〈待ってました—。「ヨッ健さん」〉
〈健さん、人にきびしく、自分に甘いと思うわ。でもでも大好き。そんけいしてます〉
〈カッコイイーでしょ。やっぱり自まんです〉
ページをめくっていくと、こんな知られざるエピソードも書かれていた。
〈(『チロルの挽歌』で脚本を書いた)山田太一先生に高倉健さんを書いて欲しいとお願いしたの 人の事だからお願い出来るワケ。これがやっと実現したの。自分にオファがくるなんて思ってもなかった ビックリしたしきんちょーしました〉
意外な人物のファンブックもあった。'90年『浮浪雲』で共演したビートたけしである。
二人がバラエティ番組で共演した際の写真の脇には、大はしゃぎしている彼女の文字が並んでいる。
〈素敵ネー。ファンです。大好きですたけし様。ストーカーではありません。あなたの番組いつもみてるのよ。肩の力をぬいていていいなあ 第一スマートですもの〉
〈仕事も遊んでるもん すっっごい すんばらしい〉
〈私が大ファンだって知ってたでしょ 恥ずかしいから云わなかったの、云えなかったの〉
〈(フライデー襲撃事件を受けて)君らしいしカッコイイヨ 彼女を守ったんだから。私も男だったら一人でフライデー行くな〉
〈ひょうきん族の最後の日花束もっていったの覚えてる ビックリした? 又今度ゆっくり食事しようネ 愛妻弁当はもう作らないから〉
一方、自分の気持ちに正直に生きた大原さんだけに、嫌いな者に対しては辛辣な言葉を書き連ねた。
〈(脚本家の台本に対して)めちゃ直しました。カンネン的すぎて、ひどいセリフでしたから〉
〈もうライターとしても人間としても終わりです〉
〈(プロデューサーに対して)最悪なキャスト。判らない人ばかりでした。キックバックでしょうか〉