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 「声優のアイコ」を名乗り、知り合った男性を睡眠薬で眠らせて現金などを奪ったとして、昏睡(こんすい)強盗などの罪に問われた無職神いっき被告(33)の公判が22日、東京地裁で結審した。検察側は「常習性があり、極めて巧妙な犯行だ」として懲役15年を求刑。弁護側は被告に責任能力がないとして、無罪を主張した。判決は4月28日。

 神被告は、2013~14年に東京都内や神奈川県内で男性に睡眠薬入りの酒を飲ませて眠らせるなどして昏睡強盗や盗みを6件繰り返し、現金や腕時計など計270万円相当を奪ったなどとして起訴された。

 検察側は論告で、公判中の精神鑑定で「被告に複数の人格があるというのは演技だ」とする鑑定結果などから「責任能力がある」と主張。一方の弁護側は、別の鑑定医が被告を「解離性障害」と診断したことから、「被告は自分を制御できない状態で、『みさき』という女性の別人格が犯行に及んだ」と反論した。神被告は法廷で「素直に判決を受け入れようと思います」と意見を述べた。