武蔵新田を散歩しました / 新田神社は破魔矢の元祖
- 更新日: 2017/03/21
商店街の金魚屋さん。
こんにちは、ヤスノリです。
今日は、東急多摩川線、武蔵新田(むさしにった)に来ております。
ナントカ新田っていう地名は大体江戸時代にどっかの金持ちによって拓かれた新しい土地だったりするんですけど、この駅名はそうではなくて「新田神社(にったじんじゃ)」っていう神社から来ています。だから読みも「にった」なんですね。
「にった」と聞いてみなさん思い出すのは、太平記に出てくる新田義貞だと思うのですが……
それが実は正解でして、新田義貞の次男、新田義興が祀られている神社です。南北朝時代からあるヤベー神社となっております。
あとここ、破魔矢の発祥の地なんですって。あとで行きます。
さて、武蔵新田のある東急多摩川線沿線は、知る人ぞ知る味わい深い、住みやすいエリアが揃っているんですね。どの駅もだいたい共通しており、キーは3つ。「駅近くにローカルローカルした賑やかな商店街」「いい感じの住宅街」そして「多摩川の河川敷」です。
今日降りた武蔵新田もご多分に漏れず、
駅前は賑やか、
閑静な住宅街、
あと多摩川ももちろんあるんですけど、多摩川は今回行きませんでした。だって鵜の木でも下丸子でも行きましたし、もういいかなって。そんなに変わんないですし。行ってないですけど、おそらく、水が、流れています。
というわけで、武蔵新田、スタートです。
降りました。用はないです。
降りてすぐなんですけど、駅横の古き良きパン屋さんが最高です。
見て、看板のぜいたくな使い方。真ん中のいいとこにしか文字書きませんよ。看板の一番搾りです。
ところで、武蔵新田の東側はすぐ環八なのですが、
環八に抜ける門の名前が「むさしにった発展門」
意識が高い!
その隣にあるラーメン屋が「ラーメン日本一」
意識が高い!
そして環八に出てすぐのラーメン屋が「ビッグ」
意識が、高いよ!
さて、環八の反対側、西へ向かうメインのほうの商店街はこんな感じです。
大体大丈夫です。大体大丈夫な商店街です。賑わっております。
まいばすけっと、こんなゲートありましたっけ。ポップ体のゲート通りたくないなあ。
あれ、八福神? 一人多くない?
「八人目の福の神は、大切なお客様です」
俺がカウントされてた。
輪投げの絵が個性的。
そうそう、線路沿いに比較的新しい社があって、多摩川七福神。
2014年に大田区のまちおこしプロジェクトとして新たに設置されたものです。いろんな場所に七福神が置かれていて、すべてのスタンプを集めるにはいろんな商店街を巡る必要があります。
まあ、古くは江戸の「山手七福神」とかありますし、いろんな場所に七福神を分散させてコンプリート欲を掻き立てるってのは、伝統的な集客方法なんですよね。
見よ、この町内の手作り感溢れる看板を。すごくいい。
ここには福禄寿が祀られています。
七福神の絵の粗さとか。もっといいフリー素材あるんじゃないだろうか。
その脇に、古い広告。駅の中だから取られずに保存されてそうな気配。
質屋ニッタの場所は「踏切渡り、大鳥居を右入る」と書いてます。踏み切り渡っても大鳥居は無いんだけど、昔あったのか、それともちょっと行くとある新田神社のことでしょうか。
さて、商店街に戻ります。ここからふた手に分かれているのですが、
細っこいほうへ行きます。細っこいほうが好きだからです。
いい。
焼くぜ! やきとり。
いいな、この方法でいろんな仕事を表現したい。
叩くぜ! 木魚。(僧侶)
寝るぜ! 5限。(高校生)
細っこい道沿いにこんなの建つの? 大丈夫でしょうか。
朝とかこの道パンパンにならない?
