俺の上で嬌声を上げるウィルネを、突き上げる。 「あぁッ! 愛しています、アシュオウ様! 私の体は、アシュオウ様のモノです! この髪の毛の、ひとすじまで、全て、アシュオウ様のオナホです! どうぞ、私の体を、アシュオウ様の好きなように、あぁッ、してくださいっ! してくださいぃ!」 ウィルネは激しく全身を揺すり、俺の上に覆い被さってくる。 「好き! 好き! 大好き!」 まるで10代の頃の彼女に戻ったかのように、必死に、情熱的に俺を求めてしがみつく。 いつもより熱の入った彼女の体が、俺を強くきつく締め付けてくる。遠慮なく乳房を握りしめる俺の手に、絶頂の悲鳴を上げて、崩れ落ちる。 「アシュオウ様…わ、私、いつもよりも感じすぎてしまって…あぁ…申し訳ありません、ア、アシュオウ様ぁ…」 たった一言褒めてやっただけでデレデレだ。 彼女はいつでも従順で献身的に、俺を愛してくれる。俺の全てを受け入れ、全てを捧げてくれる。 「ウィルネ、尻を広げろ」 「あぁ…はい、アナルですね。私のアナルを、使っていただけるんですね。ありがとうございます、アシュオウ様。はぁ…すぐに、準備いたします」 イキっぱなしの体を重たそうにずらし、ウィルネは尻を高く上げる格好をして、自分の手で尻を開いた。むっちりとした、肉厚の白い丘の中心にあるすぼまりが、俺のために開かれている。 生意気で高圧的だった、昔のウィルネ。 今は俺の命令1つで、尻の穴まで晒して媚びる女。 俺はそこに、彼女の愛液に濡れた先端を押し当てる。 「ウィルネ。俺はお前の何だ?」 「はいっ。アシュオウ様は、オナホである私の主です。私の愛するただ1人の男性で、私たち精霊の王で、私たちの神です!」 そう。俺は神だ。 誰よりも永い命と、絶対的な崇拝と支配。世界と、いつまでも若く美しい女たちを、独り占めにする。 「お前のアナルも俺のモノだ。入れるぞ」 「はいッ! ありがとうございます、アシュオウ様! あっ、あぁぁぁッ! アシュオウ様の、チンポ、入ってくるぅ…ッ!」 お行儀良くてお上品な、精霊様のセックスでは絶対に使わない場所も、俺には喜んで捧げるのがオナホの務め。 ウィルネは俺を愛している。ニーナもリエルもシヴァも、全ての精霊が俺のことを愛してくれる。 完璧で、理想的な、俺の世界。 俺は幸福な神だ。 「今日は入浴のお世話は、高等部新入生5名のエルフが行います」 「あァ」 毎年、首都の高等部の新入生に、研修として俺の入浴の世話をさせている。成績上位の者から順番だが、最終的には全員に研修を受けさせている。 もちろん、ただ入浴の面倒を任せるだけじゃない。男に抱かれる身体にまで成長した精霊たちは、このときに全員、処女を失うことになるんだ。 「う、あぁ! アシュオウ様! アシュオウ様!」 「嬉しいですっ。アシュオウ様に処女を捧げることができて、本当に嬉しいですっ」 「私たち、頑張りました。アシュオウ様に、一番に処女を奪って欲しくて…! あぁ、良かった。お勉強頑張って、本当に良かった!」 「イクッ! イキます、アシュオウ様!」 「処女オナホなのに、アシュオウ様のチンポでイッちゃいます〜ッ!」 5人目の尻の中で、フィニッシュに向けて速度を上げる。すでに何度も絶頂に達しているそこは、弛緩しきった緩さの中にも少女らしいきつさもあって、心地よい刺激を俺の陰茎に与えてくれる。 処女の学生5人を立て続けに犯して、そろそろ俺も限界だ。パンパンと若尻に腰を叩きつけ、速度を上げる俺の周りに、他の4人が集まってくる。 「あの、アシュオウ様…もしかして、そろそろ射精されますか?」 「で、できれば床に! 床に出していただけませんか!」 「お願いします!」 おかしな注文をする奴らだ。 若い処女孔に射精するのが好きなのだが、そこまで言うならリクエストに応えてやらないでもない。 俺は彼女たちの求めどおりに、床に大量の精液を出してやった。 「精液だー!」 無邪気な喜びをあらわにして、彼女たちは床に這いつくばる。そして、尻を並べてまるで犬のように精液をすすりだした。 お嬢様育ちのエルフの娘とは思えないような奇行に、俺はあっけにとられる。 「…何をしてるんだ、お前ら?」 「私たち、アシュオウ様の精液が大好物なんです!」 「お忘れだと思いますが、私たち、幼稚舎時代にアシュオウ様にお会いしてるんですよ」 「そのとき、一緒にいた先生とアシュオウ様がセックスして、精液の美味しさを教えてくれました!」 「嬉しい! すっごく久しぶりで、美味しいよぉ!」 そういや、そんなこともあったような。 あの時の子供たちが、こんなにも成長したのか。 もう、そんなに経つのか。 時の流れの速さに、置いていかれたような驚きに呆けている間に、5人の高校生は俺の足元に屈んで、まだ精液の垂れる俺の陰茎に、喉を鳴らしていた。 「あの…アシュオウ様。私たち、フェラチオの勉強も、一生懸命頑張ったんです」 「その成果を、ぜひ試していただきたいんですけど!」 「ていうか、ゲップ出るほど精液飲ませてください!」 キラキラとした、まだあどけなさの残る5人の瞳に期待を向けられ、俺はあきらめて、両手を挙げて降参した。 「好きにしろ」 「やったぁー!」 浴場に反響する、少女たちの黄色い歓声に、俺は耳を塞ぐ。 深夜、ふと目を覚ます。 ニーナがベッドのへりに腰掛け、月を見上げていた。 芸術作品のような横顔も見事な体も、月明かりの下で、幻想的なほどきれいだった。 ただその美しさは、横顔に帯びた愁いのせいでもある。 いつも明るく優しい微笑みを浮かべているニーナらしくない表情に、俺は声もかけられず、大人しく見守った。 ニーナが、祈るように目を閉じる。その手が、下腹を撫でた。ついさっき、俺がさんざん精液を注ぎ込んでやった腹。それを愛おしむように、ニーナの白い手が撫でる。 ニーナの表情は真剣だった。まるでそれが神聖な行為のようにも見えた。 「…ニーナ、どうした?」 張り詰めた空気に耐えかねて、俺はニーナに声をかける。 ニーナは慌てて笑顔を取り繕い、「月が綺麗だったものですから」と、誤魔化すように俺の横に飛び込み、頬に口づけをする。 「もう寝ます」 そう言って、俺の肩に顔を埋めるようにして、ニーナは目を閉じた。 ─── 「アシュオウ様の子どもが欲しい」 彼女がそう漏らしていると、あとで他の者から聞いた。 ニーナとウィルネの同級生は、とっくに結婚して、子供も成人しているそうだ。 俺の知らぬ間に、時はどんどん過ぎていく。 人間と亜種の間に子供は作れない。 そして彼女たちに、長命化のカンフルは効かない。 節度も倫理も失っていた古代の文明が、それでも最後まで守り続けた、人と亜種との境界線だ。 その壁を壊せば、人間という生き物は消えてなくなる。 当時の状況で考えれば、その判断は正しい。それはわかる。 だが、俺には耐えられなかった。 ただの人間だった頃には永遠のように思えていた精霊たちの寿命も、追い越してみると、あっけないほど短いことに、ようやく気がついた。 ウィルネが、ニーナが、ミミもエイミもリエルもシヴァも、俺より先に消えていく。 それはまるで、俺の幸福の王国が崩れていくような恐怖だった。 毎日、俺は研究室にこもって検証を続けた。 精霊に効くカンフルは作れないか。せめて、俺と彼女たちとの間に子を作れないか。 わかったのは、その研究に必要な知識も設備も、俺は持ってないということだけだ。 ヒト型亜種の複雑な遺伝子を改良できる巨大設備は、すでに古代人の手によって破壊されている。