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【大相撲】

九重部屋 独立50周年記念パワー! 千代の国・千代翔馬2敗守った!

2017年3月20日 紙面から

荒鷲をとったりで破った千代の国(右)=エディオンアリーナ大阪で(西岡正撮影)

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◇春場所<8日目>

 (19日・エディオン アリーナ大阪)

 今年で独立50周年を迎えた九重部屋の千代の国(26)=三重県伊賀市出身、千代翔馬(25)の2人が2敗を守った。稀勢の里(30)=田子ノ浦=は松鳳山を逆転の小手ひねりで退け、勢を下した高安(27)=同=とともに全勝ターン。照ノ富士は御嶽海を圧倒して7勝目を挙げ、平幕の栃煌山も1敗を守った。鶴竜は正代を慎重に仕留め、日馬富士は貴ノ岩を上手投げで転がして、ともに6勝目。大関復帰を目指す琴奨菊も6勝とした。

    ◇

 田子ノ浦部屋の稀勢の里と高安がそろって全勝を守れば、九重部屋の2人も2敗を守って食らいついていく。

 九重部屋は1967年1月場所後に元横綱千代の山が、大関北の富士(現本紙評論家)らを引き連れ出羽海部屋から独立して興した。ちょうど50年たった節目の場所で、九重部屋を引っ張る千代の国がまずは荒鷲をとったりで破り、続く千代翔馬は初対戦の宝富士に、土俵際のすくい投げで逆転勝ち。

宝富士をすくい投げで破った千代翔馬(左)(西岡正撮影) 

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 優勝争いは「全然気にしてない。まあ、一番一番」と受け流す千代翔馬だが、部屋別では最多となる52回の優勝を誇ることを聞くと「知らなかったっす。50年で52回ですか。先代の親方も優勝していて、今の師匠も優勝してる。まだまだですけど、近づけるように努力をしていきたい」。今場所はしっかり食べて、自己最高の132キロで場所に臨んだ。ただ、「食べても、飲んでも強くはならない。稽古です。先代からも、やればいいことが返ってくるから、自分のためにやれ、と言われ続けた」という先代から受け継がれた猛稽古の積み重ねが白星につながっている。

 師匠の九重親方(元大関千代大海)は「千代のついたOBが全国にいます。千代の相撲道というのが身体に染み込んでいるOBが、全国から力をくれる。これから100年、150年、200年と続くように、輝けるようにしていきたい」という。

 これまで三段目に昇進すると「千代」をしこ名にもらえたが、九重親方は「三段目が目標じゃないから」と、5月場所から新弟子を含めたすべての力士に「千代」をつけることにした。

 千代の国は「千代という名前をいただいていることに感謝したい。偉大な名前だと思う」。誇りを胸に土俵に上がる。 (岸本隆)

 

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