金魚のお店の店構えが素晴らしい。
これ、看板建築に分類してよいのでしょうか。前面の看板以外は木造。
クッソ安いけど、つくねは結局いくらなのか気になる。
ラーメン屋さん、八快なんですけど、
鋭角であることを活かして、
裏からも注文できる。
マルエツとしまむらの結合体があるのでこの辺は安泰。
多角化でしょうか。歯医者と雀荘。
このあたりは綺麗な住宅街。
突然登場する寿司屋の店構えよ。
立体駐車場かっこいい。
最終的に車が10台くらい繋がってロボになってほしい。
効果的な攻撃方法が書かれた看板。RPGに出てくる有益な村人みたい。
そうこうしているうちに新田神社に着きました。
破魔矢を初めて売りだした神社で、考案したのはあの平賀源内だって。なんでも、神社裏に霊験あらたかな竹が生えていて、これをお守りにして売ったらどうか、と提案したらしい。
あいつ本職は蘭学者なのに、土用の丑の日は鰻デーとか決めて売ったり、そういうのちょいちょいやるよね。今で言うと誰なんだろ。
ご祭神は、新田義興公なのですが、祟りを鎮めるために建てられたものです。
新田義貞の次男であるところの新田義興は大変有能な武将であったそうなのですが、鎌倉奪還のため、矢口渡から多摩川を渡ろうとしたときに、裏切りによって殺されてしまうんですね。
だんだん説明するの飽きてきたんだけど、んでその後、関係者とか次々死ぬし祟りヤバイってことで新田神社が出来ました。若者風に説明すると簡単になる。
立派な神社。祟りを鎮めるための、静かな社なのですが、
脇にLOVEって書いてあった。祟り神の隣で大丈夫?
義興公がこう言ってるんだから。水遊びしたら殺されますよ。
あと、この神社はご神木がすごい。
樹齢700年のご神木。
書いてあること要約すると「死んでるみたいだろ。生きてるんだぜ、これで」って書いてます。
春には芽吹くんだそうです。
裂けてるじゃないですかー。雷と、戦災でこうなったそうです。
このご神木感すごい。
新田神社の前は公園です。謎の形状の車止めがあります。
矢口南児童公園。
なんでか知らないけど、羊が溶けている。
新田義興公の念に触れすぎて、でしょうか。
サイレント看板。
さて、だんだん武蔵新田の西側に来ましたよ。
このあたりは住宅街です。
警察署と地主の連名とかあるんだ。
町の敵。強い言葉。
町に「お前は敵だ!」って言われたら、なんか、俺、泣いちゃうかもしれない。
下町ロケットよろしく、大田区の下町にはこういう小さな工場がいっぱいあります。
平日の昼間にこのあたりをうろうろしていると、ツナギを着たおっちゃんといっぱいすれ違います。みんなロケットを作っています。
こんなところに送電線の鉄塔がある。
このあたりは「相武線」だって。
俺が住んでる近くは線路と幹線に沿って鉄塔があるので、こうやって民家脇に急に建ってるのがすごく珍しく感じちゃう。
多摩川線の線路渡ります。
変電所みたいのがある。だからこのあたり鉄塔が多いのかもしれない。
鉄塔豆知識が書いてあった。
台風のあとは、塩分や埃で音や火花出ることあるけど気にしないで!
だって。
線路を渡ってすぐ、矢口渡頓兵衛地蔵尊があります。
頓兵衛ってのは、矢口渡から新田義興を乗せた船頭なのですが、敵方に買収されており、船底に穴を空けて沈めるお手伝いをしました。
その後、悔い改めて建てたのがこの地蔵ってことなのですが、太平記には船頭の名前は載っておらず、頓兵衛ってのは江戸時代に流行った人形浄瑠璃の「神霊矢口渡」に出てくる創作らしいんですね。
だからまあ、由緒ある史跡というよりは、マリノス神社、とか、そういう感じのやつです。でも出来たのが江戸時代なので、なんとなくそれっぽく仕上がってるのずるいな。マリノス神社もそのうち貫禄ついてくるんだろうか。
あと、この人形浄瑠璃「神霊矢口渡」を書いたのは平賀源内だそうです。カーッ! あいつまじで、何なの。嫉妬しか湧かない。
なんとなく、間違っちゃいけないところを間違えた気がする。
あっ、多摩川七福神がまた居た。
頓兵衛地蔵の社内に併設。そういうの、いいんだ。
環八に出ました。そろそろ駅のほうに戻ります。
奥が公式の植え込み、前が勝手にちょい足ししたやつです。
ちょい足しがすごい豪華。梅が咲いています。
いろいろなフォント。
出入り口にしてはドアの高さ低いし、位置がおかしい。
100円ショップのキャンドゥがあったんですけど、あれ、キャンドゥってこんな感じでしたっけ。
街の文房具屋の匂いがする。
日曜定休のキャンドゥなんてあるんだ。
手作り感あふれるキャンドゥ。
そんなこんなで、武蔵新田駅に戻ってきました。
なんかこんな椅子、昔の駅にあったよなあ。懐かしい。
と思ったらなんかヒートマップみたいな前衛的な椅子も置いてあった。何なの?
