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【スポーツ】

[フィギュア]本田、自己最高200点超も2位止まりで連覇ならず

2017年3月19日 紙面から

2位となった本田真凜のフリー演技=台北で(共同)

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◇世界ジュニア選手権

 【台北・辛仁夏】フィギュアスケートの世界ジュニア選手権最終日は18日、当地で女子フリーが行われ、昨年の世界ジュニア女王・本田真凜(15)=大阪・関大中=がフリーで自己ベストを更新する133・26点を挙げ、合計でも自身初の大台となる201・61点をたたき出したが、ショートプログラム(SP)の2位から逆転はならず連覇を逃した。今季全日本ジュニア覇者・坂本花織(16)=神戸FSC=は3位で表彰台に上がり、白岩優奈(15)=関大KFSC=は5位。昨年12月のジュニアグランプリ(GP)ファイナルを制したSP1位のアリーナ・ザギトワ(ロシア)がジュニア歴代最高の208・60点で初優勝した。

 充実感と悔しさ。真凜のほほを2色の涙が伝った。ミスなしで演技を終え、リンクの中央で大喝采を浴びた時には感極まった。自身初、ジュニア女子2人目の200点超えを果たしながらザキトワに及ばず連覇を逃すと、今度は胸が張り裂けるような思いに襲われた。

 「怖さとか不安とかもまったくなく、自信をなぞるようにできたので演技に悔いはない。ただ、得点は200点超えても負けは負けで優勝したかったので、順位に関しては悔しい」

 冒頭の3回転ルッツ、3回転フリップ−3回転トーループを鮮やかに決めて波に乗ると、スピンもステップもレベル4が並ぶ充実ぶり。フリーの演目は、フィギュア界では多くのトップスケーターが選んできた「ロミオとジュリエット」。それだけに難しさもあるが、真凜らしくキュートに、そしてエレガントに演じてジャッジもファンも魅了した。

 フリーの自己ベストを4・62点更新する133・26点をマーク。ザキトワが7度のジャンプ全てを基礎点が1・1倍になる演技後半に集中させて技術で高得点を稼いだため後塵(こうじん)を拝したが、表現力を示す演技点ではトップと女王の誇りは守ってみせた。

 ジュニアデビューした昨季は目覚ましい活躍で、その勢いを駆って乗り込んだ世界ジュニア選手権をいきなり制覇。しかし、追われる立場という重圧が初めてのしかかった今季は、序盤の国内大会で年下に敗れることもあった。昨年12月のジュニアGPファイナルではSP当日にインフルエンザ感染が分かり棄権するという不運も。それでも全日本ジュニアで初表彰台の3位。全日本選手権でも名のあるシニア勢を押しのけて自己最高の4位に食い込んでみせた。

 ジュニア最後の大会で目標を達成できなかったが、平昌五輪シーズンとなる来季は、五輪代表を目指してシニアに転向する。「オリンピックの金メダルが小さいときからの夢で目指していたことなので、それを取るために来シーズンは強気で駆け抜けて頑張っていきたい。オフ中に覚醒したい」と抱負を語った。シニア1年目はどんな真凜を見せてくれるのか、楽しみだ。

 <本田真凜(ほんだ・まりん)> 2001(平成13)年8月21日生まれ、京都府出身の15歳。161センチ。大阪・関大中3年。昨季は初出場したジュニアグランプリ(GP)ファイナルで3位となり、世界ジュニア選手権で初優勝。今季は全日本選手権で自己最高の4位に入った。子役として活躍する望結(みゆ)を妹に持ち、全日本3連覇の宮原知子を指導する浜田美栄、田村岳斗両コーチに師事する。

 

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