2016年のDeNA社による「キュレーションメディア問題」により、Google日本が手動によってもテコ入れが入ったと思われる2017年。

特に「フレッドアップデート」といわれる3/8のAM5:00頃からの大変動で、キュレーションメディアはもちろん、多くのメディアが「SEO圏外」に飛ばされている実態があります。

大変動は収まっておらず、個人ブロガーは阿鼻叫喚。また、キュレーションメディアを運営していた会社は、トラフィックの減少で人員削減にまで走っています。

独自の意見が強いですが、支援媒体も含めての独自意見と対策を考えてみました。

 

◆そもそも「SEO依存」が今回のフレッドアップデートで崩壊した

多くの個人ブロガー、そしてキュレーションメディアがSEOを意識したマネタイズを行ってきたことを今更論ずるまでもないでしょう。

逆に、SEOに頼らずに「外部配信」で流入・マネタイズを行ってきていたメディアにとっても、当時の「PV主義」は崩壊し、「記事広告」や「インフィード広告」で“刈り上げすぎた”ことによる、ユーザーからの「ネットメディア」に対する不信感は募る一方でした。

ただもちろん、メディア側にも言い分はあります。

「労力と時間・費用」を対価として「広告」を置いていたわけであり、メディアマンにとっては慈善事業を行うわけにはいきません。

ユーザーとメディア側の意識の違い。これがユーザビリティへの意識の相違を生み、資本主義に走りすぎた「SEO対策」にメスを入れたのが「フレッドアップデート」だといえます。

 

◆矛盾もある…中古ドメインでの発リンク効果が強くなる

そもそも「パンダアップデート」や「ペンギンアップデート」により、“被リンクの時代は終わった”とされていました。

事実、2016年9月のペンギンアップデート以降は、中古ドメインによる発リンクの被リンク効果が大幅に減少。

多くのSEO業者が、方向性を転換したのが「コンテンツSEO」でした。コンテンツSEOの効果が薄れてきていることは後述しますが、今回の「フレッドアップデート」により、これまで圏外に飛んでいた中古ドメインのサイトのペナルティが解け、むしろ「中古ドメインによるSEO」が強くなっていることは、GoogleのAIにも「誤算」だったのではないでしょうか。

いわゆる中古ドメインによる「ブラックハット」には様々な手法がありますが、最近のSEO業者が多く取り入れていたのが「コンテンツSEOと被リンクの相乗対策」です。(ただしこれは“ブラックハット”とは言い難い部分があります)

いわゆる代表的なブラックハットSEOは、隠しテキストによる発リンクや、文章作成ツールを使った「ワードサラダ」によるSEOが代表例です。

今回の「フレッドアップデート」以降、こうした過去のSEO対策によるサイトが急上昇したことで、多くのブロガーが怒りを覚えているようです。

実際、月間50万PVを持っていたあるサイトのトラフィックが80%減少していることも確認しています。

 

◆仮説1:重複コンテンツの評価を下げた

今回のフレッドアップデートでは多くのSEO業者が頭を悩まされている様子です。

そもそも、「コンテンツSEO」が有効としながら被リンク対策(逆SEOの対策含む)を含めて、“被リンク効果への軽視”が今回のフレッドアップデートでの被害を招いたウェブサイトが多く見られます。

また、今回のフレッドアップデート以降に「インデックス数の急増」をサーチコンソールで確認できているサイトも多くあります。

インデックス数を増加させることは「SEO対策の一環」だったのですが、それはこれまで「重複コンテンツ」への低評価が加味されていなかったためです。

そのため、キュレーションメディアがとてつもなく多い「インデックス数」を誇り、検索エンジン上位化を可能にしていたわけです。

ただし、今回のフレッドアップデートでは「重複コンテンツ」の低評価ペナルティを加えた可能性が高いです。

そのため、「重複コンテンツが多いサイト」=「低品質なサイト」とみなされ、キュレーションメディアと同様に“飛ばされた”ウェブサイトは数多く存在します。

 

