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【ソウルからヨボセヨ】卵がなくなった…ロウソクデモになるかも

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【ソウルからヨボセヨ】
卵がなくなった…ロウソクデモになるかも

 韓国の大衆料理はよく卵を使う。激辛系のキムチチゲ(鍋)には、どういうわけか卵焼き(韓国では「卵巻き」という)が必ず付き、冷麺にはスライスしたゆで卵、おなじみのビビンバには目玉焼きや生卵が乗っている。黒い素焼きのミニ鍋で出てくる韓国式茶碗(ちゃわん)蒸し「ケランチム」は韓国料理の定番である。

 ところが、韓国の養鶏業はこの冬、鳥インフルエンザで壊滅的打撃を受け、品不足で卵料理もままならない。月末には韓国の正月である「ソル(旧暦の元日)」の連休がやってくるため、その需要に備え米国から卵の緊急輸入となった。

 また、韓国では近年、生ビールにフライドチキンという「チメク」が流行し、中国人観光客の客寄せメニューになっている。チキンの「チ」とビールを意味する韓国語「メクチュ(麦酒)」の「メク」との新造語だが、旧正月連休の中国人観光客向けのチキンの調達も頭が痛そうだ。

 それにつけても2008年、米国産輸入牛肉を食べると人間も狂牛病にかかるといって大騒ぎし、韓国名物である数十万人規模の反米・反政府ロウソクデモが街頭を埋めた。今は平気で米国肉を食べているが、ロウソクデモが人気の今日このごろ、米国の卵だって誰か悪いヤツが扇動すればロウソクデモになるかもしれない。(黒田勝弘)

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