今の俺が持ってる知識と現代の魔法技術程度では、どう頑張っても当時の科学には追いつけない。 俺はわずかな可能性に賭けて探索隊を再編成した。 世界中の遺跡をくまなく掘り起こした。 そして結局、どこにも手段は残ってないことを、あらためて確認してしまった。 「くそっ! くそっ!」 髪を掻き毟り、壁に当たり散らし、床に倒れる。 無理だ。不可能だ。 こうしている今も時間は刻々と流れ、俺を置き去りにしていく。 焦り、心を乱される。 昔は憎んでいただけのはずだった彼女たちを、今の俺は、どうしても手放したくなかった。想像するだけで体が震えて冷や汗が浮かんだ。 俺はバカだ。とんでもないバカだ。 あれほど見下していたご先祖のピースのことも、あの遺跡の地底人のことも、笑えない。 愛してしまった。 あれほど精霊を憎んでいたはずなのに、彼女たちの無償の愛情に溺れているうちに、俺はかつての自分ではなくなっていた。 あいつらは人の手によって造られた亜人。その美しい姿も心も魅力も全て、人間を喜ばせるために用意された道具。 従順で当然。愛されて当然。それぐらいわかってる。 なのに、身を灼かれる。 まだ憎しみの炎のほうが優しかったと思えるくらい、胸が痛い。 従順で、純粋で、美しい彼女たちを俺は愛してる。彼女たちのいるこの世界を、余さず愛してる。 何一つ、失いたくない。 「…お待たせしました、アシュオウ様」 階段の上から、純白のドレスに着替えたウィルネが降りてくる。 この日のために、特別にあつらえさせたものだ。ウィルネの体にぴったりとした白い生地の上に、宝石をびっしりと張り巡らせてある。 世界で一番高価なドレスだ。これほど豪華な衣装を着ることができる女など、世界中探しても他にはいないだろう。 また、このドレスがここまで似合う女も。 「……美しいぞ、ウィルネ」 俺は彼女の美しさを、素直に称えた。 ウィルネは、俺の賛辞を真っ直ぐに受け止め、一筋の涙を流した。 「アシュオウ様の、オナホですから」 胸が詰まる。 俺は黙って腕を差し出す。ウィルネはその手をそっと絡めて、俺の横に並ぶ。 大ホールの入り口で、新郎の衣装を着たエルフの男が頭を下げていた。 今日はウィルネの結婚式だ。 ウィルネのフィアンセだった裁判審査官のミゲルという男が、律儀に独身を貫いていたそうだから、彼女の夫に選んでやった。 このドレスを見せたときも、ウィルネはちっとも喜んではくれなかった。 宝石好きの彼女のために作らせたのに、こんなの着たくないと言って、ウィルネはボロボロ涙を流した。 来月には、ニーナも嫁に出す予定だ。 亜種は俺との間に子は作れない。だから彼女たちに夫を与えて、子供を作らせることにした。 俺が永遠に彼女たちを愛し続ける方法は、それしかなかった。 彼女たちに、その血を受け継ぐ娘を産ませ、そして俺を愛してもらうしかなかった。 当然、ウィルネもニーナも、俺以外の男の子供は産みたくないと泣いた。ボイコンを使えば、簡単に彼女たちを従わせることもできたが、喜んで他の男の子供を産む彼女たちなんて、俺も見たくなかった。 そして初夜、俺はウィルネを抱く。 「あぁッ! アシュオウ様! もっとっ、もっと強くしてください! もっと私を、めちゃくちゃにしてください!」 ドレスを乱して、ウィルネが叫ぶ。すぐそこで夫のミゲルが見ているというのに、目に入らないように俺とのセックスに没頭する。 いや、没頭しようとしている。 「アシュオウ様ぁ! もっと! もっと犯してください! 犯してッ、私を、今すぐアシュオウ様の手で、壊してください!」 その瞳に浮かぶ涙も、俺だけを映している。俺は彼女の膝を持ち上げる。深く突き刺して、えぐる。 「アシュオウ様! アシュオウ様ぁ!」 妻になったばかりの女性を目の前で犯され、ミゲルは息を荒くして興奮していた。直立不動の股間を大きく膨らませて、ウィルネの痴態によだれを流さんばかりだ。 「…ミゲル、オナニーしていいぞ」 「あ、ありがとうございます、アシュオウ様!」 「その代わり、俺がイクまでイクな。ずっとオナニーを続けていろ」 ミゲルは嬉しそうにズボンを下ろして、隆々とした陰茎を取り出し、擦り始めた。バイブの男だけあって、俺よりも立派なイチモツだ。 「ウィルネ、見ろ。これがミゲルのチンポだ」 「いやッ!?」 ウィルネは、心底イヤなものを見たかのように、顔色を悪くして背けた。 「イヤです! 私、やっぱり耐えられそうもありません! アシュオウ様のオナホマンコに入れるのは、アシュオウ様のチンポだけです! あんな汚らわしくて気持ち悪い男に、死んでも抱かれたくありません!」 「あぁ…ウィルネ…お願いだから、そんなこと言わないでおくれ…」 ウィルネが吐く刺々しい言葉に、ミゲルは恍惚の表情を浮かべる。そういう男に、俺が洗脳しておいた。 「心配するな、ウィルネ。月に一度だけだ。あの男に体を貸すのは月に一度だけでいい。子供ができれば、しばらく休める」 「あぁッ、多すぎます! せめて、3月…半年に一度で十分です。それ以上、んっ、このアシュオウ様のオナホマンコを汚されるなら、死んだ方がマシです!」 「わかった。半年に一度だ。いいな、ミゲル?」 「はいッ! あぁ、感激です。半年に一度、ウィルネの体を貸していただけるなんて…僕は、本当に幸せものです。ありがとう、ウィルネ!」 「気持ち悪いこと言わないでよ、変態! アシュオウ様に抱いていただいてる最中に、話しかけないで、バカ!」 「あぁ、ゴメンよ、ウィルネ…ウィルネ…!」 ウィルネの気持ちいい膣の中をかき混ぜる。他の男に渡すには惜しすぎるこの名器。 「心配するな、ウィルネ。この男に抱かれたら、すぐ俺のところに来い。俺がたっぷり精液を注いでやる。この男の精液よりもずっと多くな。だからお前から産まれてくる子は…俺と、お前の子だ」 「あぁ! 本当ですか、アシュオウ様! 私の子を、アシュオウ様の子としてくださいますか! それなら、産みます! どんなに辛くても、この男に体を許します! 私はッ、私は、アシュオウ様の子を…ッ!」 指を絡ませる。深い口づけをする。2人で、セックスの速度を上げる。 「お願い、ですッ、アシュオウ様…ッ、一度だけ、ウソで、いいから、私、アシュオウ様から、いただきたい言葉が…!」 わかってる。俺も今日、お前に言おうと思っていたことがある。 「愛してる、ウィルネ。俺はお前を愛している」 ウィルネは、感極まったように涙を流した。 流れるような真っ直ぐな金髪。宝石のような瞳。ピンと尖った耳に、美しい顔と体。 「愛してます、アシュオウ様! 私は、永遠にアシュオウ様のオナホです!」 初めて会ったときのことを、今でもよく覚えている。 時が止まったかと思った。 心を奪われる女というのに、初めて出会った瞬間だった。 ウィルネ。 俺のウィルネ。 あの日からずっと、俺はお前を愛してる。 だから、あんなにもお前が憎かったんだ。 「ウィルネ───、オナホをやめろ」 「ッ!? いやあああッ!?」 とたんに、ウィルネの表情が変わる。驚愕と嫌悪に、その美しい顔を歪ませる。しかし、その体は自分の意志では動かせない。 この俺と手を繋ぎ、足を高く広げて、セックスをただ受け入れるしかない人形だ。 「いやあ!? やだ、やだぁ! やめて! 助けてぇ!」 ウィルネ。 泣き喚くその表情ですら、尊いほどに完璧だ。 耳を撫でる。エクスタシーのスイッチが入って、ウィルネがかん高い悲鳴を上げる。俺はうっとりと、その声に耳を澄ませる。 「ウィルネ! ウィルネ!」 「イ、イクぅ! いやぁ! やめてぇ! イクぅ!」 体は快楽に翻弄される。