【コラム】「パーフェクトストーム」に襲われかねない韓米同盟

 支持率トップの大統領選ランナーならば、「政府は何もするな」と主張する自分の取り巻きを強くとがめ、自分の構想を米国側に伝える方法を模索するというのが正常な姿だ。ところが文氏サイドで、そうした動きは目につかない。「トランプの米国」が一方的に韓半島政策を組み立てるのを、ただ黙って見ているべしという話にしかならない。こうした韓米の二つの流れが、同盟を脅かす「パーフェクトストーム」につながりかねないと、はらはらさせられる局面だ。

 外交・安全保障は、文氏に対する不安が最も大きな領域だ。文氏は、自身の安全保障観への問題提起に対し、「安保商売」だとして強く反発している。しかし文氏は、韓国メディアであれ外信であれ、インタビューのたびに外交・安全保障関連の発言で批判を受けてきた。そのたびに、本人の真意を再度説明してきたが、聞けば聞くほど何を言っているのか分からなくなるケースが多い。文氏側は、これを「戦略的あいまいさ」だという。文氏の周囲には、過去の政権の北朝鮮政策に対する妄信で一丸となった人々が布陣している。文氏のこうした人材起用も、不安をあおる原因だ。結局、文在寅veto論や不安感の根源は、文氏本人にあると言わざるを得ない。

朴斗植(パク・トゥシク)副局長兼社会部長
前のページ 1 | 2 | 3 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  •  【コラム】「パーフェクトストーム」に襲われかねない韓米同盟

right

関連ニュース