渡し、韓国政府側が即日控訴していた。