トヨタ車体は21日、20日に火災が起きたいなべ工場(三重県いなべ市)における車両の生産を23日夕方に始まるシフトまで停止すると発表した。高級ミニバン「アルファード」などを組み立てており、生産が遅れるのは2000台規模になるとみられる。24日朝以降の稼働については23日に状況をみて判断する。
いなべ工場では20日午後5時半ごろに火災が発生し、約3時間後に鎮火したが、塗装工場の乾燥エリアが被害を受けた。桑名市消防本部によると乾燥炉の表面を覆う断熱材や屋根などの一部が焼損している。21日の調査では原因が特定できず、22日も朝から設備を分解して原因を探る。
トヨタ車体はトヨタ自動車の全額出資子会社で、ミニバンや多目的スポーツ車(SUV)の開発・生産を請け負っている。年間20万台規模の生産能力を持ついなべ工場は主要生産拠点のひとつ。高級ミニバン「ヴェルファイア」や商用車「ハイエース」も生産していた。
いなべ工場は大型車に対応した設備を構えており、アルファードとヴェルファイアはここでしか造っていない。塗装工場は品質を確保するため、空気中のチリやホコリの量を一定水準を下回るように制御している。トヨタグループ内には「デリケートな工程で復旧までは一定の時間がかかる」との見方もあり、年度末の需要期に水を差す形になる。