というわけで、祟り神に守られた平和な街、武蔵新田でした。またねー。
今日は、東急多摩川線、武蔵新田(むさしにった)に来ております。
ナントカ新田っていう地名は大体江戸時代にどっかの金持ちによって拓かれた新しい土地だったりするんですけど、この駅名はそうではなくて「新田神社(にったじんじゃ)」っていう神社から来ています。だから読みも「にった」なんですね。
「にった」と聞いてみなさん思い出すのは、太平記に出てくる新田義貞だと思うのですが……
それが実は正解でして、新田義貞の次男、新田義興が祀られている神社です。南北朝時代からあるヤベー神社となっております。
あとここ、破魔矢の発祥の地なんですって。あとで行きます。
さて、武蔵新田のある東急多摩川線沿線は、知る人ぞ知る味わい深い、住みやすいエリアが揃っているんですね。どの駅もだいたい共通しており、キーは3つ。「駅近くにローカルローカルした賑やかな商店街」「いい感じの住宅街」そして「多摩川の河川敷」です。
今日降りた武蔵新田もご多分に漏れず、
駅前は賑やか、
閑静な住宅街、
あと多摩川ももちろんあるんですけど、多摩川は今回行きませんでした。だって鵜の木でも下丸子でも行きましたし、もういいかなって。そんなに変わんないですし。行ってないですけど、おそらく、水が、流れています。
というわけで、武蔵新田、スタートです。
武蔵新田駅前
降りました。用はないです。
降りてすぐなんですけど、駅横の古き良きパン屋さんが最高です。
見て、看板のぜいたくな使い方。真ん中のいいとこにしか文字書きませんよ。看板の一番搾りです。
ところで、武蔵新田の東側はすぐ環八なのですが、
環八に抜ける門の名前が「むさしにった発展門」
意識が高い!
その隣にあるラーメン屋が「ラーメン日本一」
意識が高い!
そして環八に出てすぐのラーメン屋が「ビッグ」
意識が、高いよ!
さて、環八の反対側、西へ向かうメインのほうの商店街はこんな感じです。
大体大丈夫です。大体大丈夫な商店街です。賑わっております。
まいばすけっと、こんなゲートありましたっけ。ポップ体のゲート通りたくないなあ。
あれ、八福神? 一人多くない?
「八人目の福の神は、大切なお客様です」
俺がカウントされてた。
輪投げの絵が個性的。
そうそう、線路沿いに比較的新しい社があって、多摩川七福神。
2014年に大田区のまちおこしプロジェクトとして新たに設置されたものです。いろんな場所に七福神が置かれていて、すべてのスタンプを集めるにはいろんな商店街を巡る必要があります。
まあ、古くは江戸の「山手七福神」とかありますし、いろんな場所に七福神を分散させてコンプリート欲を掻き立てるってのは、伝統的な集客方法なんですよね。
見よ、この町内の手作り感溢れる看板を。すごくいい。
ここには福禄寿が祀られています。
七福神の絵の粗さとか。もっといいフリー素材あるんじゃないだろうか。
その脇に、古い広告。駅の中だから取られずに保存されてそうな気配。
質屋ニッタの場所は「踏切渡り、大鳥居を右入る」と書いてます。踏み切り渡っても大鳥居は無いんだけど、昔あったのか、それともちょっと行くとある新田神社のことでしょうか。
さて、商店街に戻ります。ここからふた手に分かれているのですが、
細っこいほうへ行きます。細っこいほうが好きだからです。
いい。
焼くぜ! やきとり。
いいな、この方法でいろんな仕事を表現したい。
叩くぜ! 木魚。(僧侶)
寝るぜ! 5限。(高校生)
細っこい道沿いにこんなの建つの? 大丈夫でしょうか。
朝とかこの道パンパンにならない?
金魚のお店の店構えが素晴らしい。
これ、看板建築に分類してよいのでしょうか。前面の看板以外は木造。
クッソ安いけど、つくねは結局いくらなのか気になる。
ラーメン屋さん、八快なんですけど、
鋭角であることを活かして、
裏からも注文できる。
武蔵新田駅の南側
マルエツとしまむらの結合体があるのでこの辺は安泰。
多角化でしょうか。歯医者と雀荘。
このあたりは綺麗な住宅街。
突然登場する寿司屋の店構えよ。
立体駐車場かっこいい。
最終的に車が10台くらい繋がってロボになってほしい。
効果的な攻撃方法が書かれた看板。RPGに出てくる有益な村人みたい。
新田神社に来ましたよ
そうこうしているうちに新田神社に着きました。
破魔矢を初めて売りだした神社で、考案したのはあの平賀源内だって。なんでも、神社裏に霊験あらたかな竹が生えていて、これをお守りにして売ったらどうか、と提案したらしい。
あいつ本職は蘭学者なのに、土用の丑の日は鰻デーとか決めて売ったり、そういうのちょいちょいやるよね。今で言うと誰なんだろ。
ご祭神は、新田義興公なのですが、祟りを鎮めるために建てられたものです。
新田義貞の次男であるところの新田義興は大変有能な武将であったそうなのですが、鎌倉奪還のため、矢口渡から多摩川を渡ろうとしたときに、裏切りによって殺されてしまうんですね。
だんだん説明するの飽きてきたんだけど、んでその後、関係者とか次々死ぬし祟りヤバイってことで新田神社が出来ました。若者風に説明すると簡単になる。
立派な神社。祟りを鎮めるための、静かな社なのですが、
脇にLOVEって書いてあった。祟り神の隣で大丈夫?
