最近ではシリアのmanbij の帰趨をめぐり、クルド系のYPGとトルコの支援する自由シリア軍の対立が、目立ってきましたが、イラクでもクルド問題は昔からの難問で、それが最近またキルクークの帰属をめぐって、再燃している模様です。
イラク北部のキルクークは、古代アッシリア時代からの伝統の地域で、イラク最大規模の石油埋蔵量を誇りますが、同時に、アラブ、クルド、トルコマン、アッシリア人(キリスト教徒)等の積む多民族、多文化の地域として知られています。
この中でも、最近では、特にアラブ人とクルド人がその帰属を争っていて、現在でもキルクークの最終的帰属は決まっていないと聞いています。
この戦略的、経済t系に重要な地域をめぐって、最近クルドとイラク中央政府の対立が激しくなっているようですが、これにトルコも割って入ってきました。
申し訳ないが、クルド問題など、これまであまり真剣にフォローしていないかったので、くわしい経緯は不正確かとも思いますが、al jazeera net とal arabia net の報じる、キルクーク問題について、その要点のみ次の通り。


どうも今回の事件の発端は、クルド系のキルクーク県知事が、キルクーク県のすべての政府庁舎にイラク国旗と並んで、クルド自治区の旗を掲揚することを求めたことから始まった模様です。
これに対して、イラク政府報道官は、20日官庁舎にはイラクの国旗のみを掲げるべきで、クルドの旗を掲げることは憲法違反であると表明した由。
報道官はさらに、キルクークはクルド自治区には含まれておらず、イラク政府の管轄下の地域であり、クルド自治区外のいかなる地域でもその旗を掲げるのは違法であるとした由。
また、トルコマン戦線は、キルクークはクルド自治区には含まれておらず、このような一方的行為は、憲法違反であるとして非難した由。

さらにトルコ外務省報道官も、このような一方的な行為は、キルクーク地域の平和と安定を損なうもので、キルクークのためにならないとして、非難したよし。
これに対して、イラク政府報道官は、この問題はイラクの内政問題で、いかなる外国のかかわりあうべき問題でもない、としてトルコの非難を拒否したよし
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2017/03/20/الحكومة-العراقية-ترفض-رفع-علم-كردستان-على-كركوك.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/3/20/تركيا-تستنكر-مطالب-كركوك-برفع-علم-كردستان
とりあえずのところ以上ですが、確かに内政問題であるキルクーク問題につき、間髪を入れずにトルコから内政干渉ともいえる発言がされるところに、あの地域のクルド問題の難しさがあるのだろうと思います、