エルフの誇りが、セックスの快楽と戦い、顔を真っ赤に染める。激しく俺は、腰を突き入れる。 「ウィルネ、愛してる! お前を愛してるぞ!」 「やだぁ! 気持ち悪い! あぁッ、やめて、イクッ、離れて、ケダモノ! イクぅ! やだ、抜いて、気持ち悪い! あぁぁ! イク、イクぅ! 助けて! 誰か助けてぇ!」 セックスの快感に翻弄されているくせに、俺の愛は拒む。こんなにも気持ちよく俺のを包み込んでおきながら、俺のことを突き放す。 容赦なく美しく、容赦なく冷たい女。 お前はまさに、世界そのもの。 俺はお前を手に入れたくて、仕方なかったんだ。 ウィルネを犯す。 世界を犯す。 「愛してる! 愛してる、ウィルネ! 俺はお前が好きなんだ!」 「あぁぁ、やめて、気持ち悪い! あぁ、イク! やめ、イクッ! あんたって…最低! イク! あぁ…イクっ…らめ……イクッ、イクッ…あぁ、ミゲル、助けて…ミゲル…イクっ……ミゲル、助けて…ッ!」 「ミゲル、来い。こっちへ来い!」 オナニーを続けたまま、ミゲルがベッドまで来る。 フィアンセの顔を見て、ウィルネが俺に犯されながら助けを求める。 「ミゲル! 助けて! このニンゲンを殺して! 殺してぇ!」 「あぁ…最高だよ、ウィルネ…きれいだ、とっても…君が素敵すぎるから、僕はこんなになってしまったよ…」 「いやあ!? ミゲル、やめて! そんなの近づけないでぇ!」 ウィルネ。やっぱりお前は最高だ、ウィルネ。 俺は彼女の体を求め続ける。ひたすら貪り続ける。 「出すぞ! ウィルネ、お前の中に出すぞ!」 「いやあッ!? やめて、やめてぇ!」 「ミゲル、ウィルネの顔にかけろ! 特別に許してやる!」 「はい! ありがとうございます、アシュオウ様! あぁ、ウィルネ! 君の顔にかけるよ、ウィルネ!」 「ぃやあぁぁぁッ!?」 ドクドクと、彼女の中に放出する。ミゲルの精液が、べっとりと彼女の顔にかかる。 最後の一滴まで、ウィルネの中に吐き出して、そして俺は彼女の体から離れて、セックスの形のまま動けない彼女を見下ろす。 「……あぁ……あぁぁ……」 どんなに汚されても、泣き崩れても、それでもウィルネは、ぞっとするほど美しい。 めまいがする。 「ミゲル…ニーナを呼んでこい」 「はぁ、はぁ…はい、アシュオウ様…」 部屋に戻って、1人でシーツをかぶって寝た。 国づくりに没頭した。 国を富ませ、精霊を増やす。 世界を豊かに、美しく繁栄させる。 次々に新しい政策や魔法技術の革新を打ち出し、リエルたちに検討させ、実行した。 いつもの古代知識の応用だ。それはたいてい成功し、世界を栄えさせた。精霊たちはますます俺の政治力を信頼し、尊敬を集めた。 世界と寝る。抱いて愛でる。 神である俺にしかできないことだ。永遠の繁栄を俺が約束してやる。 だから、俺に感謝しろ。ずっと俺のものでいろ。 「…アシュオウ様、よろしいでしょうか?」 「いいぞ」 今日の仕事を終えようとしていた頃、リエルが俺の執務室をノックした。いつもよりも、少し元気がないように見えた。 「どうかしたのか?」 「突然、申し訳ありません。じつは…私、お暇をいただきたいと思いまして」 「なんだと?」 リエルは口ごもりながら、目を逸らす。 「…私も、年を取りました。頭も体も、もう思うようには働きません。アシュオウ様のご迷惑になる前に、後進に道を譲るべきだと思いまして」 「ハッ、何をバカな」 リエルは相変わらず美しく若い。体の線にも表情にも艶があって、いつものタイトな衣装が俺の目を楽しませてくれる。 仕事ぶりにも文句はない。いい女だ。俺はコイツを気に入っている。 「最近では、部下の手を借りなければ満足のいく仕事もできません。私はもう…これ以上、役立たずにはなりたくないんです。アシュオウ様に、みっともない自分をお見せしたくないんです」 自嘲気味な表情から、大粒の涙がこぼれる。 彼女が何を言ってるのか、俺にはよくわからない。 人間の眼に、精霊の年齢はわからない。 「私は、アシュオウ様の下で、仕事を全うできたことを誇りに思います。子供も残さず死んでいくことに後悔はありません。だから、今までの仕事を自分の手で台無しにしたくないんです。どうかご理解ください。私にはもう、無理なんです」 あれから何年が経ったっていうんだ? 時間の感覚が、おかしくなっている気がする。 「バカなことを言うな。お前はまだまだ若い。これからも俺のために働け」 リエルは唇をきつく締め、胸元から一葉の紙を取り出した。 「私が、これはと思う者の名を何人か拾っておきました。私の仕事も、全て彼女たちに分散して引継ぎを終えています。私の代わりに、この者たちを使って、力を試してやってください。これを私の最後の仕事にしたいと思います」 「…リエル」 「申し訳ございません、アシュオウ様! 私はもう、アシュオウ様のご期待に添えそうもありません。本当に申し訳ございませ…きゃあ!?」 リエルの体を、床に引き倒す。女の匂いが、鼻孔に広がる。 胸を強引に引き裂いた。張りのある乳房が、ツンと上を向いている。若い。彼女の体は若い。 勝手なことを言うな。 「お前は俺のものだ。絶対に手放さないぞ」 「んんっ!」 口づけをすると、リエルの方からしがみついてきて、舌を差し込んできた。乱暴に服を脱がせ、強引に挿入しても、彼女は嬉しそうな声を上げ、俺を抱きしめてくる。 腰を、思い切り突き上げてくる。 「あぁ! ありがとうございます、アシュオウ様ッ! ありがとうございます!」 彼女らしからぬ積極さで、リエルは激しく乱れ、俺を求めてきた。 俺は夢中になって腰を動かした。ぬめりも、きつさも、最高だ。リエルも、声を張り上げて何度も達していた。 そして、彼女の中で放つ。体を大きく仰け反らせて、リエルが絶叫する。全力で抱き合った満足感が、いつまでも俺の腰を痺れさせていた。 「ハァッ、ハァッ、ハァッ…」 息を荒げるリエルの、汗と涙に濡れた頬を撫でる。 「…辞めるなんて言うな。ずっと俺のそばにいろ」 リエルの柔らかい肌。真っ直ぐな髪。ぽってりとした唇。揺れる瞳。 「お前が好きなんだ」 一瞬、リエルは驚いたように目を見開いた。 だが、すぐにいつもの困ったような顔に戻り、「あはは」と力なく笑った。 「……また……アシュオウ様にからかわれてしまいました……」 眠るようにリエルは目を閉じる。 俺の手の中で、そのまぶたの間からひとすじの涙が零れる。 大きく揺れていた彼女が胸が、ゆっくりと沈んでいき、一番低いところで止まった。 「……リエル?」 大広間に、女のうめき声が充満する。 数十名の女が、全裸で四つんばいになり、後ろから男が、その尻を犯している。 女は、子供を産まなくてならない。最低でも5人だ。月に一度はこうして未婚の男女にもセックスさせる。 結婚などどうでもいい。とにかく増やせ。子供を増やせ。オナホを増やせ。 「うぅ…! アシュオウ様! もうお許しください、アシュオウ様…ッ!」 犯される女たちは、屈辱と嫌悪感に泣き崩れる。 俺以外の男に、結婚前の体を抱かれることは、彼女たちにとってありえない汚れ。唇を噛み、自分の中を出し入れする男の感触に、吐き気をこらえている。 でも、ダメだ。誰であろうと必ず産め。これは生産だ。俺のためにオナホを産め。オナホでこの世を埋め尽くせ。 成人女性は、誕生月には必ずこの宮殿で、俺の見ている前で、同じ精霊の男に抱かれなくてはならない。 苦しいのは俺も同じだ。 「アシュオウ様! 見ないで、ください…! 汚れた自分を……見ないで…!」 シヴァ。 俺のシヴァ。 