パピー(子犬)におすすめのドッグフードの選び方
犬の中でも、子犬のステージは、成長のために栄養摂取は非常に重要になります。しかし、ただただカロリーを取ればい、どんどん栄養を与えれば良い、というのではなく、正しい栄養摂取ができないと、生涯にわたる問題が残ってしまうことがあります。そこで今回は子犬にドッグフードを与える時に注意したい点などをお伝えします。
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子犬(成長期)に必要な栄養は成犬より多い
子犬は成犬と比べて、消化機能が弱く、しかし成長に必要な栄養成分がたくさん必要です。そのため、ドッグフードは消化性が非常に高く、子犬に必要な栄養成分をしっかり含んだものが理想です。
たくさんのエネルギー量の摂取が必要
まず子犬では、エネルギー量がかなり必要です。
エネルギーは、生命を維持するために必要な”維持エネルギー”と、成長するために必要な”成長エネルギー”に分けて考えると、子犬の間は成長エネルギーを多量に必要とします。およそですが、離乳したばかりの子犬は、摂取したエネルギーの約半分を成長に使います。
もちろん、維持エネルギーは、単位あたりで考えると成犬と同じくらい必要ですので、トータルすると、子犬の間は、成犬よりもたくさんのエネルギーが必要になります。
成長エネルギーの必要量は、その後徐々に減少し、成犬になると維持エネルギーだけを摂取することになります。ただし、子犬のステージでの過剰なエネルギーは、肥満や骨格異常など、成長に悪影響を及ぼしますので、適正なエネルギー量を摂取することが大切です。
しっかりとしたタンパク質の摂取が必要
タンパク質はやはり成長に必要なため、離乳したばかりの時期が最も多くの割合を必要とします。その後も成犬になるまで、しっかりとしたタンパク質の摂取が必要です。しかも子犬は消化機能も未発達のため、より消化性の高いタンパク質が必要です。
必須脂肪酸をバランスよく摂取することが必要
脂肪は特に必須脂肪酸をバランスよく摂取する必要があります。
もちろん脂肪も成長に必要なものですので、成犬よりは多めに摂取します。ただし、脂肪はエネルギー源としても重要なもので、過剰摂取では、カロリーオーバーとなり、特に大型犬での骨格異常が問題となることがありますので、注意が必要です。
ミネラルもバランスよく摂取が必要
ミネラルは特にカルシウムとリンが成長に重要な役割を果たします。
これらはやはり多くても少なくても問題となりますし、特に大型犬の子犬はカルシウムとリンの調節機能が十分発達していないため、食事中のバランスが成長に大きな影響を与えます。
子犬に与えるべきドッグフードの選び方
パピー用・成長期用を選ぼう
子犬の時期は、あらゆる栄養の必要量が成犬とは異なっています。ですので、子犬の時期には、「パピー用」あるいは「「成長期、繁殖期用」と書かれた子犬専用のドッグフードを食べさせることが極めて重要です。
成犬用のドッグフードなど、子犬専用のもの以外のドッグフードを食べさせ続けると、特に大型犬ではかなりの確率で成長異常をきたします。
あとは大型犬の場合は、大型犬独自に設計されたパピー用フードもありますので、大型犬はそれらを利用するようにしましょう。
さらには、成長期の前半と後半で、必要な栄養組成が変化するため、それぞれのステージ専用に設計されたドッグフードもあります。特に大型犬ではそれらの選択がより一層重要になるでしょう。
オールステージ用は量を調整して与えよう
最近では「オールステージ用」のドッグフードと言って、どの成長段階の犬でも食べさせることができるものもあります。
オールステージのドッグフードでは、それぞれの成長段階での食べさせる量を調整することにより、必要な栄養を満たすことができますので、子犬でも食べることができます。
子犬の体調に合うドッグフードを探してみよう
また、子犬用やオールステージのドッグフードもいくつかの種類があり、やはりそれぞれの犬で相性があります。可能であれば、2、3日ずつ食べさせてみて、食いつきや便の状態(量や回数、固さなど)をチェックし、より合っているものを選んであげることも大切です。
特に大型犬は、小型犬に比べて消化機能が弱く、ドライフードでは軟便などのトラブルが多くみられますので、フード選びは慎重に行ってあげてください。
子犬の食事に関してよくある質問
Q. 子犬の時期は与えれば与えるだけどんどん食べますが、どれくらい与えるべき?
A. 子犬といっても、やはり食べすぎると肥満になります。特に成長期の肥満は、痩せづらいと言われていますので、あくまで適正量を食べさせて、体型や体重などをチェックしながら、量を調整してあげるようにしてください。
適正な体型や体重がわからない場合は、かかりつけの動物病院などで相談するようにしてください。
Q. 食いつきが良くなく、必要な量を食べてくれない場合の対処方法は?
A. もともと食が細い犬もいますが、中にはフードが合っていない可能性もあります。ウェットフードやフリーズドライなど、形状の違うものも含めて、他のフードを試してみることをお勧めします。
よく「ドライフード以外のものを与えると、わがままになってドライフードを食べなくなる」という話も聞きますが、子犬は何よりも適正な栄養摂取が大切です。
この時期の栄養がバランスよく摂れないと、一生涯に渡る問題になることもあります。また、ドライフードは消化性の面で限界があり、消化機能が発達していない子犬では、いくらふやかしても不十分なことも多いです。
ですので、この時期は食いつきの他にも、体型や体重、便の状態を見ながら、より良いフードを選んであげることが重要です。
Q. 子犬はドライフードをふやかして与えますが、いつからそのまま与えられるようになるでしょうか?
A. 明確な基準はなく、獣医師やブリーダーなど専門家でもそれぞれ異なる意見がありますが、生後半年から成犬になるまではふやかすイメージで良いでしょう。
生後半年くらいまで、あるいは成犬になるまでふやかすという、ゆっくりを推奨する意見では、早くふやかしをやめると、消化不十分で栄養吸収がうまくできなくなる可能性があることと、消化不十分では、腸内細菌のバランスが悪くなり、将来的にアレルギーなど免疫疾患が起こる可能性があるという話を聞きますが科学的根拠はありません。
Q. 食事の回数はいつから減らせる?
A. 子犬のうちは、子犬の生活サイクルに合わせて、1日に4〜5回与えることが勧められています。しかし成長が進み、生後3〜4ヶ月になると、1日に3回ほどで十分になります。その後、成犬に達したら1日2回で良いでしょう。
ドライフードは消化性が悪いことを考えると、一度にたくさん与えるよりは、少量の方が消化が良いため、一回の食事量を少なく、その分回数を多く与える方が体の負担が少ないと言えます。
しかし、近年の研究では、動物にとって「空腹時間」も健康のためには非常に大切なことだと考えられるようになり、1日2回、もしくは1日1回で十分という意見もあります。ただし、子犬の間は1日1回では低血糖を起こす可能性もあるため、注意が必要です。
まとめ
このように、パピーのステージでは、成犬とは様々な栄養学的な違いがあります。このステージでの栄養摂取を誤ると、生涯にわたる問題が残ることもありますので、パピーはパピーとしての必要な栄養が摂取できるよう、しっかりと管理してあげてください。