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【言わねばならないこと】(88)子どもの未来 守るため歌う シンガーソングライター・橋本美香さん社会派アイドルグループ「制服向上委員会」に二十年間在籍し、二年前にソロ活動を本格化させた。一九九九年にベトナムを訪れ、枯れ葉剤の後遺症に苦しむ人たちと接した経験をきっかけに、政治性の強い曲を歌うようになった。 国会前などの集会では、(他国を武力で守ることを可能にした)安全保障関連法への反対や、脱原発を歌う。児童養護施設で童謡を歌うこともある。両極端のようだが、平和と子どもの未来を守るという意味で、私の中では芯が通っている。生活に関わる、おかしなことはおかしいと言いたい。安保法や原発は生活に関わる。戦争は要らないし、原発は要らない。 二年前、神奈川県大和市のイベントで「諸悪の根源自民党」という歌詞を歌ったら、自民党の市議が問題にして市がイベントの後援を取り消す騒ぎになった。自民党政権に戻って、グループに対するインターネット上の誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)が増えた。メンバーは十代が中心。信念を持って活動していても、心理的に追い詰められて辞めていってしまう。 それでも集会に行けば、ほとんどの方は私やグループを知ってくれていて、応援してくれる人が増えたと感じる。二〇一四年に出産した長男が大きくなったときに、日本が戦争ができる国になっていたら嫌だ。沈黙してはいけない。 米国ではアーティストが政治的な立場を明確にするのは普通。大物の歌手や俳優が進んで意見を言う。日本では、売れている人の方が発言しづらい。発信力が大きい大物の方こそ、ひるまずに言ってもらえたら、若者の政治参加が進み、変えていける。 日本を「戦える国」に変質させる安保法が成立して十九日で一年半。橋本さんは自分の子どもの未来に危機感を覚え、歌い続けています。 <はしもと・みか> 1980年生まれ。95年に制服向上委員会に加入。作詞・作曲を手がけ、リーダー、会長を務めた。代表曲に「原発さえなければ」など。著書に「脱がない、媚(こ)びない、NOと言えるアイドル」。 PR情報
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