ジョブズ氏が見たら怒りそうなアップルの現状10選
2017年03月22日 07時00分
「iOS」はこのところ操作が複雑になってきているし、「Mac」には数年アップデートされていないモデルもある。アップルのこのような現状を、故スティーブ・ジョブズ氏はどう見るだろうか。同社が抱える10の問題点を考える。
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提供:Wikimedia Commons「AirPods」
「Bluetoothヘッドホンの問題は、『iPod』を充電するだけでなく、ヘッドホンも充電しなければならないことだ。そんなことは誰もしたくない。それに音質の問題もあり、帯域の高さが足りない。音質はいつか改善されるとしても、ヘッドホンを充電するのは面倒だろう」(Steve Jobs氏)
現在のBluetoothの音質が十二分に明瞭であることに議論の余地はほとんどないが、Appleが考え出したAirPodsの充電方法にJobs氏が怒りを覚えるであろうことは間違いないと言える。AirPodsをケースに入れて充電する必要があるばかりか、ケース自体も忘れずに充電しなければならないのだから。 -
提供:Wikimedia Commons使いにくくなった「iOS」
「シンプルにするのは、複雑にするより難しいこともある。努力して思考を研ぎ澄ませないと、シンプルにはできない。だが、そこに至ることができれば何だってできるのだから、目指す価値はある」(Steve Jobs氏)
「iPhone」が10年前に発表されたときのOS(当時は「iPhone OS」という名称で、iOSという名前になるのは2010年から)はすっきりしていて、シンプルだった。数回タップするだけでどんな操作もできたし、ユーザーインターフェースは直感的で使いやすかった。
その後10年でiOSは大きく変わった。「iOS 10」は、初期のiPhone OSのルック&フィールも多少は残っているが、継ぎ足しやら詰め込みやらで、いろいろなものが増えている。そのせいで、かつてエレガントで合理的だったプラットフォームが、ごちゃごちゃして使いにくいものになってしまった。
通知パネルやポップアップでインターフェースが散らかり、よく使う機能を開くだけでも、ジェスチャを何種類も覚えなければならない。「設定」アプリは今や、「Windows」の「コントロールパネル」なみに乱雑になっている。 -
提供:Wikimedia Commons焦点がぶれている
「的を絞るときに大切なのは、『ノー』と言うことだ」(Steve Jobs氏)
iPhoneの出発点になったのは、スマートフォンを再発明するデバイスというシンプルなアイデアだった。購入時に検討するのは、ストレージ容量を4Gバイト、8Gバイト、16Gバイトのどれにするかだけ。それでiPhoneユーザーになれたのだ。
それから10年たった今、本体のサイズや色など、選択肢があまりにも増えてしまった。
同じように焦点が絞られていない例は、「Mac」にも見られる。たとえば、Appleのノートブックを買おうと思ったらまず、「MacBook」「MacBook Air」「MacBook Pro」のどれにするかを決めなければならない(誰かMacBookとMacBook Airの違いを簡単に説明してくれないだろうか)。その次には、各種システム仕様の選択が待っている。
「iPad」でも状況は同じだ。デバイスの種類は多いが、それぞれの違いはよくわからない。 -
提供:Wikimedia CommonsiPadの急激な失速
「われわれがやりたいのは、信じられないほど高性能なコンピュータを自由に持ち運べるブックに収め、20分もあれば使い方がわかるようにすることだ」(Steve Jobs氏)
Appleは、iPadによってタブレット市場を根底から覆し、iPhoneとMacの間をつなごうと計画した。その計画は成功するかに見えたが、登場から7年、当初は力強い伸びを見せた販売台数も、何年か前にピークに達したのち、今では急速に落ち込んでいる。
iPadが抱える問題は、消費者にしても企業にしても購買層がタブレットに興味をなくしたことであり、売り上げの激減は当然であると言えるかもしれない。しかし、だとしたら、PC販売が低迷するなかでMacの売り上げが好調を維持しているのはなぜだろうか。また、iPhoneはなぜ成長軌道に回帰できたのだろうか。 -
提供:Wikimedia Commons古いテクノロジがあふれるApple Store
「世界最高の製品を作っていても、ゴミのような製品も大量にできてしまう。クズ製品は一掃しなければならない」(Steve Jobs氏)
