■日本経済に潜む“第二の東芝”
「僕に数々の“粉飾テクニック”を教えてくれたのは、会社によって粉飾をさせられている側の人――つまり、内部告発者でした。なぜリスクを冒してまで情報提供してくれたのかを聞くと、『こんなことを続けていれば、日本が駄目になってしまうから』と。それがもう20年前の話です。その情報提供者から託された資料が僕の手元には電話帳5冊分ぐらいあって、日本中の企業の名前が挙がっている」
そうなると、東芝の次に爆発しそうな企業はどこか。
「もう企業レベルの問題ではありません。それこそ不発弾のように、東日本大震災やトランプ政権の発足など、予測のできない刺激ですぐに爆発する。日経新聞のスクープですが、金融庁が地方銀行に、外債の運用損に関する特別検査を実施することになりましたよね。あれはきっと、連鎖で爆発しますよ。それよりもヤバそうなのが日本橋本石町。緩和のし過ぎで、株式関連のポートフォリオ(資産構成)が急激に増えた。この国の中央銀行は、いつ爆発してもおかしくない危険な状況です」
小説の衝撃的なラストまで、現実になりそうなのである。
デイリー新潮編集部
新潮社
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