お前もいたのか。 めまいがする。 シヴァの引き締まった体が、知らない男に貫かれて、揺れている。 だが、耐えろ。 お前の血を受け継ぐ者が、俺には必要だ。 強く凛々しいお前を愛しているからこそ、俺はお前に子を産ませたいんだ。 「…泣くな、シヴァ。無事に妊娠したら、その後は何度でも抱いてやる。そんな男の精液など残らないほど、注ぎ込んでやる。お前の腹の中の子は、俺の子供だ。俺の子供を、お前が産め!」 「うぁぁッ…本当ですか、アシュオウ様。自分を、抱いていただけますか? こんな男の種で孕んだ自分を抱いて…アシュオウ様の子にしていただけますかッ!」 「あぁッ! だから、孕め! 女だ! お前にそっくりの、俺のオナホを孕め!」 「はい、孕みます! 必ずアシュオウ様のオナホを、孕んでみせます!」 ウソだ。そんなのデタラメだ。 シヴァが産むのは俺の子じゃない。 どこの誰かも知らないような、エルフのガキを彼女は産むんだ。 俺のシヴァが。 誰よりも強く忠実な、俺のシヴァが。 シヴァの尻を抱いている巻き毛の男が、俺にだらしない笑みを浮かべる。 「あぁ…ありがとうございます、アシュオウ様。必ず、彼女に私の種をつけてみせます…うぅっ、あのシヴァ殿を抱けるなんて、夢みたいだ…!」 「黙れ! 余計なことを言わないで、さっさとシヴァの中で射精しろ!」 「は、はい!」 俺は自分の陰茎を取り出して、シヴァの口の中に突っ込んだ。 「しゃぶれ、シヴァ! 俺のチンポだ! 俺のチンポをしゃぶってろ! 他のことは考えるな!」 そして、シヴァの尻を犯す巻き毛野郎の頬を、有無を言わさず殴りつける。 「止めるな! 続けろ! 俺に殴られてもセックスを続けろ! シヴァの中に射精するまで、死んでも止めるな!」 何度も何度も、俺は男を殴る。 シヴァが、俺のチンポを強く吸う。 シヴァ。シヴァ。 もっと吸え。愛してるぞ。愛してる。 拳の感覚がなくなっていく。 「ご無沙汰しておりました、アシュオウ様」 「おぉ、ニーナか。よく来たな」 嫁に出て以来、宮殿を離れていたニーナが、娘を連れて訪ねてきてくれた。 何ヶ月ぶりだろうか。あるいは何年ぶりだろうか。 ニーナの娘も、いつの間にか背も高くなっていた。ニーナと同じふわふわと波打つ髪を頭の上で縛って、まるで人形のような可愛らしさだった。 「突然、申し訳ありません。街でアシュオウ様の噂を耳にして、お顔を拝見したくなりまして」 「俺の顔? ははっ、変わり映えのないつまらない顔だろ?」 ニーナは、じっと俺の顔を見て、「…いえ、お元気そうで何よりです」と、昔と変わらない優しい笑みを浮かべた。 「最近、ますますお仕事がお忙しいようで、心配しておりました」 5人も子を産んで、すっかり母親も板についた彼女だが、ますます色香を増したその微笑みは、女としての魅力も強くしたようだった。 そして、彼女の後ろに半身を隠すようにして、恥ずかしそうに俺を見上げる娘も、母親によく似て、未成熟ながらもすでに十分な魅力を発していた。 「確か…マイカといったか。いくつになった?」 「はい、今年から中等科に進級しました。ほら、マイカ。あなた、アシュオウ様に挨拶がまだじゃない?」 ニーナに促され、マイカは恥ずかしそうに短いスカートの裾をつまみ、ちょこんと頭を下げた。 「…ご、ご機嫌うるわしゅう、アシュオウ様…」 すぐに顔を真っ赤にして、ニーナの後ろに隠れてしまう。年頃の娘らしい仕草に、思わず頬が緩む。 そして、疼く。 「そうか。それなら、もういろいろと勉強している頃だな」 ニーナは俺の言っている意味がわからないようで、首を傾げるようにしたが、すぐに理解したらしく、頬を赤らめ、戸惑いの表情を浮かべた。 「え、ええ。でも、まだまだ子供ですから…」 「いや、お前の娘なら大丈夫だろう。どうせなら、ニーナも一緒にどうだ? 2人とも俺の寝室に来い」 ニーナは、俯いた顔をすぐに上げて、いつもの笑顔を浮かべる。 「…はい」 俺は世話係の女を呼んで、寝室の準備をさせた。 全裸で登場した彼女たちにニーナは驚いたようだったが、「どうせ脱がせるなら、最初から裸でいても同じだろ?」と言ったら、「…そうですね」と頷いた。 「…んっ、んっ、あぁ、アシュオウ様…」 そして服を脱ぎ捨てたニーナは、ベッドの上で俺に跨り、娘の見ている前で大きく腰を揺すった。 「ニーナ、久しぶりだな。相変わらず、お前のマンコは具合がいいぞ」 「あぁッ、ありがとうございます、アシュオウ様! 私も、いいです! 夫のとは、全然違う! アシュオウ様のチンポ、すごくいいです! マイカ、見て! あなたもこうするのよ! アシュオウ様に、こうやって、喜んでいただくのよ!」 細く白いその裸体を隠すように枕を抱きしめ、マイカはコクコクと何度も頷いた。真っ赤になった顔を半分だけだして、俺たちの結合部に注目している。 「あぁ! アシュオウ様ぁ! イク、イクぅ!」 ぐいぃっと、強く俺のを締め付け、ニーナは達した。俺は彼女の中に大量の精液を放った。 馴染んだ体の抱き心地が、気持ちよかった。 「…さあ、次はマイカの番だぞ」 恥ずかしがって、なかなか動けないマイカを、ニーナが「…いらっしゃい」と抱き寄せて、ベッドに横にする。 ニーナと俺に挟まれた状態で仰向けにされ、マイカはどちらを向いていいのか、困ったように目を閉じた。 「キスをしてやる」 グッと力の入った唇に口づけをしてやった。そして、そのまま肌を撫で回した。 肉もなく、固さのある体だが、すべすべとした肌触りと白さは母親譲りだった。 「…力を抜いて、マイカ。まだキスだけよ。大丈夫」 ニーナが心配そうにマイカの髪を撫でる。マイカが小さな声で「…お母様」と呟く。 「大丈夫。大丈夫よ」 何度も髪を撫でるニーナの横で、俺はマイカの股間に手を伸ばした。ビクンと跳ねるマイカの小さな体。俺は無遠慮にそこをまさぐる。「うっ…うっ…」と自分の体の反応に戸惑うマイカの頬に、いたわるようなキスでニーナが音を立てる。 「尻をこっちへ向けるんだ」 ある程度、股が濡れたところで、マイカの体を横に向ける。そして、その小さな尻に俺のチンポをあてがった。 「お、お母様ぁ!」 恐がり、母親にしがみつく娘の頭を、何度も撫でてニーナは「大丈夫。力を抜いて」と抱きしめる。 俺は、マイカの中に少しずつ埋めていく。マイカは歯を軋ませる。 「私をしっかり抱きしめて。大丈夫よ、マイカ。お母様がここにいるから…!」 「う、あぁ、お母様! お母様! 痛いよう! いた、い…あぁッ!」 「マイカ…マイカッ」 ブチブチ、音がしそうなくらい固いマイカの中を割っていく。 やがて、これ以上は進めないところまで埋め込み、俺は一息ついた。 「入ったぞ。ニーナ、お前の娘の処女はいただいた」 「はい…ありがとうございます、アシュオウ様。ほら、マイカもお礼を言いなさい」 「あぐっ…はい。あ、ありがとう、ございます、アシュオウ様…」 「動くぞ」 「うぅぅッ!」 狭いマイカの中を往復する。俺を拒むように強い締め付けだが、何度か往き来するうちに、破瓜の血とは別の湿り気が膣の中に溢れ、スムーズに動けるようになっていく。 その頃には、マイカの反応も甘くなってきた。 「あ、あぁっ…あ、お母様、私、なんだか…あっ、あ、体が、あ、あったかく、なっ、あぁ、へん、だよぉっ」 「大丈夫よ、マイカ。そのまま、しっかり感じて。もうすぐ痛くなくなるから。私に掴まってなさい」 「あぁ! ふぅんっ、んっ、んっ、やだ…お母様、気持ちいい! 気持ちいいよぉ!」 マイカの体がグンと仰け反る。