こんにちは、gatsbyです! (*'▽')
絵画のネットサーフィンをしていたら、昔探していた笹倉鉄平さんの作品を見つけま
した。元町コンフォート・ギャラリーさんにて原画でアップされていました。
2. 「シニョリーナ」(アクリル)
1992年制作
今年、ヴェネチアを舞台にした作品『ヴェネチアン・ノクターン』が描かれましたが
そのずっと前に、同じくヴェネチアを舞台に描かれた作品
引用元:
笹倉鉄平作品の専門ギャラリー【元町 コンフォート・ギャラリー】神戸、大阪、全版画、原画
当時、版元に確認したらシルクスクリーンに落とされる予定が、他の作品に決まった
のでこの「シニョリーナ」は版画になりません。と言われて落ち込んだ記憶がありま
す。
でも久しぶりに原画で見られて、ちょっと感動です。この女性の黄昏感がたまらず好
きなんです。この絵を眺めながら飲めないシャンパンでも飲みたくなっちゃうほどで
す。(*'▽')
↓ 笹倉鉄平さんの記事はこちらで。
ではでは、土建屋の社長編、始めますね!!
若夫婦が引っ越して二カ月後ー
「よろしくな、坊主!」
隣に越してきたのは、小さな土建屋を営むN野という中年男性でした。会うたびに私
の頭をワシャワシャと強めに撫でるのが常な気さくな人でした。結婚はしていないのか
バツイチなのかは知りませんでしたが、一人でした。
「悪い人ではないんだろうけど……。」
母は彼の話題になる度に、必ず頭にその言葉を付け加えていました。
彼の噂は、子供ながらに聞いていましたが、あまりよろしくないような内容ばかりで
した。毎日のように飲み歩き、酒癖の悪さで暴れ、女にもだらしないー
それが彼の世間の評価でした。
ただ、仕事自体は評判は悪くなく、酒さえ入らなければ真面目な男でした。その男の
会社自体は親方一人に職人が一人という個人経営に近い会社でした。
それは、引っ越して間もない頃でした。
「大きな会社の下請けに入れてー」
ある朝、父とN野が立ち話をしていました。
「それは、よかったですね!」
「今の職人では足りないから、もっと雇わないと!」
彼は自慢げに父にそう言っていました。
それから、一年後ー
状況は一変しました。
「触るなよ、ガキが触れるレベルの車じゃないんだ。」
隣の車を見ていた私は、N野さんのお抱え運転手に睨み付けられました。
ピカピカに磨き上げられた黒塗りの高級車は、顔が映り込むほどに綺麗に仕上げられ
ていました。
「あ、おはようございます! N野さん!」
「ああ。」
子供が見ても立派なスーツに身を固めたN野が家から出てきました。
私がおはようの挨拶をしようとした時ー
汚い手でさわるなよ!? ( ゚Д゚)
N野はまるで私を虫けらを見るような目で睨み付けました。
「ほんと、ガキは嫌ですね。育ちを疑いますよ。」
運転手は後部座席のドアを開けながら、N野に媚びへつらっていました。
N野は頷くと、私を一瞥してから後部座席に乗り込みました。
彼が引っ越してきてからこの小さな土建屋は急速に仕事量を増やし、こなしていきま
した。大きな会社の下請けに入れたこともあり、職人の人数も必然的に増えていきまし
た。
それと同時に、会社の売り上げが右肩上がりで上がっていきました。
そして、彼は変わりました。昔のような気さくさはなくなり、全くの別人になってい
きました。酒を飲まなくても横暴になり、自分より下と思う者には容赦なく罵倒し、嘲
りました。昼間っから女をはべらかし、自慢をするように子供の前ですら平気で色々な
行為をする傍若無人ぶりでした。
ある朝、N野に言われた事が分からずに母に聞いた事がありました。
「ねぇ、ボクは育ちが悪いの?」
「gatsby、誰に言われたの!?」
珍しく母の表情は険しくなっていました。
「隣のおじさん。」
「ちょっと、待ってて!!」
そういうと母は玄関を飛び出していきました。私は二階の窓から母の姿を探してみま
した。母はまず運転手に何かを伝え、困った顔をした運転手が見えました。
そしてN野が家から出てきて、母と言い争いになりました。詳細までは聞こえません
でしたが、最後のN野の言葉だけははっきりと聞こえました。
お前らクズと一緒にするな!! ( ゚Д゚)
興奮したN野は肩で息をしていました。
おかげでこれが私の幼い記憶に残る一番のクズな思い出となりました。
次回、
「リトルgatsby異生活」、人間って……。(-_-;)
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