義興公がこう言ってるんだから。水遊びしたら殺されますよ。
あと、この神社はご神木がすごい。
樹齢700年のご神木。
書いてあること要約すると「死んでるみたいだろ。生きてるんだぜ、これで」って書いてます。
春には芽吹くんだそうです。
裂けてるじゃないですかー。雷と、戦災でこうなったそうです。
このご神木感すごい。
新田神社の前は公園です。謎の形状の車止めがあります。
矢口南児童公園。
なんでか知らないけど、羊が溶けている。
新田義興公の念に触れすぎて、でしょうか。
サイレント看板。
西側は住宅街
さて、だんだん武蔵新田の西側に来ましたよ。
このあたりは住宅街です。
警察署と地主の連名とかあるんだ。
町の敵。強い言葉。
町に「お前は敵だ!」って言われたら、なんか、俺、泣いちゃうかもしれない。
下町ロケットよろしく、大田区の下町にはこういう小さな工場がいっぱいあります。
平日の昼間にこのあたりをうろうろしていると、ツナギを着たおっちゃんといっぱいすれ違います。みんなロケットを作っています。
こんなところに送電線の鉄塔がある。
このあたりは「相武線」だって。
俺が住んでる近くは線路と幹線に沿って鉄塔があるので、こうやって民家脇に急に建ってるのがすごく珍しく感じちゃう。
武蔵新田駅の北側
多摩川線の線路渡ります。
変電所みたいのがある。だからこのあたり鉄塔が多いのかもしれない。
鉄塔豆知識が書いてあった。
台風のあとは、塩分や埃で音や火花出ることあるけど気にしないで!
だって。
線路を渡ってすぐ、矢口渡頓兵衛地蔵尊があります。
頓兵衛ってのは、矢口渡から新田義興を乗せた船頭なのですが、敵方に買収されており、船底に穴を空けて沈めるお手伝いをしました。
その後、悔い改めて建てたのがこの地蔵ってことなのですが、太平記には船頭の名前は載っておらず、頓兵衛ってのは江戸時代に流行った人形浄瑠璃の「神霊矢口渡」に出てくる創作らしいんですね。
だからまあ、由緒ある史跡というよりは、マリノス神社、とか、そういう感じのやつです。でも出来たのが江戸時代なので、なんとなくそれっぽく仕上がってるのずるいな。マリノス神社もそのうち貫禄ついてくるんだろうか。
あと、この人形浄瑠璃「神霊矢口渡」を書いたのは平賀源内だそうです。カーッ! あいつまじで、何なの。嫉妬しか湧かない。
なんとなく、間違っちゃいけないところを間違えた気がする。
あっ、多摩川七福神がまた居た。
頓兵衛地蔵の社内に併設。そういうの、いいんだ。
環八に出ました。そろそろ駅のほうに戻ります。
奥が公式の植え込み、前が勝手にちょい足ししたやつです。
ちょい足しがすごい豪華。梅が咲いています。
いろいろなフォント。
出入り口にしてはドアの高さ低いし、位置がおかしい。
100円ショップのキャンドゥがあったんですけど、あれ、キャンドゥってこんな感じでしたっけ。
街の文房具屋の匂いがする。
日曜定休のキャンドゥなんてあるんだ。
手作り感あふれるキャンドゥ。
そんなこんなで、武蔵新田駅に戻ってきました。
なんかこんな椅子、昔の駅にあったよなあ。懐かしい。
と思ったらなんかヒートマップみたいな前衛的な椅子も置いてあった。何なの?
雑感
さて、武蔵新田。先に申し上げたとおり、多摩川線の標準的な、賑やかかつ住みやすいエリアなんですけど、さらに矢口渡、新田神社と史跡もプラスされ、より重厚な布陣となっております。というわけで、祟り神に守られた平和な街、武蔵新田でした。またねー。