高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉が正式に決まってから、21日で3カ月がたつ。もんじゅの廃炉によって、使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」の軸足は実質、プルサーマル発電に移る見込みだ。そうした中、存在感を増しているのが青森県。使用済み燃料を貯蔵・管理する施設や再処理工場といった、核燃料サイクルに不可欠な施設の整備が進んでいる現地を取材した。
本州最北端の地・青森県下北半島。マグロ漁業が盛んな大間町や日本3大霊場の一つの恐山などでも有名だ。同半島は核燃料サイクルに関わる原子力関連施設が多いことでも知られる。
日本原燃は同半島の付け根に位置する六ヶ所村で、燃料の「ウラン235」を濃縮する事業や、原発の使用済み燃料から再利用できるウランとプルトニウムを取り出す「再処理」、全国の原発から発生した「低レベル放射性廃棄物」を埋設・管理する事業などを手がける。
全国の原発で使われた燃料は、頑丈な輸送容器(キャスク)に入れて再処理工場に運ばれる。その後、一時保管やせん断・溶解、ウラン・プルトニウムと核分裂生成物の分離のほか、高レベル放射性廃棄物をガラス原料と混ぜ合わせて溶融する作業など、さまざまな工程をたどる。
施設は外国からも注目を集めている。日本原燃地域・業務本部広報部の赤坂猛部長は「韓国から2年間で4000人が視察へ来たこともあった」と話す。
核燃料サイクルは、放射性廃棄物を徹底管理する設備があって初めて完結する。むつ市にあるリサイクル燃料貯蔵のリサイクル燃料備蓄センターは、東京電力ホールディングス(HD)と日本原子力発電(東京都千代田区)の原発から発生するリサイクル燃料を、再処理するまでの間、安全に貯蔵・管理する施設だ。
同施設では「金属キャスク」と呼ばれる鋼鉄製の容器に使用済み燃料を貯蔵する。金属キャスクは全長約5・4メートル、直径約2・5メートル、重量約120トン。一つの金属キャスクには燃料を69体収納できる。金属キャスクはセンサーで温度管理が可能。使用済み燃料をプールで冷やす「水冷方式」は水質管理が必要だが、金属キャスクを使えば同方式に比べ、管理が容易だ。
金属キャスクは二重のふたで放射性物質を閉じ込めるので、作業員は特殊な服を着る必要がない。さらに同キャスクの内部には不活性ガスを充填しており、水がない。そのため、水金属反応などで水素が発生する恐れがない。
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