俺の動きに合わせるように腰を揺すりだす。 「あぁぁッ! お母様、気持ちいい! アシュオウ様のおチンポ、マイカの中でズンズン動いて、こすれて…気持ちいいよぉ! セックス、気持ちいいよぉ!」 「そうだろ、マイカ。さすがニーナの娘だ。お前はもう立派なオナホだ。俺のオナホだ」 「はいッ! マ、マイカは、アシュオウ様のオナホです! 性欲処理の、道具です! セックス、好きです! 気持ちいいですぅ! あぁ! あぁ! あぁーッ!」 可愛い声をあげるマイカの尻を犯していく。 マイカは、母親と俺に強く挟まれたまま、初めての悦びに震える。 俺は、その小さな尻にありったけの精を注ぎ込む。 ニーナは、娘を抱きしめる。 「アシュオウ様ぁ」 体を交えたあとは、すっかり俺に馴染んでしまったマイカが、甘えた声を出して体をすり寄せてくる。 子猫のような可愛さだった。 「どうだ、ニーナ。この子を俺に預けてみないか?」 「え?」 「お前たちを嫁に出したあと、どんな娘を世話係にしてもイマイチ馴染まなくてな。だがマイカならお前の娘だし、育て甲斐がありそうだ」 「でも、この子にはまだ学校が…」 「心配するな。ちゃんと昼間は学校に行かせてやる。放課後と夜の相手だけしてくれればいい。それに、それを言うならお前たちだって、まだ学生の頃からだっただろう?」 俺たちの会話を、目をキラキラさせて聞いていたマイカが、母親にしがみつく。 「ね、お母様、お願い! アシュオウ様の言うとおりにして! 私、ちゃんとオナホできるから! アシュオウ様のおそばでオナホしたいの! ねぇ、お母様、いいでしょう!?」 ニーナは、無邪気な喜びを隠そうともしない娘に困ったような顔を見せたが、すぐにまた、いつもの微笑みを浮かべた。 「わかったわ。その代わり、ちゃんと学校の勉強もするのよ」 「やったぁ!」 両手を挙げて喜ぶマイカ。 まだまだ子供っぽいその笑顔に、俺も思わず頬が緩む。 「よし、マイカ。こっちに来い。フェラチオは知っているな?」 「はい! もちろん、知ってますよ! へへっ…あーむ」 小さな体を俺の足の間で丸めて、俺の陰茎を躊躇なく口の奥深くまで咥える。 狭くて、体温の高い感触に、ぞくりと快感が駆け上がる。 俺はマイカにフェラの手順を教えてやる。さすがにニーナの娘は飲み込みが早い。楽しめる。 「…アシュオウ様」 ベッドの上に正座したニーナが、真剣な面持ちを俺に向けていた。 「私は、お優しくて聡明なアシュオウ様にお仕えしてきた日々のことを、一日足りとも忘れたことはありません。世界で一番幸せな女だったと、今でもそう思っています」 「ん?」 「どうか、私の娘を…娘たちのことを、よろしくお願いいたします」 バカに丁寧なニーナの態度に、俺は苦笑を浮かべながら、「任せておけ」とチンポを咥えるマイカの頭を撫でる。 久しぶりに気に入りそうなオナホを手に入れて、俺は機嫌が良かった。 ペット部屋で、動かなくなったチムの周りで、エイミとミミとモモが泣いていた。 「アシュオウ様! 気持ちいいです! 私を犯してくださって、感謝申し上げます!」 「あぁッ! 入ってくる! アシュオウ様のチンポが、オナホの私の中へ…! はぁッ、素敵! アシュオウ様、ありがとうございます!」 「れろっ…ぴちゃ、ちゅぷ、アシュオウ様ぁ……私の書類に、たっぷり精液決裁くださって、ありがとうございますぅ…おいひい、おいしいよぉ」 宮殿で働く職員は、全裸でなければならない。 オナホの職務を最優先するためだ。他の仕事中でも、机の上でも、俺が命じればいつでも股を広げてマンコを濡らすことが、エリートである彼女たちの勤めだ。 セックスだけで十分だった。 政治のことは、俺より優秀な頭脳を持った彼女たちが勝手に進めてくれる。俺が続けてきた古代文明の真似ごとを、彼女たちはより魔法文明に適合した、斬新な施策と技術に進化させている。 リエルは俺のために優秀な職員を育ててくれていたようだ。俺はただ褒美としてのセックスを彼女たちにしてやればいい。 そうすれば、彼女たちも喜ぶ。うまくいく。 俺の口出しできることなど、何もない。 「アシュオウ様! いいです! もっとっ、もっとチンポをお恵みください!」 「ダメ、お姉ちゃん! 次、私だよ! アシュオウ様のおチンポ、私の番だからね!」 「やーん! こっちです、アシュオウ様ぁ! 次はこのお尻に、おチンポくださいー!」 国民は、俺に出会ったら必ず下着を脱いで尻を向けなければならない。 俺のオナホにすぎない民に、公平にセックスを与えてやるのが、王である俺の大事な仕事だ。 街を行く俺の前に、女どもは競って尻を出して並べる。妊婦だろうが学生だろうが、道ばたで、店先で、片っ端から犯してやった。 俺に犯されるだけで、オナホどもは大喜びだ。 学校で犯す。団らんで犯す。結婚式で犯す。職場で犯す。どこだろうが犯す。 俺の国内視察など、もう無用だ。 シヴァ率いる最強の軍勢が常に俺と俺の王国を守ってくれている。リオたちは今でも俺のために世界中の亜種を洗脳しまくっている。俺よりはるかに頭のいい彼女たちが素晴らしい世界を築いてくれている。 いくじなしの人間どもは、相変わらず精霊様が畏れ多くて、ちっぽけな集落にコソコソ隠れて生きてるそうだ。 あァ、なんて素晴らしい。 俺には敵すらいない。何もすることがない。セックスしかない。 喜べ、オナホども。今日も俺がたっぷり愛してやる。 お前たちの神である俺が、お前たちを全員、愛してやるぞ。 宮殿に戻って、オナホに背中を流させ、オナホに体を拭かせ、オナホに着替えを手伝わせる。 尻を犯し、口を犯し、マンコを次々に犯してやる。 オナホにメシを運ばせ、口移しで食べさせ、グラス代わりにオナホの股に酒を注いですする。 歌って踊らせ、レズビアンショーをやらせて、街のオナホを適当に連れてこさせ、裸にして並べ、気に入れば宮殿に召し上げてやる。 宮殿中のオナホを集め、全員で奉仕させ、俺の精液を賭けた競争をやらせて、必死な様を眺めて遊ぶ。 エルフの貴族の娘たちを集めて、尻出しドレスでパーティーを開く。 ウサギには耳コキ、イヌには舌で、ウシには乳で、オナホ奉仕の教科書を作らせ学校で教育させる。 宮殿の前には、俺に懐妊の知らせと、そのご褒美である中出しセックスをねだる女で行列だ。 俺は犯す。とにかく犯す。 泥のように疲れ切って、何も考えられなくなるまでオナホを犯す。 毎日遅くまで、俺はクタクタになるまでセックスして、大勢のオナホに添い寝させて眠りにつく。 夢の中で若い頃の俺に会った。 野良犬みたいに卑しい顔をした俺だ。 そいつは遺跡のPC席に座り、俺に向かっていやらしい笑みを浮かべて言う。 『オナニー道具になってるのは、お前の方じゃないのか?』 「…あぁ、似ている。母親にそっくりだな」 頭のてっぺんから爪先まで、舐めるように眺める俺の視線に、ソフィエは頬を染めた。 彼女は、ずっと男子しか産まれなかったウィルネの待望の女子。流れるような金髪も、秘宝石のような緑色の瞳も、ウィルネと同じだった。 「俺が、今までお前を抱かずにいたのは、この日のためだ。自分の役割はわかっているな?」 「はい、アシュオウ様。どうぞよろしくお願いします」 薄いローブを床に落とす。素裸になった彼女の肌は、輝くばかりだ。 ウィルネに生き写しの処女のエルフ。俺は生唾を飲み込んだ。 「…行くぞ」 「はい」 宮殿の扉を開け放って、外に出る。そこにはすでに、万を超す女だけの民衆が集まっていた。 そして、俺たちの登場に、一斉に歓声を上げた。 驚いて体を震わせるソフィエの肩を抱き、俺は彼女たちの間を割って歩く。