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韓国新大統領は「日韓合意」を反故にする

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by 東岡徹 (更新 )

文在寅氏(スクリーン内)は1953年生まれの64歳。盧武鉉政権では大統領の側近だった。写真は新政治民主連合(現在の「共に民主党」)の全国代議員大会で代表に選出されたときのもの/2015年2月8日 (c)朝日新聞社

文在寅氏(スクリーン内)は1953年生まれの64歳。盧武鉉政権では大統領の側近だった。写真は新政治民主連合(現在の「共に民主党」)の全国代議員大会で代表に選出されたときのもの/2015年2月8日 (c)朝日新聞社

 文氏は昨年12月、慰安婦問題の日韓合意について「日本の法的責任と謝罪をより明らかにする交渉が必要だ」と述べている。しかし、安倍政権にとってみれば、再交渉に応じる余地はゼロだ。再交渉を求められて応じなかった場合、日韓関係がさらに悪化することは避けられない。その場合はどうするか。文氏はまだ語っていない。

 他の候補者も似たり寄ったりで、いずれも慰安婦問題の再交渉を求めている。唯一、日韓合意の履行を訴えていた黄首相だが、3月15日、大統領選への立候補見送りを表明した。

 韓国政府高官は言う。

「たとえ文氏が大統領になっても日本との再交渉は不可能。大統領になればわかるはずだ」

 もちろん、選挙前の発言を当選後に変えることはあり得るが、そう簡単ではない。できれば、選挙前から発言を軌道修正しておいたほうが軟着陸しやすい。そのためには日本側からのアプローチが欠かせないのだが、駐韓日本大使は釜山の総領事館前に設置された「少女像」の問題で一時帰国したままだ。(朝日新聞ソウル支局・東岡徹)

AERA 2017年3月27日号


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