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冬の御浜に希少な野鳥 絶滅危惧種オオセッカ 

2015年11月に捕獲したオオセッカ。14年12月に着けた足輪があった=御浜町内で(西教生さん提供)

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◆大学講師が調査「保全につなげたい」

 環境省レッドリストで絶滅危惧種とされている野鳥「オオセッカ」が御浜町内の休耕田で越冬していることが、都留文科大文学部(山梨県都留市)非常勤講師の西教生(のりお)さん(34)=長野市=の調査で分かった。三重県内で越冬が確認されるのは初めてという。

 西さんは二〇一二年十一〜十二月に渡り鳥調査のため同町を訪れた際、鳴き声とともに目視でオオセッカを確認。環境省の許可を得て一年後にかすみ網を仕掛けたところ二羽の捕獲に成功し、個体識別用の足輪を装着して放した。

 さらに一四年十二月に捕まえた個体については、一五年三月と十一月に再捕獲。今季も捕獲や鳴き声で生息が確認されており、西さんは「十一月〜四月ごろにかけて越冬していると考えられる」と推測する。

 オオセッカはスズメ目センニュウ科の体長一三センチほどの野鳥。青森県、栃木県、利根川下流域の湿地に繁殖地があるが、移動範囲は不明確なところが多いという。同町で確認された辺りはヨシの枯れ草が茂り、アオジやオオジュリン、ホオジロといった鳥が生息している。

 西さんは「今後、越冬場所としてオオセッカがどんな環境を好むか調べ、保全につなげていきたい。希少な鳥が生息していることを地元の人たちにも知ってもらえたらうれしい」と話している。

(福永保典)

 

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