〜中二病〜
いつの時代も生きるうえで避けては通れないもの。
幻想と現実との区別がつかなくなってしまう恐ろしい業。
時が症状を緩和してくれるが、
残酷なことに、静かな夜にはこの古傷がうずき「うわぁああぁ……。」と嗚咽を漏らし、悶える。
そうやって誰もが大人になっていくのだ。
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みなさんも黒歴史の1つや2つありますよね?
しかし大人になった今でなら酒の肴となって、話を盛り上げられるモノだと僕は思っております。
(え? ならない?)
さて、中二病にもいくつかジャンルがあるようですが、
僕はもっぱらゲームによる影響が大きく、主人公に憧れてはそれっぽい真似をすることが多かったです。
中二病というとマイナスなイメージに捕われやすいですが、『よい中二病』もあるんですよ?
今回は僕のよい中二病の思い出がひとつだけあるので、この場で紹介、もとい懺悔させてください。
そう あれは確か高校2年の時。
部活に入っていなかったので、学校から帰っていつものようにゲーム、友達の家でゲームといった非常に有意義な毎日を過ごしていた僕は、
ゲームのエンディングに毎回感動するあまり、行き場のない感情が身体を支配していきました。
その感情が蓄積されるとどうなるか。
…行動に表れるのです。
主人公のような屈強さに憧れて、中二病を患いました。
ちょうど家の近くに景色がよく設備の整った河川があるので、そこで2日に1回、登校前に早起きして6kmほど走りました。
完全にランニングコースを自分のステージだと勘違いしてましたね。
登校前にひと修行終えてきたんだぜ! という優越感。 僕はその1日、この学校で誰よりも強いと思いました。
これが大丈夫な中二病の例です。
そしてある朝の登校中。
ふと思いました。
みんな剣しょって走ってるなぁ
…
…
…
…
さすがに剣は用意できないので、当時ギターをやっていた僕は、
翌朝から剣の代わりに、ギターケースを背負ってランニングに挑戦
(エレキギターが傷むと分かり、3回程しかしてませんでしたが)
そして、朝ランニングを続けること半年後……。
校内の長距離大会がやってきました。
これは見せつける時! 好機!!
…マラソンなんかのスタート時点で、前を占拠してるやつらって有利じゃね?
と心の中で愚痴っていたら「よーいどん!」
駆け出す俺。
いくぜ!
マリオカートダブルダッシュで実践を積んできた俺にとって、スタートダッシュは朝飯前!!
くそッ! 前を占拠してたサッカー部の野郎ども、俺が作ったゴースト並のキレイなライン取りをしてやがる…!
……だが!
どんどん抜かすぜ!
中二病がモテるスポーツ部を制した瞬間である。
こちとら半年間ゾーラ川からハイリア湖畔まで駆けてんだ!
ん? 前に見えるのは…陸上部!
ボスのお出ましってとこか。 はえぇな、あいつらだけ200cc搭載してんじゃねぇか?
だが…陸上部といえども、誰にも遅れはとらせん…!
めざすゴールはただひとつ
…
…
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そして……
努力?が実を結んだのか、まさかの5位にランクイン!
オラのゲーム脳パワーが勝ったぁぁああ!!
後日体育館棟の入り口に張り出されたランキングトップ10
1位 | 山下 | 陸上部 |
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2位 | 金子 | 水泳部 |
3位 | 木村 | バスケ部 |
4位 | 高橋 | サッカー部 |
5位 | 64弟 | |
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他は陸軍や海軍に所属しているのに、僕だけフリーなのが最高に主人公感があって、よかったです。
あっ部活のスカウトとか特になかったです。……
いやぁ〜
いままで俺に勇気と希望を分けてくれた主人公達ありがとう!リンクありがとう!
ここまで来れたのはみんなのおかげだよ!
ワーッショイ!! ワーッショイ!!
ワーッショイ!! ワーッショイ!!
ワーッショイ!! ワーッショイ!!
ワーッショイ!! ワーッショイ!!……
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お前バカじゃねーの?