そして中央に設けられたステージに2人で上る。 俺が手で制すると、民衆のざわめきがピタリと止む。俺の声を増幅する、風の魔法で作ったマイクに俺は口を寄せる。 「──俺はアシュオウ。お前たちの神だ」 割れんばかりの歓声と拍手が沸き、風を震わせた。 精霊の女たちの、しびれるような美声を、俺は全身に受け止める。 「今日は、我が国の建国祭によく集まってくれた。我が国がここまで栄えたのは、全て皆のおかげだ。心から感謝する」 感動のため息と、俺に捧げる感謝の言葉がこだまする。 端が見えないほどの聴衆が俺に応える様は、壮観だ。 どこまでも従順な、俺だけの民。 「…全ては、あの森で始まった。ただの偶然だった。俺はそこに2人のエルフと連れだって、道に迷い、たまたま見つけた遺跡の穴に落っこちて、世界を裏側から覗いてしまった。あんなことがなかったら、あの奇跡がなかったら、俺はきっと、田舎の酒場で不味い酒でも飲んで、愚痴を垂れ続けて、そして、どこかで野垂れ死にでもしてたんだろう。とっくの昔に」 俺が何を言っているのか、彼女たちにわかるはずもない。 それでも、真剣に俺の話に耳をすませる素直な民衆に、あきれて笑ってしまう。 「つまらない話は、ここまでだ。紹介しよう。彼女はソフィエ。奇跡に俺を導いてくれたエルフの1人で、天上の双姫と謳われたウィルネの娘、ソフィエだ」 大喝采が彼女を祝福する。 隠しようのない裸体を赤く染めて、ソフィエは体を硬くする。 俺は彼女の肩を抱き、そしてマイクに向かって宣言する。 「今から、俺が彼女の処女マンコをぶち抜く。彼女は俺に犯されながら、世界憲法を読み上げる。みんな、彼女に続いて唱和してくれ」 はい、アシュオウ様。 人の波が答える。 俺はソフィエの背中を撫でて、彼女の美しい体を前に出す。 「前屈みになって、演台に手をつけ。俺に向かって尻を突き出すんだ」 「は、はい」 素直に、大勢の前であられもない格好を見せるソフィエに、俺はボイコンのスイッチを入れる。 「 “動くな。お前の体はそのまま動かない” 」 「え、あ…あぁっ?」 「慌てなくてもいい。大丈夫だ。じっとして、力を抜け」 「は、はい…」 ソフィエの尻を撫でる。すべすべとして、どこにも障りのない完璧な肌。こうして見下ろすと、森の匂いまで思い出しそうだ。 「 “俺に触れられると、お前は感じる。性の快楽に全神経が蕩ける” 」 「あっ…? あ、あっ、あぁっ、アシュオウ様!」 尻に熱が帯びる。素直に反応する体を、俺はじっくりと楽しむ。ソフィエの蕩けた顔に、前の方にいる民衆からため息が漏れる。 「いくぞ」 「はい…アシュオウ様っ、あぁ、どうか、私の処女孔を、アシュオウ様のチンポで破ってください! 私を…みんなの見ている前で、アシュオウ様のオナホにしてください…!」 ぐぐっと、狭い処女の場所を割り入っていく。 ソフィエが悲鳴をあげる。だが、トロトロに蒸れたそこは、少しばかりの抵抗を見せたあと、すぐに素直に俺のを飲み込んでいく。そして俺の先端が最奥を叩くと、ソフィエはひときわ高い声を上げる。 大観衆の拍手と、うっとりとしたため息が、俺たちの結合を祝った。 「動くぞ、ソフィエ」 「はい! あぁ、アシュオウ様のチンポが、私のマンコを擦ってるッ! あぁ、嬉しい! 私、アシュオウ様のオナホになれて嬉しい! 気持ちいい! あぁ、お母様! 見てますか、お母様ぁ!」 感激の涙を流すソフィエの耳元で、囁く。 「ソフィエ、自分の仕事を忘れるな」 「あぁ、申し訳ありません、アシュオウ様! せ、世界憲法唱和! 憲法、唱和ですぅ!」 マイクを震わすソフィエの叫びに、民衆が姿勢を正す。 「ひとつ! 我々精霊は、んんっ、アシュオウ様の、オナホです!」 精霊は俺のオナホ。数十万か、それ以上いるだろう聴衆が、一斉に同じ言葉を唱える。 まるで号砲のようだ。 「ひとつ! アシュオウ様のオナホは、あっ、アシュオウ様の、せ、性欲処理のための道具ですぅ!」 オナホは俺の性欲処理の道具。青空に響く唱和を、俺は両手を開いて受け止める。 「ひとつ! アシュオウ様の喜びが、お、オナホの喜びですぅ! これ以上の幸せは、ありません!」 響く。大地が俺への忠誠の言葉で揺れる。 歓びで体が震える。 「 “みんな、脱げ! 服を脱いでオナニーしろ! この喜びを、お前たちにも分けてやる!” 」 沸き上がる歓声。天高く脱ぎ捨てられる彼女たちの衣服。 魔法で彩られた花火が、青空に縦横の軌跡を描き、全精霊に祝福の大輪を咲かせる。 驚きと、それに続く笑い声。幸福な笑顔が並ぶ。 「ひとつ! オナホは、アシュオウ様の命令にはいつどんなときでも従い、疑問は持ちません!」 人々は同じ言葉を叫びながら、自慰を始める。 巨大な象が連れてこられ、ソフィエを犯す俺のステージに繋がれる。そして、民衆を割るようにゆっくりと進み出す。 「 “イけッ、好きなだけイけ! 全ての民は俺のものだ! 世界は俺のものだ! エクスタシーで祝福しろ。お前たちは俺に愛されている! 1人残らず、愛している!” 」 歓喜は絶叫となり、絶頂は地響きになる。大地を埋め尽くす白い裸体が俺に愛と忠誠を誓い、股間から潮を吹く。妊婦も、学生も、親子も、俺に体を見せつけながら、絶頂していく。 全裸の警備隊が、微笑みを浮かべて俺たちの周りを歩く。 ソフィエを犯しながら、ゆっくりと俺たちを乗せたステージは宮殿の庭も出て、花火のアーチをくぐりながら、市街地へ進む。 どこもかしこも、精霊の女たちで埋め尽くされていた。 自慰をする万の民。 「あぁッ! アシュオウ様! みんなが、私たちを見てます! 処女マンコを捧げて、初めてのオナホになった私を、こんなに、たくさんの人たちがッ…あぁ! あぁぁッ」 「ソフィエ…!」 まだ少女の名残もある白く丸い尻。引き締まった胴の下で、張りのある乳房が俺の動きに合わせて揺れている。 まるっきり、あの頃のウィルネに生き写しだ。あの森のウィルネに。美しく気高いウィルネに。 興奮する。快楽が俺を震わせる。 俺は彼女の長い耳に、そっと囁く。 「ソフィエ───、オナホをやめろ」 その瞬間、だらしなく快楽に喘いでいたソフィエの喉が引き攣り、驚愕に目を見開いた。 「いやあああああッ!?」 彼女に挿入したままの、俺のチンポまでビリビリ響く悲鳴。 しかし、今は万を超す民衆のエクスタシーに、その叫びもかき消される。 「いやッ! いやぁッ!? なに、これ!? いやっ、誰か、助けて! か、体が動かないのっ! やめてっ! やだ、やだぁ! 誰か、助けてぇ!」 抵抗もできない彼女の体を、俺は犯す。 華やかに彩られた街中が俺たちを祝福し、民が絶頂の飛沫を上げる。 飛び交う魔法の花火。跳びはねる魔法の風船。 助けを求めるソフィエの悲鳴に、俺は腹の底から歓びに感じ、全身を震わせる。 「愛してる! 愛してるぞ、ソフィエ! 俺はお前を愛している!」 「痛いッ、痛い、痛い! ぬ、抜いて! 私から離れて! あぁ、このヘンタイ! やめて! やめてったらぁ!」 「あぁ、俺は変態だ! 最低の変態だ! ど助平で、卑劣で、不細工で、頭のおかしいセックス狂いだ! お前たちを犯しまくる淫乱でどん欲なモンスターだぞ! 愛してる! 愛してるぞ、ソフィエ! 愛してる!」 「いやあっ! だ、誰か! お願い、助けて! ど、どうして誰も助けてくれないの! 助けて、助けてぇ!」 歓声と、絶頂の悲鳴が鳴り響く。 性の匂いにあふれる街。 ソフィエの尻を犯す俺を、ゆっくりと巨大な象が引いていく。俺はみんなに口づけを飛ばす。