朴槿恵前大統領、取り調べVIP待遇…収賄など13件の容疑で出頭
韓国の朴槿恵(パク・クネ)前大統領(65)が21日、ソウル中央地検に出頭し、親友の崔順実被告(60)と共謀し、サムスングループから巨額の賄賂を受け取った収賄容疑などで取り調べを受けた。一連の疑惑が表面化して以降、朴氏が事情聴取に応じるのは初めてで、出頭を求められた大統領経験者は4人目。今月10日に憲法裁判所に罷免され、すでに“私人”となっているが、この日はソウル市内の自宅から厳重警備で移動し、地検でも「特別待遇」を受けるなど、異例づくしとなった。
1948年の建国以来、初めて大統領を罷免された朴氏が、ついに取り調べに応じた。聯合ニュースによると、容疑を全面的に否認したという。
朴氏はこの日午前、自宅から約5・5キロ離れたソウル中央地検に出頭。事情聴取は異例ずくめの展開となった。
【異例1】 朴氏は黒塗りのハイヤーに乗って地検へ移動した。自宅近くの細い道路では車の周囲をSPが警護。広い道路に出た後は10台ほどの白バイが車を囲み猛スピードで走った。過度とも思える警備は、罷免決定直後に支持者と警察の衝突で3人が死亡するなど、一部が暴力的な抵抗を見せていることへの対策とみられる。撮影を試みるマスコミのバイクはかなり車に接近し、映画さながらのカーチェイスを繰り広げた。
地検に到着した際、一瞬笑顔を見せた朴氏は、すぐに硬い表情に。「国民の皆様に申し訳なく思う。誠実に取り調べに臨む」とだけ話した。
【異例2】 取材相手に容赦なく“突撃”する韓国マスコミだが、検察の玄関前はこの日、整然としていた。混乱防止と朴氏の安全確保のため規制線が張られるのは、普段は見られない光景だという。
【異例3】 地検によると、朴氏は取り調べで録画に同意しなかった。取り調べを受ける側に録画を拒否する権利は本来ない。それでも確認を取ったのは、円滑な取り調べのため、朴氏に譲歩したものとみられる。
【異例4】 現地メディアなどによると、朴氏は取り調べ前に次長検事と茶を飲みながら会話を交わしたとされる。これも捜査協力を得るための「作戦」と考えられる。取り調べ中はお互いに「大統領様」「検事様」と呼び合った。ちなみに95年11月、盧泰愚元大統領は取り調べ前に中央捜査部長の部屋に立ち寄り、ナツメ茶を一緒に飲んだと当時、報じられた。
検察幹部は聴取後、いったん朴氏を帰宅させる方針を明らかにしたが、取り調べは長時間に及ぶのは確実。
【異例5】 地検特捜1部10階の取り調べ室の隣室には、ソファーやベッドが新たに設置された。長時間の取り調べの途中に休憩ができる態勢が整えられた。
朴氏にかけられた容疑は少なくとも13件。罷免された時点で大統領が持つ不起訴特権を失っており、在宅起訴は免れない見通しだ。有罪となれば最高で無期懲役もあり得る収賄罪が起訴時に適用されるかどうかが焦点となる。