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【大相撲】

高安10戦全勝!!優勝&大関みえた 稀勢と田子ノ浦2力士負け知らず

2017年3月22日 紙面から

はたき込みで貴ノ岩(手前)を下す高安=エディオンアリーナ大阪で(中嶋大撮影)

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◇春場所<10日目>

 (21日・エディオン アリーナ大阪)

 関脇高安(27)=田子ノ浦=が貴ノ岩をはたき込みで下し、初日から10連勝。2場所連続で2桁勝利を挙げた。新横綱稀勢の里(30)=同=も玉鷲を寄り切り、10戦全勝。同部屋の2力士が初日から10連勝するのは、2004年春場所の朝青龍、朝赤龍の高砂部屋勢以来13年ぶり。

 悲鳴のち大歓声の中、高安が土つかずのまま、連勝を自己新の10に伸ばした。盤石の強さで大関昇進どころか「意識しながら」と、初優勝を見据えた快進撃が続いている。

 立ち合い、貴ノ岩の変化に札止めの館内がどよめいたが、受けて立った当人はいたって冷静だった。「頭には入ってた。当たる前に動くのが見え、すぐに対応できた」。正面に向き直ると、突っ込んでくる相手をお返しとばかりに、はたき込んだ。

 勝ちっぱなしの中、食欲という思わぬ悩みがある。増量して負け越した昨年11月の九州場所の経験を踏まえ、176キロというベスト体重を割り出した。

 場所中の体重キープに苦しむ力士も多い中で「食欲が出てくるんです。場所前、稽古が激しいほうが食欲はなかった。(場所中は)稽古量が落ちますからね。その分」

 ギリギリの調整で、かみしめるのは「場所に生きている」という兄弟子稀勢の里との猛稽古のありがたみ。「空腹時ぐらいがちょうどいい」と、白星への飢えに重ねて躍動している。

 藤島審判副部長(元大関武双山)は「先場所は11勝、今場所はこれで10勝。来場所はそういう話になりますね」。夏場所に「三役3場所、通算33勝以上」が目安とされる大関昇進がかかることを明言した。

 ところが、心身充実の高安にはそれだけではもの足らない。支度部屋では、大関とりについて「明日、頑張る」と素っ気ない。しかし、優勝争いについて「意識せずか」と問われると「そういうわけでもない。意識しながら、リラックスして取りたい」ときっぱり。兄弟子が初場所で抱き、自身も間近にした賜杯をターゲットにしている。

 稀勢の里の一番、攻めを支度部屋のテレビ越しに見つめて「ゆっくり、ゆっくり」と助言するようにつぶやいた高安。新横綱との並走を楽しむ余裕がある。

  (志村拓)

 

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