JR九州の青柳俊彦社長は21日、福岡市の本社で会見し、熊本地震による土砂崩れで運休が続く豊肥線の肥後大津(大津町)-阿蘇(阿蘇市)のうち、肥後大津-立野(南阿蘇村)の運転再開が2019年中になるとの見通しを示した。
県が18年3月の完了を目標にする沿線の治山事業の後、線路を敷く工事に着工。青柳社長は「肥後大津-立野9・7キロの完成に1年ほどかかる」とした。
同区間は、熊本地震に加え、16年6月の豪雨による土砂流入や落石で約50カ所が被害を受けた。県は豪雨で発生した2カ所の土砂崩れ現場で、斜面の安全確保のため治山事業に取り組んでいる。
JR九州は4月1日付で肥後大津駅近くに現地事務所を開設。社員4人が常駐し、県の治山事業と並行して測量などの調査や線路の設計を進める。
同社は16年9月中間決算で、被災設備の復旧費用として88億円を特別損失に計上。うち54%に当たる約48億円が豊肥線の復旧費になる見通し。
ただ、立野-阿蘇17・6キロは、大規模な土砂崩れで崩落した阿蘇大橋付近で、沿線の斜面の安全確認が終わっていないため、全区間の復旧のめどは立っていない。(亀井悠吾)