絶頂に達していく女たち。その体を乗り越えるようにして、次々に精霊の女たちが俺に詰め寄り、その絶頂を見せつけていく。 「た、助けてぇ…! うぅっ、誰か…誰かお願い、助けてくださいぃッ!」 ギュウギュウと俺のを締め付けてくるソフィエのそこは、彼女の怒りと快楽と絶望の入り交じった極上のスープをかき混ぜるようで、その熱さも固さも、全て俺の悦びに変わる。 俺に貫かれて破瓜の血を流すソフィエに、誰もが羨望の眼差しを浮かべ、尻や股間を俺に突き出し、潮を吹いて絶頂していく。 美しい。 あまりの美しさに、俺は泣く。 「俺はアシュオウ! ただの人間だ! お前たちの大嫌いなニンゲンだ! でも、愛してる! 俺はお前たちを愛してる!」 百万の絶頂が俺を祝福する。 泣き叫ぶソフィエ。次々に倒れていく女たち。 気持ちいい。気持ちいい。 俺は泣く。ソフィエの白い尻の上に射精する。叫ぶ。 みんなが絶頂する。世界が果てしなく絶頂していく。 ウィルネも、ニーナも、リエルも、チムもミミもエイミもモモもシヴァもリオもマイカも絶頂する。エクスタシーに世界が震える。 美しい。なんて美しいこの世界。 愛してる。 「……あ、起こしてしまいましたか?」 窓から入り込むまぶしさに、重たい目をこする。 いつのまにか、うたたねをしてしまったようだ。窓辺に立つ少女の姿に、夢の中の光景を重ねて、まぶたを擦る。椅子に座ったまま眠ってしまったらしく、首が少し凝っていた。 「あぁ──、夢を見ていたよ」 俺の声に上機嫌を聞き取ったのか、少女は嬉しそうに「どんな夢ですか?」と、可愛く首を傾げる。 「昔の夢だ。お前の祖母たちも出てきた」 「わあ、お祖母様たちが?」 「あれは、まだ学生だった頃の2人だ。俺たちは森の中にいて、一緒に冒険していた。2人とも若くて美しかったぞ。ユイ、お前のように」 ユイは頬を染めて、少女らしい仕草で微笑む。 大きくはっきりとした蒼い瞳。柔らかく動く唇。波を打つ金色の髪は、彼女の両祖母であるウィルネとニーナの髪をぴったり合わせたかのようで、仲の良かったあの2人が、いつもどこかお揃いの服やアクセサリーを身につけていたことを思い出させ、懐かしい気持ちになる。 祖母たちの顔を知らない彼女は、天上の双姫と呼ばれた2人のことを敬愛していて、彼女たちの話をしてやると、嬉しそうな顔をした。 そしてその笑顔は、いつも俺の胸を暖かくしてくれた。 「…あっ」 ふと、ユイが驚きの声を上げた。 視線の先には俺の股間があって、そこがローブの下から盛り上がっているのに俺もようやく気づいて、少し驚いた。 さっきまで見ていた夢のせいだろうか。 「し、失礼します、アシュオウ様っ」 ユイは素早く俺に駆け寄り、足の間にしゃがむ。そして気忙しく俺のローブを開いて、股間に顔を埋める。 「あーん…んっ、んぐっ、じゅぶっ、はぁ、ふふっ、久しぶりです、んん、アシュオウ様」 ご褒美を貰った子供みたいに、ユイは目を弓形に細める。無垢な少女の顔をしておきながら、器用で献身的な、ねっとりとしたいやらしい舌の蠢き。 確かに、何年ぶりだろう。ぞくりとした、この快感が俺の腰を痺れさせるのは。 「んむ、ちゅぶ、ちゅぶ、じゅるる、んっ、んっ、んっ、んっ」 強く吸われて、思わず声が漏れる。その柔らかい髪を撫でつけ、梳くように指を通す。 皺だらけの俺の手が、彼女の美しい髪を乱す。 しかし、ピークはすぐに訪れる。老木が花を咲かせず折れるように、俺の快感は一滴のしずくも流さないうちに、彼女の口の中で萎れていく。 「んんっ! んっ! じゅぶ! じゅぶぶ! れろ、れろ、ちゅっ、ちゅぶぅ」 必死で快楽を繋ぎ止めようとする、ユイの小さな頭を撫でてやる。 ダメなんだ。俺はもう。 「もういい。口を離していいぞ」 「……ふぁい」 ユイは、よだれに濡れた唇を手の甲で拭いて、泣きそうな顔を伏せた。 「申し訳ございません、アシュオウ様。私が下手くそだから…」 「いや、違う。ユイの奉仕は気持ちよかったぞ。さすがウィルネとニーナの孫だ。ダメなのは、俺の方だ」 今にも泣きそうな彼女の頭を撫でる。 目を閉じて、俺の愛撫を受け止めるユイ。まるで孫を撫でるようだ。 彼女はいつも花の匂いがする。白いワンピースがよく似合っている。 「いい子だ、ユイ。窓の外を見せてくれ」 「はい」 ユイが俺の後ろに回って椅子を押す。ゆっくりと車輪が回転を始め、俺の体ごと運ばれていく。 カンフルを止めた体は、その効き目が切れた頃から、急激に老化を始めた。今の俺の身体は、枯れ落ちそうなほどに萎れた老人だった。 しかし、精霊たちはこんな俺を変わらずに愛してくれる。 窓の向こうの世界も、どこまでも輝いている。 「…きれいだ」 今日も花は咲き誇り、緑に溶け込んだ街は光に満ちていた。 森と湖はその光と交わり、風がそれを優しく包み込み、澄み切った空気が、どこまでも続くその調和を、この弱り切った俺の目にも鮮やかに映しだす。 遠く、宇宙までも覗けてしまいそうなほどだ。 この星の美しさは、きっと、どこまでも遠く、宇宙の果てまで届いているに違いない。 「美しい。全てお前たちのものだ。これはお前たちの世界だ」 頬を熱いものが伝う。心が震えて、喉が詰まる。 完璧だ。世界は美しい。俺がここに手を加えられるものは何もない。 俺に出来ることは、ただこの美しさに圧倒され、心から感動し、打ちのめされて涙と鼻汁を垂らすことだけだ。 「…アシュオウ様」 ユイが屈んで、俺の涙を舌ですくう。 固くなった俺の皮膚に、柔らかい少女の舌は、絹よりも優しい。 彼女たちは、どこまでも俺に優しい。 「ユイ、これで最期だ」 舌が止まった。ユイが俺から顔を離して、整った眉をキュウとしかめた。 「俺はもう死ぬ。前から言っていたとおりにしてくれ」 ユイの汚れない大きな瞳に、音も立てずに水が溢れ、ポロポロと頬を伝っていく。 「…私も、一緒に行ってはいけませんか?」 何度も言ったのに、ユイは同じことを繰り返す。 愛おしさに胸が詰まる。 「ダメだ。俺1人で行く」 「お願いです。そんなのイヤです。アシュオウ様の最期のその時まで、その後も、ずっとお世話をするのが私の仕事です。連れて行ってください」 「何度も言わせるな。ダメだ」 「アシュオウ様を、たったお一人で休ませるなんて、そんなことをしたら、私がお祖母様たちに叱られます! 私は、最初からその覚悟でお仕えしていました! ユイは、アシュオウ様に命を捧げております! 私は、アシュオウ様のオナホ───」 「 “ユイ、お前はネコだ” 」 「にゃ?」 小首を傾げて、俺をキョトンと見上げるユイ。 その喉をくすぐってやると、嬉しそうに目を細めて、ユイは俺の足に頭を擦りつけてきた。 何もかも、俺の思いどおり。 俺に全てを捧げ、体も意志も心も俺に預ける亜種の女たち。 どんなに凌辱しても、彼女たちの美しさは変わらない。 どれだけ酷いやり方で犯しても、屈辱を与えても、彼女たちの真っ直ぐな純粋さは汚れを知らず、むしろ気高く輝く。 人間に生まれてよかった。 この美しさを真に理解できる、醜い人間に生まれてよかった。 神を気取って過ごした長い年月が、俺に神の秘密を教えてくれた。 この、醜く驕りと劣等感に塗れた汚い性根こそが、神の正体なんだ。 だからこそ美しく永遠のものに憧れ、創造する。自分自身の手で汚しておきながら、飽きたらずに美を求める。 俺の仕事は、人の醜い心が最後に創った、この楽園の美しさを見届けることだったんだ。 俺は、この世界の一部にもなれない。 それがわかったから、俺は醜く老いることにした。