Appleが販売している一部の製品は、まさに骨董品だ。「iMac」「Mac mini」「Mac Pro」、MacBook Air、「Apple TV」、そしてiPodの全モデルは、待ったなしで刷新する必要がある。
こうなってしまった原因は、AppleがiPhone以外をあまり顧みないことにあるのか、それとも製品ラインが大きくなりすぎて手に負えなくなり、すべてを把握しきれなくなっているからなのか、それはわからない。
原因がどうであれ、3年以上前の高価なハイエンドワークステーションをいまだに売っているとしたら、何かが大きく間違っているはずだ。 -
提供:Wikimedia Commons何でもない問題に、ばかげた解決方法
「とても美しいケーキを焼いて、飾り付けに犬の糞を使うようなものだ」(Steve Jobs氏)
Appleは世界有数の人材を雇用しており、素晴らしいことを実行できる能力がある。
だが、同社が発表する製品にはばかげたミスも混ざっている。たとえば、iPhone用のバッテリケースは充電インジケータが内側にあって、iPhoneを装着すると見ることができない。また、充電可能なマウスは、底面に充電ポートがある。充電可能なスタイラスは、キャップが小さくてすぐになくなってしまう。
どれもこれも、Appleらしくないと思えるような設計上のミスだ。 -
提供:Wikimedia Commonsアダプタ、アダプタ、またアダプタ
「自分たちがやることを誇りに思うのと同じくらい、やらないことにも誇りを持っている」(Steve Jobs氏)
Appleは明らかに、Macのラインアップを簡素化するという使命を帯びており、その手段の1つとして、できるだけポートの数を減らし、可能であれば1つのポートで統一しようとしている。新しいMacBook Proがその一例だ。
だが、iPhoneやiPadならいざ知らず、コンピュータでポートを1つにするというのは苦痛でしかない。多くのユーザーは、何種類ものアダプタやアクセサリ(Satechiの「Type-C USB 3.0 3-in-1」コンボハブなど)を持ち運ばないと、作業ができないという状況だ。 -
提供:Wikimedia Commons「Siri」がまだ賢くならない
「大切なのは細部だ。細部がきちんとするまで、待つ価値はある」(Steve Jobs氏)
Appleは音声アシスタントSiriの技術を2010年に買収し、2011年後半に「iPhone 4s」に組み込んだ。Siriはそれ以来、iPhoneだけでなくiPadやMacにも搭載されるようになっている。
だが、その間にSiriに対する反応は驚嘆から落胆に変わってしまった。SiriをAmazonの「Alexa」、Microsoftの「Cortana」、そして「Google Now」と比べてみるといい。Siriが実際にはいかにおバカで見かけ倒しか、すぐにわかるだろう。音声認識は精度が低く、できる操作の種類も限られている。自然な言葉で問いかけた質問に柔軟に答える能力も、他の音声アシスタントサービスに比べて、ごく基本的なレベルにとどまっている。 -
提供:Wikimedia Commonsイノベーションを忘れ、他社(とりわけサムスン)に追随
「他人の意見という雑音に、自分の内なる声をかき消されるな」(Steve Jobs氏)
かつてのAppleは前を向いていたが、今では横に目をやり、競合他社が何をしているのか、気にすることが増えているように思える。同社が特に気にしているのは、韓国のハードウェアメーカー、サムスンだ。
ハードウェアに対するサムスンの取り組み方は、「何でもいろいろやってみて、結果を見る」というスタンスで、この何年間かはAppleも同じようなアプローチをとっている。特にiPhoneで多いアプローチだ。そうしたやり方でうまくいくこともあるが(たとえば、iPhoneの大画面化が長らく求められていたのは明らかだ)、失敗した例もある(この話でどうしても思い出されるのが「iPhone 5c」だろう)。 -
提供:Wikimedia Commons次の主力製品が一向に出てこない
「それから、もうひとつ」(Steve Jobs氏)
Steve Jobs氏は、iPodでAppleをメインストリームへと押し上げ、iPhoneでその土台を固め、iPadで頂点に達した。
だが、ストーリーはそこで終わっている。
Jobs氏亡き後のAppleが新たにリリースしたデバイスは「Apple Watch」だけで、確かに他のスマートウォッチと比べれば大成功と言えるものの、Apple Watchが次なるiPhoneのような製品になる気配は見えない。
テレビや自動車、VRデバイス、ARデバイスなど、うわさは絶えないが、次の目玉は今のところAppleを避けているようだ。