◆仮説2:独自性のないウェブサイトの低品質評価

「ネット上にゴミが多くなってきた」という所感を持ったグーグル社が、独自性のないウェブサイトの評価を下げたという傾向も強く見られます。

たとえば、近年では「女性を対象としたウェブメディア」が急増していました。

この理由には、「マネタイズのしやすさ」があります。

  1. 女性は購買意欲が高い
  2. スマホによる読み物を好む
  3. 信じ込みやすい
  4. 広告のCTR・CVRが男性よりも高く、商材の費用対効果が高かった
  5. 拡散されやすい

他にも理由はいくつかありますが、女性を敵に回すと怖い筆者は言及を避けておきましょう。

つまり、ネット上にはターゲットをF1層~F2層の女性をターゲットとしたメディアが急増し、「似たような記事」がネット上に蔓延しました。

これはつまるところ、「独自性がない」と判断されているわけです。

多くのブロガーが「ホワイトSEOでやってGoogleのことを信じてきたのに、何も信じられない」と意見していることが多いですが、そもそも“そのコンテンツ”は独自性の強い、その人にしか書くことができないものだったのでしょうか?

 

◆仮説3: Google社によるAI導入のテスト段階

ネット上や多くのブロガーが「被リンクの否認が急務」であるとか、「Wordpressのプラグインが悪影響」であるとか、「ドメイン自体が弱いから圏外になった」などの意見が多いですが、これは序章にしかすぎないでしょう。

そもそもGoogleは昨年のペンギンアップデート以降、「今後はアップデートのタイミングを公表しない」とし、「AIによる自動アップデート」を明言しています。

ただ、「AIのアルゴリズム導入」はまだまだテスト段階によるものだと考えられ、今後もGoogle社が多くのウェブサイトを“つぶしていく”というのは容易に考えられます。

ただ、これまで「コンテンツSEO」を意識してきた方々が、何も肩を落として諦める必要はないでしょう。

要は、「本当のコンテンツSEOとは何か」の意識変革の黎明期だとも言えるからです。

 

◆大変動に対する小手先の対策は存在しない

結局ここまで読んでいただいた方の期待を裏切ることになるかもしれませんが、そもそもGoogleの検索エンジンに対しての「小手先のテクニック」は今後、さらに減少していくでしょう。

現状では、「ブラックハット」が意外と有効であったりしますが、これも将来性は皆無だといっても過言ではありません。

むしろ、「SEOの時代」も終わる日は近いでしょう。

Google社はしきりに「ユーザビリティを意識したコンテンツ作成の必要性」を謳っていますが、これは真実であり、より多くのブロガーを“抹消していく”という宣言に近いものがあります。

たとえば今回、SEOの順位を見ていて感じたのが「エンタメ」「恋愛」「雑記」のブログの大幅なトラフィック減少です。

逆にマイノリティなジャンルのウェブメディアは“上昇傾向”にあるブログも見られます。

これが意味することは、「メディアの在り方」そのものが今後、大きく変わっていくという点です。

Google社は、「資本主義によるSEO対策」を完全にシャットアウトしようとする気配すら見せています。つまり、これまで個人で「Google Adsense」や「ADNW」、「アフィリエイト」で生計を立ててきた個人ブロガーは、路頭に迷う可能性が高くなってきたという現実は受け入れていくべきでしょう。

 

まとめ

「無慈悲」といった意見もありますが、Google社も営利団体です。

その営利団体に救う「キュレーションメディア」や「ネットメディア」にょるマネタイズが、今、完全に見放されようとしています。

「自社製品をSEOで対策して販売していた」、「ネットのPVを挙げやすい“まとめサイト”で収益を上げていた」、「マネタイズだけを考えていた」といったウェブメディアは、今から“ユーザビリティとは何か”を意識したコンテンツ作成が急がれることになっていくでしょう。