負けを認めて、人間に相応しく醜く年を取り、死ぬ覚悟がついた。 俺のちっぽけな悪あがきも、これで終わりだ。 今ならわかる。 最初に人間を作った神様ってのも、さぞかし醜い顔と心の持ち主だったに違いない。 「うにゃにゃ」 下着もあらわに、床に背を擦りつけながら、俺の足を甘噛みするユイの可愛らしい仕草に頬が緩む。 どんな姿を晒しても、彼女の美しさは一片も損なわれることはない。無垢な魂の神々しさに心を打たれる。 俺はボイコンのスイッチを入れた。 「 “ユイ、元に戻れ” 」 「…あれ?」 周りを見渡して、自分が何をしてるのか気づいて、ユイは慌てて起き上がって、あたふたと狼狽える。 「あ、あのっ、すみません、アシュオウ様! 私ったら、こんな時にいったい何を───」 「 “いい。気にするな” 」 「はい」 素直に頷くユイの頭を撫でる。 誰よりも幸せな生涯だった。満足した。 ひとつだけ気がかりなのは、俺がいなくなったあとの彼女たちのことだ。 俺の最後の我が侭が、彼女たちの美しさが永遠であって欲しいと願っているから。 「ユイ、お前に頼みたいことがある」 「なんなりとお申し付けください、アシュオウ様…」 ユイの頭を両手で抱きしめる。 その小さな頭に、俺の最後の願いを、ありったけ注ぎ込む。 醜い神が、必要だ。 かつての人間がそうだったように、神のいない時代が続けば、お前たちもいずれ心に老いが訪れ、自分の中に醜く傲慢な神を作るだろう。そしてそれは、この世界の美しさに自ら嫉妬し、自分たちの手で壊してしまうに違いない。 その汚れを引き受け、美に殉ずる神が必要なんだ。 醜い君臨者のみが、お前たちの美しさを真に理解する。 憎悪と、欲望と、執念が必要だ。 多少の運も、知恵も、感性も必要だ。 俺にはその資格があった。だからこそ神になれた。 だが、俺はここで退場する。 この世界を愛し疲れてしまった俺に、これ以上はもう無理だ。 せめて、最期に責任を果たそう。 俺の老いぼれた肉体は、遺跡の下に捨てる。 そしてあの扉の向こうで、次の神を導いてみせよう。 「俺が言うことをよく覚えて、語り継いでくれ。いつまでも、お前たちの子の子の世代にも、ずっと」 ここに、鍵を残しておくから。 「神の再来を願って!」 「我らバイブとオナホに祝福を!」 「グラスを鳴らせ! 雷のように!」 酒場に、木製グラスの音が鳴る。 精霊の男たちが、口々に同じことを言って、グラスを掲げる。あちこちで、うるさくグラスがかち合う音が鳴り響く。 建国祭の夜だった。 死の間際、アシュオウは憲法からも風習からも破廉恥さを取り去っている。今ではこの建国祭も、歌と踊りと酒で騒ぐだけの、ただの祭りだ。 7つある国の1つ、世界政府の首都から4、5日ほど離れたところにあるこの小さな街でも、人々は夜遅くまでグラスを鳴らし、かつてアシュオウと呼ばれた神の偉業を讃えていた。 アシュオウが死んで4百年が経つ。 ある日突然、王としてその姿を現わし、精霊たちを従えて世界に繁栄と技術をもたらしたアシュオウは、死後も神と呼ばれ、精霊の世界に信仰を作り上げていた。 精霊の世界はあれからも栄え、豊かになっていた。特にアシュオウのいた時代に、それまで稀少だったエルフの数が爆発的に増え、彼らの能力が社会を牽引し、飛躍的に成長した。 昔はエルフなど見られなかったこの街にも、今では普通にエルフがいる。この酒場にも、その特徴的な耳を揺らして談笑する姿が見られる。 彼らによって産業は振興し、開拓は進められた。 能力の優れた彼らが条件のいい仕事や立場を独占し、結果的にそれ以外の精霊との格差を生じさせたが、そのことが逆に、彼らすら従えていた神の再来を待望させ、民の信仰心をより強くさせていた。 ボイスコントローラーはとうに失われているが、かつてリオたちが行っていた洗脳の旅は、伝える言葉と世代を代えて、今はアシュオウの功績を神の物語として伝える宣教の旅となり、「バイブ」と「オナホ」は神の敬虔な信者を指す言葉になった。 アシュオウの洗脳は、今も神の信仰に形を変えて世界を支配している。 彼が最初に降り立ったといわれる森の近くにあるこの街では、余計にその信仰心が強かった。 そして、新しく信仰が生まれ、精霊の数が増え、前よりも豊かになった世界で、人間だけがその数を減らしていた。 集落は廃れ、やがて完全に人間という種族が消えてしまうのは目に見えていたが、精霊は自分たちのツケを回すのに忙しく、彼らの保護などに構っていられない。 むしろ積極的に人間は迫害されていた。 心に醜い鬱憤を抱え始めた今の精霊は、少数種族の人間にあたることに、捌け口を求めていた。 祭りの夜で満員の酒場に、人間の席など用意されるはずもなかった。 「邪魔だよ、ニンゲン野郎」 床に這うようにしていた人間の男を、忙しそうにグラスを運ぶ給仕が蹴飛ばした。 男は、無言で体をずらす。精霊の男たちは、まるで捨て猫のような格好のその人間の男と、ネコの耳を持った給仕を揶揄して笑う。 それも聞こえないように、男は無言で床に広げた地図を睨み続けていた。 そこにはこのあたり一帯の森と、遺跡の場所と、それを塗りつぶした印が描かれている。 変わった男だった。 この精霊の街で暮らすただ1人の人間で、無口で陰気な男だった。 体は汚れ、顔もキズだらけ。よく1人で森を歩き回っている。 アシュオウの探索隊以来、街に遺跡探索などの仕事もなくなり、森の中にも精霊たちの生活圏が拡がり、奥の未開地ではモンスターが荒れ狂っている。魔法もろくに使えない人間に、奥地の探索は自殺行為ともいえた。 なのに、男はその無謀をやめない。彼の薄気味悪さと愚かさを精霊たちは笑う。祝いの夜に席も与えられない彼に、つまみを投げつけ、あざ笑う。 それでも男は、黙ってその屈辱に耐えていた。 取り憑かれたように、地図の上に視線を走らせるだけだった。 やがて精霊たちは、別の給仕に愛想を振りまき、男をからかうことなど忘れてしまう。 男は、ゆっくりと顔を上げた。 うす汚れた顔で、そこだけが異様に輝く瞳だった。 睨む相手は、ただの壁だ。 壁に掛けられたプレートを、恨みを込めて睨みつけている。 男には、神の姿がはっきりと見えていた。 そこに刻まれた神話の主が、男の頭上から悠然と睨み返している。 祭りの宴の中、2人の男が静かに対峙を続ける。 やがて男は、手の上に魔法の雷を遊ばせ、床に広げた地図に視線を戻す。 酒場は、夜が深まるにつれ喧噪を増していく。 精霊は口々に神を称え、乾杯を重ねる。踏みにじられ、神に復讐を誓う男が床を這う。 神の宴は、いつまでも続く。 最初、悪食の神がいた。 神は地上を食べ尽くし、身動きできぬ巨体となった。 それでも満足できぬ神は、人間を作って食べ物を集めさせた。 しかし人間は神の命令に背き、自分勝手に暮らし始めた。 次に神は、精霊を作って食べ物を集めさせた。 精霊は神のために働いた。 自然と水を守り、育て、美しい世界を作った。 悪食の神は、世界の美しさに心を打たれ、食べるのをやめた。 そして神と精霊は愛し合い、神は精霊の王となった。 精霊は数を増やし、さらに豊かになり、王の下で幸福に過ごした。 しかし、やがて精霊のために力を使い果たした神は、地上にいられなくなった。 神は、再来を約束する言葉を精霊に残し、地の底に潜った。 精霊はおおいに泣き、神を讃え、見送った。 “雷が扉を叩くとき、神は再び訪れる” 全ての精霊は、その日を待つと誓った。 < 完 >
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