トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

北勝富士、出身中学の先輩・所ジョージの激励で連敗止める

2017年3月19日 紙面から

所ジョージさんの世田谷ベースを訪れた北勝富士(岸本隆撮影)

写真

◇春場所<7日目>

(18日・エディオン アリーナ大阪)

 初土俵から11場所連続勝ち越しを継続中の北勝富士(24)=八角=が荒鷲(30)を寄り切り、連敗を5で止めた。埼玉県所沢市出身で、タレントの所ジョージ(62)の中学の後輩。場所前に激励を受けた先輩に恩返しの白星を届け、連続場所勝ち越し記録継続へ弾みをつけた。ともに田子ノ浦部屋の新横綱稀勢の里(30)と関脇高安(27)は全勝をキープ。栃煌山(30)=春日野=は隠岐の海(31)=八角=に押し出され、勝ちっ放しは2人となった。

 しびれるような声援が土俵上の北勝富士に届いた。「所沢市役所の職員さんだと思います」。たった2人の応援団だったが、「腹から声を出しているのが聞こえた。落ち込んでいたときだからありがたかった。応えないといけませんから」。力が湧いた。

 押し相撲の北勝富士が不利な右四つの体勢になりながら、荒鷲を勢いよく寄り切り。2日目から続いた、長い長いトンネルから抜け出した。「組んだ時点で、やばいと思ったんですけど。前に出るしかないので」。地元の熱い声援が背中を押してくれた。

 所沢市出身初の関取となり、昨年末には所沢市観光大使に委嘱された。そんな北勝富士が、「憧れの人です」という所ジョージさんと2月に初めて会うことができた。

 所さんが母校・南陵中の大先輩であることがきっかけ。父、兄、姉も卒業生で、北勝富士も小さなころから「所ジョージさんが中学の先輩にいるんだよ」と聞かされてきたという。

 所さんに会った北勝富士は「オーラがすごいです」と圧倒されたが、所さんから「中学の建物は変わったのかな?」「子供ながらに、どこか近道がないかって探してたねえ。話しているうちに思い出してきたぞ! その辺の地形を」と温かく迎えてもらった。そして、「若いころから真剣になれるものがあるのはいいよね。24歳かあ、まだまだ先が長くて楽しそうだね。春場所も見なくちゃね」と、これ以上ないエールをもらった。

 場所前に右ふくらはぎを痛めて苦しい場所になっているが、先場所まで序ノ口から11場所連続勝ち越し中。中学、高校、大学すべてで日本一に輝いた逸材は、この白星をきっかけに再スタートを切る。

 「北勝富士という力士がこの南陵中から出たんだと、ぼくが小さかったころの所さんのように言われたいです」。その先には所さんのように、全国区で活躍する日が待っている。 

 (岸本隆)

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